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ワーファリンで骨折しやすくなる?
公開. 更新. 投稿者:脳梗塞/血栓.この記事は約2分30秒で読めます.
4,052 ビュー. カテゴリ:ビタミンKと骨
ワーファリンを飲むと骨折しやすくなる?
ワーファリンはビタミンK拮抗薬で、ビタミンK製剤は骨粗鬆症に適応がある。
ビタミンKは、血を固める物質(血液凝固因子Ⅱ・Ⅶ・Ⅸ・Ⅹ)をつくるときに働くビタミンで、その作用に拮抗することでワーファリンは抗凝固作用を働かせる。
また、ビタミンKには別の作用、骨に対する作用もあり、骨を形成するタンパク質であるオステオカルシンのγ-カルボキシル化を促進するします。オステオカルシンが活性化されると、カルシウムが骨に沈着し、骨の強度を保つことができます。
そのため、ビタミンK₂製剤のグラケー(メナテトレノン)が、骨粗鬆症治療薬として用いられます。
では、ビタミンK拮抗薬のワーファリンを飲むと、ビタミンKの働きを阻害し、骨粗鬆症になりやすくなるのか?という疑念が生まれる。
これに対しては、骨折のリスクが高まるという報告(Gage BF et al.:Arch Intern Med. 166(2), 241, 2006.)もあれば、影響しないという報告(Jamal SA et al.: Ann Intern Med. 128(10), 829,1998. )もあり、わかっていない。
添付文書上も特に骨に関する記載は見られない。
しかし、作用機序的には、そのリスクは否定できないだろう。
逆に、ビタミンKを摂取しすぎたり、グラケー飲むと血が固まりやすくなるのか?という話についても添付文書上は特に記載はみられないが、作用機序的に否定はできない。サプリメントなどで過剰に摂取することは控えた方が良い。
いずれにせよ、ビタミンK拮抗薬であるワーファリンと、ビタミンK製剤のグラケーは併用禁忌で、ワーファリンの添付文書にも、
患者が本剤による治療を必要とする場合、本剤による治療を優先し、骨粗鬆症治療用ビタミンK2製剤の投与を中止すること。
と記載されており、血栓>骨粗鬆症であり、命に関わる血栓の予防のほうが重要である。
骨折が怖いからワーファリン飲みたくない、とはならないように。
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