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モイゼルト軟膏1本28グラム?
公開. 更新. 投稿者:製剤/ジェネリック.この記事は約3分46秒で読めます.
5,956 ビュー. カテゴリ:モイゼルト軟膏28gチューブ
モイゼルト軟膏の28gチューブ?なんでそんなに中途半端なの?
2024年8月8日モイゼルト軟膏28gチューブが発売するらしい。
率直に言って「クソが!」と思った。
先発メーカーのGE対策は様々なところで行われており、OD錠やら配合剤やら、まあまあ「患者のため」という建前のもとに発売されていることには、渋々納得してきた。
いやしかし、この「モイゼルト軟膏28グラムチューブ」には毅然と抗議したい。
これを許せば、GE発売間近の外用薬が中途半端な容量だらけになっていくと思われる。
もしかしたら、そのうち1本6mLの点眼液とか発売されるかもしれない。
OD錠は、嚥下障害を持つ患者向けに、配合剤は、服薬コンプライアンス向上や経済負担軽減が理由としてある。
しかし、この28グラムチューブはGE対策以外の何物でもない。
大量塗布が必要な患者向けであれば、30gでいい。30gにしたら、GE10gを3本で渡されるから、28gという中途半端な容量。
大塚製薬の説明では、モイゼルト軟膏の1FTUが0.35gなので、切りのいい回数として80回分で、0.35g×80=28gという計算で、1本28gになったという説明らしい。「切りのいい回数」って何だ?むしろ60回分=1本21gのほうが1か月分で切りが良いぞ。
問題はこの容量がどれくらい医師に浸透するか。
ほとんどの医師は薬局で5gチューブで渡そうが10gチューブで渡そうが気にしない。大塚製薬のプロモーション次第。
「GE対策以外の何物でもない」といったが、ちょっと違うかも。28gチューブで処方する医師が増えれば、薬局内には10gと28gの在庫を置かなければならなくなる。
エンシュアみたいな栄養剤系とか、リバスタッチみたいなパッチ系は、デッドストック覚悟で在庫してるけど、メーカーには処方量以上の利益をもたらしている。大塚製薬の売り上げも上がるだろう。
さて、GEメーカーは何グラムチューブを発売するのでしょうか?
先発品と後発品の容量の違い
「イドメシンコーワクリーム」は1本35gと70gのものがある。中途半端な用量である。
対して、ジェネリックの、インドメタシンクリーム1%「日医工」の規格は、25g/本と50g/本である。
インドメタシンクリーム1%「サワイ」は25g/本である。
つまり、一般名で「インドメタシンクリーム 35g」と来た場合は、先発品を指定しているのと同じことになる。
軟膏壺に35g詰めて渡すという方法も無くはないかも知れないが、無い。
たしか、以前はイドメシンコーワクリームも25g/本というのがあったと思うが、これはつまりジェネリック対策なのだろう。
他にも「プレドニン眼軟膏」は1本5gであるが、ジェネリックの「酢酸プレドニゾロン0.25%眼軟膏T」は1本3.5gである。
こちらは眼軟膏なので、軟膏壺に入れて渡すという方法は完全に無い。
プレドニン眼軟膏は以前から1本5gだったと思うので、ジェネリック対策というわけでも無さそうで、理由はよくわからない。
ちなみに、眼軟膏は1本3.5gという製品が多いが、なぜこんな中途半端な数字なのだろうか?
眼に使うだけなので、5gもいらないというのはわかる。じゃあ、ネオメドロールEE眼軟膏くらいの3gでいいじゃないかと思う。
大体、眼科用の製剤は参天の影響が強いのだろう。
他にも、先発品と後発品の容量規格が異なるものがあれば教えてください。
教えて頂いたもの
・(先発)インテバン外用液50mL/本 (GE)インドメタシン外用液1%「日医工」60mL/本
・(先発)ヒルドイドフォーム0.3%92g/本 (GE)ヘパリン類似物質外用泡状スプレー0.3%「ニットー」「PP」「日本臓器」100g/本、200g/本 ヘパリン類似物質外用泡状スプレー0.3%「日医工」100g/本
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ヒルドイドフォーーーム!
キシロカインゼリーとアネトカインゼリー