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てんかん患者に禁忌の薬一覧
公開. 更新. 投稿者:てんかん.この記事は約3分39秒で読めます.
11,155 ビュー. カテゴリ:てんかんに禁忌の薬は?
てんかんに禁忌の記載がある薬は以下のとおり。
医薬品名 | 理由 |
---|---|
ルジオミール | てんかん等の痙攣性疾患 →痙攣を起こすおそれ |
リーマス | てんかん等の脳波異常 →脳波異常を増悪 |
ベタナミン | てんかん等の痙攣性疾患 →痙攣閾値を低下 |
トラマール | 十分な管理がされていないてんかん →症状悪化 |
MSコンチン、カディアン | 痙攣状態(てんかん重積症等) →脊髄の刺激効果 |
オキシコンチン錠 | 痙攣状態(てんかん重積症等) →脊髄の刺激効果 |
コデインリン酸塩 | 痙攣状態(てんかん重積症等) →脊髄の刺激効果 |
ジヒドロコデインリン酸塩 | 痙攣状態(てんかん重積症等) →脊髄の刺激効果 |
セキコデ | 痙攣状態(てんかん重積症等) →脊髄の刺激効果 |
ベサコリン | てんかん →てんかん発作の誘発 |
アボビス | てんかん →てんかん発作の誘発 |
サリグレン、エボザック | てんかん →てんかん発作の誘発 |
小児によく処方されそうなのはセキコデ。気づかず処方されそう。
でも、てんかん重積症ってケースはあまり無いかな。
しかし、その他の麻薬性鎮咳薬でも、てんかん小児には気を付けたほうがいい。
抗ヒスタミン薬とてんかん
抗ヒスタミン薬はてんかん発作を誘発する恐れがあるため、てんかん患者への投与時には十分な注意が必要です。
クラリチンなどの第二世代抗ヒスタミン薬の添付文書には、禁忌、慎重投与欄に記載はありませんが、注意は必要です。
てんかんの素因のある小児では抗ヒスタミン剤により痙攣発作が誘発されることが報告されています。
脳内ヒスタミン神経系がヒスタミンH1受容体を介して痙攣の抑制系として作動していることが示唆されており、本剤の抗ヒスタミン作用により抑制系のヒスタミンの作用が阻害され痙攣を誘発させると考えられています。
また、GABAによる中枢神経の抑制系が十分に発達していない幼若児では、主としてヒスタミン系が抑制系として働いていることから、幼若児(乳児、幼児)に投与する場合には、観察を十分に行い慎重に投与する必要があります。
てんかん患児にてザジテンの投与がけいれんを誘発したことを示唆する症例が報告されています。
てんかん患者にザジテンは禁忌?
ザジテンはてんかんまたはその既往のある患者では痙攣を誘発することがあるので投与禁忌です(2011年4月に添付文書改訂)。
てんかんに禁忌の抗アレルギー薬ってザジテンだけのような。
中枢への移行性を考えると第一世代の方がリスキーな気がしますが、タベジールなどは禁忌となっていない。慎重投与どまり。
食物アレルギーにザジテンとか使われるケースもみられますが、潜在的なてんかん患者の存在とか考えると、小児にザジテンとか使わないほうがよさそうだなあという印象。
特に小児の場合、GABAによる中枢神経の抑制系が十分に発達しておらず、脳内ヒスタミン神経系がヒスタミンH1受容体を介して痙攣の抑制系として働いているといわれており注意が必要です。
代替薬としては、点鼻薬を使用する、比較的脳内移行性の少ない抗ヒスタミン薬を選択すること等があげられます。
例えば小児のアレルギー性鼻炎に適応を有する製品として、ジルテックDS等があげられます。
ただし本剤にあっても、てんかんまたは既往歴のある患者には慎重投与となっています。
ルジオミールはてんかんに禁忌?
てんかんとうつ病って合併しやすいので、相互作用に注意する必要がある。
その中でてんかんに禁忌となっている抗うつ薬として、ルジオミールがある。
ルジオミールは四環系抗うつ薬。
四環系抗うつ薬には、ルジオミールのほかにテトラミド、テシプールがあるが、てんかんに禁忌ではなく慎重投与。
アモキサンやアナフラニールなどの三環系抗うつ薬も痙攣の副作用は多いようだが、てんかんに禁忌ではなく慎重投与。
ルジオミールの副作用の項目をみると、胃腸系(口内乾燥、便秘等)1,310件(9.9%)、と口渇、便秘が1割程度の患者で起こっているので、割合として高い。
抗コリン作用も強そうだ。
てんかんに禁忌とされるのは、抗コリン作用の強い薬は、痙攣閾値を下げ、てんかん発作を誘発する可能性があるという理由から。
抗コリン作用の強弱によって、あるいはその中枢移行性の違いから、禁忌だったり、慎重投与だったりする。
抗コリン薬であっても、てんかんに禁忌とされている薬は多くない。
抗コリン作用=てんかんに禁忌=前立腺肥大症に禁忌=緑内障に禁忌、と連想して覚えておこう。
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