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皮膚科からヨウ化カリウムの処方理由は?
公開. 更新. 投稿者:皮膚科.この記事は約3分44秒で読めます.
8,818 ビュー. カテゴリ:スポロトリコーシスにヨウ化カリウムが効く?
皮膚科からヨウ化カリウムが処方された患者さんが来ました。
甲状腺機能亢進症、バセドウ病の患者にヨウ化カリウムが処方されるのはたまに見かけますが、皮膚科からの処方というのは初めて。
患者さんに聞いても病名は不明。
ということで自力で調べる。
ヨウ化カリウムの適応症は、
・甲状腺腫 (甲状腺機能亢進症を伴うもの)
・慢性気管支炎,喘息に伴う喀痰喀出困難
・第三期梅毒
・放射性ヨウ素による甲状腺の内部被曝の予防・低減
この中で可能性があるとしたら、梅毒?
だとしたら患者さんは病名を隠していたのかも。でもそんな様子では無かった。
ちなみに作用機序は、
・甲状腺機能亢進症では,ヨウ素は3′,5′-cyclic AMPを介する甲状腺刺激ホルモンの作用を減弱させ,亢進症状を抑制する。
・ヨウ素は気管支粘膜分泌を促進し去痰作用を現す。
・梅毒患者の肉芽組織に対する選択的な作用により,第三期梅毒患者のゴム腫の吸収促進に用いる。
調べてみると、スポロトリコーシスという皮膚真菌症にヨウ化カリウムが使われるようだ。
Q: 皮膚科でスポロトリコーシスと診断されたらしいが,どんな疾患か?
A: スポロトリコーシスは深在性皮膚真菌感染症の一つで,土壌や枯木など自然界に広く存在するSporothrix schenckii の感染により発症する。高温・多湿の地方に多く日本では北関東や九州・四国,特に河川流域で,土と接触する機会の多い農業従事者や幼小児に多い。人から人への感染は原則としてない。擦過傷や切傷などの小外傷等を介して真皮内に侵入し,侵入部位に数週間~数ヶ月の潜伏期間を経て初発病巣が形成される。紅色丘疹~結節ないし皮下結節で,次第に増大し中央が破れて潰瘍化する。痛みなどの自覚症状はない。主な病型に皮膚リンパ管型と皮膚固定型があり,顔面と上肢が好発部位である。通常は自然治癒せず数年にわたり進行する。ヨウ化カリウムが第一選択薬で,成人の場合,初回1日0.3gより開始し,1~2週間隔で漸増,1日1.0~1.5gを2~3回に分服する(保険適応外使用)。また抗真菌薬のイトラコナゾールやテルビナフィンも使用される。S. schenckii は39℃以上では発育しないことを利用して,内服できない場合等は使い捨てカイロなどを1日数時間,患部に圧抵する方法,あるいは経口剤との併用により治療期間を短縮することが可能である。
薬事情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介(2010年4月)
なるほど、皮膚科からの処方だとコレが怪しいです。
真菌だからイトリゾールやラミシールが選択されるのはわかりますが、ヨウ化カリウムが第一選択として使われるのはなぜだろう?機序がわからない。
結節性紅斑にヨウ化カリウム?
ヨウ化カリウムが処方される皮膚疾患は他にもあるようだ。
結節性紅斑にヨウ化カリウムが使用される。
結節性紅斑とはどのようなものか?
細菌、ウイルス、真菌などの感染アレルギーが主な原因と考えられている。このほか、薬剤によるもの、内臓の悪性腫瘍や、ベーチェット病、結核、サルコイドーシス、クローン病などによるものがある。
細菌感染では溶血性連鎖球菌、梅毒、サルモネラ菌、エルシニア菌、ブルセラ菌によるものが多い。
病原微生物による感染症のようだ。
結節性紅斑は,ほとんど常に自然消退する。治療には,ベッド上安静,病変部の挙上,冷湿布,NSAIDの投与がある。炎症を軽減する目的で,ヨウ化カリウム300〜500mg,経口,1日3回の投与を行ってもよい。コルチコステロイドの全身投与は効果的であるが,根底にある不顕性感染を悪化させる可能性があるので,最終的な手段である。
結節性紅斑 過敏症および炎症性疾患 メルクマニュアル18版 日本語版
結節性紅斑の場合は2,3週間で治療は終了するようだ。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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