記事
頻尿に利尿剤?
公開. 更新. 投稿者:前立腺肥大症/過活動膀胱.この記事は約2分36秒で読めます.
5,865 ビュー. カテゴリ:頻尿に利尿剤の処方?
利尿剤は基本的に朝食後に服用させることが多いです。
夜飲んでしまうと、夜中に何度もトイレに起きる事態になるからです。
しかし、夜間頻尿に対しては昼間とか、寝る前6時間くらい(夕方くらい?)に服用させることがあります。
たとえばフルイトランだと3時間くらいで利尿効果が最大になり、6時間くらい効果が続くので、寝る前に尿を出しきって、スッキリさせてから床につかせるためです。
高齢者だと脱水や、脳梗塞のリスクもあるので注意します。
心不全患者では、交感神経系やレニン・アンジオテンシン系が亢進し、腎血流量の減少により尿量が減少する。
ただし夜間に安静状態になると腎血流が改善し、夜間尿量がむしろ増加すると考えられる。
これにループ利尿薬のフロセミド(ラシックス)を投与すると、腎尿細管へのNaやK、水の再吸収を阻害し、全体の尿量を増やす。
インタビューフォームによると、フロセミドの利尿効果は経口投与後約1時間以内に発現し、6時間程度持続する。
そのため同薬を朝または昼に服用することにより日中の利尿が促され、結果的に夜間の多尿も改善するものと考えられる。
フロセミド投与開始時には、急激に利尿効果が表れることがあるため、脱水や血液濃縮による血栓塞栓症、電解質失調などの兆候に留意する。
特に高齢になるほど脱水に陥りやすいため、口渇や皮膚の乾燥のほか、起立性低血圧などの症状についても患者に周知する必要がある。
利尿と頻尿
利尿薬を飲んでいる患者さんで、頻尿、過活動膀胱の症状を持っている患者さんがいる。
内科で利尿薬が処方され、泌尿器科で抗コリン薬が処方される。
「いっしょに飲んで大丈夫?」
と、聞かれる。
確かに、利尿薬が原因で頻尿が起こっている可能性も否定できない。
だとしたら、抗コリン薬を飲むよりも、利尿薬の減量か中止を検討すべきではないのか?
しかし、そもそも利尿薬は当患者に必要な薬なわけで、利尿薬には尿量を増やす働きがありますが、抗コリン薬には尿量を減らす働きは無く、逆の働きをするというわけではない。
朝に利尿薬を飲んで、日中の尿量が増えれば、夜間の頻尿が改善されるという話も聞く。
利尿薬と抗コリン薬の併用もアリかな、という結論に落ち着く。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。