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ドライシロップは水なしで飲んで良い?
公開. 更新. 投稿者:調剤/調剤過誤.この記事は約2分16秒で読めます.
4,521 ビュー. カテゴリ:薬は水で飲むこと
薬は水で飲む。
添付文書の用法には書かれていないが、常識だと思っている。
当たり前のことのようにも思いますが、薬を水なしでゴックンと飲み込む人や、バリボリと噛み砕いて飲むという人も稀にいます。
世の中には、常識と思っている行動をとらない人もいるので、注意が必要です。
なぜそのようにして飲んではいけないのか?
OD錠(口腔内崩壊錠)といわれる製剤は、なぜ水なしでも飲めるのか?
まず、OD錠に関する誤解として、口の粘膜から吸収されると思っている患者さんがいます。
口の中で溶けても、飲み込んで小腸から吸収されなければ、効果を発揮しません。
水なしで飲みこむことの問題
水なしで飲み込むことにより起きる問題の一つに、食道潰瘍がある。
錠剤やカプセル剤を水なしで飲むと、食道に引っかかったりくっついたりして、その場で溶け出してしまい、食道に穴を開けることがあります。
また、粉薬などでは、気管から肺に入ってしまい、肺炎をおこした例も報告されています。
少量の水ですぐに溶けるOD錠であれば、たとえ食道にひっかかったとしても、すぐに溶けて流れて落ちるので、食道潰瘍のリスクは少ない。
しかし、ドライマウスの患者など、唾液の分泌量が少なければ、OD錠だとしても食道潰瘍のリスクは高いので、水で飲んだ方が良いのではないかと思う。
噛み砕いて飲むことの問題
噛み砕いて飲めば、食道にひっかかるリスクも減らせるのでいいのではないかと言う人もいる。
しかし、錠剤によっては特殊なコーティングが施されていたり、徐放錠といって、少しずつ薬の成分が溶け出てくる仕組みの製剤もあるので、噛み砕くと薬の効果を発揮できなくなる可能性も考えられる。
ドライシロップは水無しで飲んでも良い?
粉薬も水なしで飲むことは、錠剤と同様に、胃まで到達するまでの間に食道で薬が溶け出し炎症や潰瘍を起こす可能性や、気管に入ると肺炎を起こす可能性が指摘されます。
また、胃の中で薬が溶けず十分に効果が出ないことも考えられます。
ドライシロップなら、口腔内崩壊錠同様に、口の中ですぐに溶けるので、水なしで飲んでも良いという話を聞くこともありますが、果たしてどうなのか?
服用時の水の有無に言及している医薬品は少ないが、アリセプトD錠とアリセプトドライシロップについてみてみる。
アリセプトD錠の飲み方については、添付文書に「本剤は舌の上にのせて唾液を浸潤させると崩壊するため、水なしで服用可能である。また、水で服用することもできる。」と唾液で溶かして水なしで服用できると書かれている。
アリセプトドライシロップの飲み方は、添付文書に「本剤は、服用直前に水で懸濁し速やかに服用するが、粉末のまま水とともに服用することもできる。」と、水に溶かして飲むか、水といっしょに飲む、としか書かれておらず、水なしで唾液のみで服用することは許されていない。
恐らく、ほとんどの薬は水で飲んだ方が食道潰瘍や肺炎のリスクは減らせるため、多めの水で飲んでもらったほうが良いのだろうけど、透析患者など水分摂取制限のある人にとっては、水で飲むにしても、なるべく少量の水のほうが良いのだろう。
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