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ステロイドを服用中に予防接種してもいい?
公開. 更新. 投稿者:免疫/リウマチ.この記事は約4分4秒で読めます.
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ステロイドを使っていても予防接種していい?
ステロイドには免疫抑制作用があるので、ステロイド使用中に予防接種すると、感染症にかかってしまうのではないか、とか、免疫ができないのではないか、という心配があります。
不活化ワクチンでは、ワクチンウイルスが再活性化することはないため、ステロイド使用中でも接種が可能です。
ただ、免疫ができるかどうかという問題についてはなかなか判断が難しいです。
免疫抑制剤服用中のインフルエンザワクチン接種については、効果が得られない可能性があるという話を医師からされたという患者は多い。
そのため、接種しないという判断に至っている患者が多いが、免疫抑制剤服用患者は重症化リスクも懸念されるため、効果は落ちても、接種を推奨すべきと考えられる。
ステロイド服用中のインフルエンザワクチン接種について
接種不適当者(発熱、重篤な急性疾患など)でなければ接種できます。
一般的には、短期間もしくは1日おきに副腎皮質ステロイド薬を服用している場合は、インフルエンザワクチンの免疫応答にはほとんど影響しないと考えられています。
また、長期間、大量に投与されている場合(例:プレドニゾロン換算で2mg/kg以上または20mg/日以上)には、抗体産生が悪いかも知れません。
ステロイドは60mg/日等の高用量でなければ充分抗体は産生されるとのこと。
大量の副腎皮質ステロイド薬を投与されている間はインフルエンザの予防接種を一時的に延期することはありますが、インフルエンザシーズンの始まる前には接種を検討したほうがよい。
プレドニン服用中ワクチン接種しちゃダメ?
免疫抑制剤を服用中の患者は、感染症が重症化するリスクが高いため、生ワクチンの接種は禁忌となっています。
ネオーラルの併用禁忌には以下のように記載されている。
薬剤名等
生ワクチン(乾燥弱毒生麻しんワクチン、乾燥弱毒生風しんワクチン、経口生ポリオワクチン、乾燥BCG等)
臨床症状・措置方法
免疫抑制下で生ワクチンを接種すると発症するおそれがあるので併用しないこと。
機序・危険因子
免疫抑制下で生ワクチンを接種すると増殖し、病原性をあらわす可能性がある。
生ワクチンとして、麻疹、風疹、ポリオ、BCG以外にも、ロタウイルス、水疱瘡、おたふくかぜなどがあります。
インフルエンザ、ヒブ、日本脳炎、B型肝炎、肺炎球菌などは不活化ワクチンのため、免疫抑制剤服用中の患者も接種可能です。
ネオーラルやプログラフ、イムランなどの免疫抑制剤は上記のように併用禁忌に生ワクチンと記載されている。
一方、ステロイドのプレドニンについては、併用禁忌には生ワクチンとの記載は無いが、重要な基本的注意に、以下のように記載されている。
本剤の長期あるいは大量投与中の患者,又は投与中止後6ヵ月以内の患者では,免疫機能が低下していることがあり,生ワクチンの接種により,ワクチン由来の感染を増強又は持続させるおそれがあるので,これらの患者には生ワクチンを接種しないこと。
禁忌と同じようなことを言っていますが、「長期あるいは大量投与」について明確な記載がないので判断が難しい。
リウマトレックスについても同様に、重要な基本的注意に記載されている。
免疫機能が抑制された患者への生ワクチン接種により、ワクチン由来の感染を増強又は持続させるおそれがあるので、本剤投与中に生ワクチンを接種しないこと。
ただし、このように添付文書上では、免疫抑制剤服用者に対する生ワクチン接種は禁忌扱いであるが、予防接種ガイドラインでは禁忌とはなっておらず、予防接種要注意者となっており、現時点では一定の見解は無い。
吸入ステロイド使用中のワクチン接種
ステロイド服用中の患者さんは、ワクチン接種による免疫獲得が不良となる可能性があります。
では、吸入ステロイドはどうなのか?
喘息患者に対する高用量の吸入ステロイドは、A型インフルエンザの免疫獲得には影響しなかったが、B型インフルエンザの免疫獲得には影響したという報告があります。
患者さんに接種する場合、効果が減弱する可能性があることをあらかじめ説明しておくのがよいと考えられます。
風邪をひいているときに予防接種しちゃダメ?
風邪を引いて免疫力が落ちているときに予防接種をすると、予防接種に使われるような弱毒性のウイルスに対しても感染してしまう恐れがあるため、風邪をひいているときの予防接種は避けます。
しかも、免疫力が落ちているときに予防接種をしたとしても、十分な免疫を獲得できないために意味がありません。
ステロイドを服用しているときも免疫力が下がっているので、同じようなことが考えられます。
ちなみに麻しん、風しん、水痘、おたふくかぜ、突発性発疹、手足口病、伝染性紅斑にかかった際の接種間隔は以下のようにガイドラインに書かれている。
2 疾病罹患後の間隔
予防接種ガイドライン
麻しん,風しん,水痘及びおたふくかぜ等に罹患した場合には,全身状態の改善を待って接種する。標準的には,個体の免疫状態の回復を考え麻しんに関しては治癒後4週間程度,その他(風しん,水痘及びおたふくかぜ等)の疾病については治癒後2~4週間程度の間隔をあけて接種する。その他のウイルス性疾患(突発性発疹,手足口病,伝染性紅斑など)に関しては,治癒後1~2週間の間隔をあけて接種する。しかし,いずれの場合も一般状態を主治医が判断し,対象疾病に対する予防接種のその時点での重要性を考慮し決定する。また,これらの疾患の患者と接触し,潜伏期間内にあることが明らかな場合には,患児の状況を考慮して接種を決める。
普通の風邪にかかった際も、1~2週間は間隔をあけたほうがいいだろう。
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