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COPD患者は肺炎になりやすい?
公開. 更新. 投稿者:喘息/COPD/喫煙.この記事は約3分14秒で読めます.
3,918 ビュー. カテゴリ:肺気腫と肺炎
COPD(慢性閉塞性肺疾患)とは、肺胞の破壊や気道炎症が起き、呼吸機能が低下している病気。
呼吸機能が低下すれば、肺炎にもかかりやすくなる。
死亡原因の第3位である肺炎、その肺炎の原因がCOPDということであれば、死因COPDは数多く存在するわけだ。
COPDは心不全の原因にもなるので、死因第2位の心疾患の原因としても、COPDは多く存在する。
というわけで、COPDによる肺炎を予防しなければならないわけですが、予防策としては、予防接種。
インフルエンザワクチンはCOPD の増悪による死亡率を50%低下させ、すべてのCOPD 患者に接種が勧められる。
COPD(慢性閉塞性肺疾患)の情報サイト | 診断と治療のためのCOPDガイドライン | COPDの治療 安定期の管理
肺炎球菌ワクチンは高齢者の肺炎発症を減らし、65歳未満で対標準1秒量(%FEV1)が40%未満のCOPD患者の肺炎を減少させる。
インフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンの併用により、インフルエンザワクチン単独に比較してCOPDの感染性増悪の頻度が減少する。
インフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチン。
インフルエンザの予防接種は毎年行います。
肺炎球菌ワクチンの効果は5年以上持続すると言われている。
肺炎球菌ワクチン(ニューモバックス)の添付文書には、
過去5年以内に、多価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチンを接種されたことのある者では、本剤の接種により注射部位の疼痛、紅斑、硬結等の副反応が、初回接種よりも頻度が高く、程度が強く発現すると報告されている。本剤の再接種を行う場合には、再接種の必要性を慎重に考慮した上で、前回接種から十分な間隔を確保して行うこと。
5年以内だと副作用が多いので、5年以上空けた方が良いというニュアンス。
助成は1回のみであとは自己負担。自己負担だと8000円くらいで、助成は4000円くらい。
ちなみに、COPDの息切れ感出現後の5年生存率(5年後に何%生きているかという指標)は約70%、10年生存率は40%程度といわれている。
リスクを考えると、5年に1回くらい打ったほうがいいのかな。
スピリーバが処方されてる患者さんには、予防接種打ったかどうか聞いてみましょう。
COPDと誤嚥性肺炎
COPD患者が誤嚥した場合には、誤嚥性肺炎にもかかりやすいですが、肺炎球菌ワクチンで誤嚥性肺炎は予防できない。
誤嚥性肺炎の原因菌は、口腔内の嫌気性菌である場合が多い。
誤嚥性肺炎の予防策としては、
・口腔内を清潔に保つ(歯磨き)
・食べた後すぐに横にならない
・ACE阻害薬などによる誤嚥対策
が考えられる。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)
慢性閉塞性肺疾患(COPD:chronic obstructive pulmonary disease)とは、従来、慢性気管支炎や肺気腫と呼ばれてきた病気の総称です。
タバコ煙を主とする有害物質を長期に吸入曝露することで生じた肺の炎症性疾患です。
呼吸機能検査で正常に復すことのない気流閉塞を示し、通常は進行性です。
臨床的には労作時の呼吸困難 (息切れ) や慢性の咳、痰などを特徴としますが、これらの症状に乏しい場合もあります。
慢性気管支炎(末梢気道病変)と肺気腫(気腫性病変)のうち、気流閉塞を伴うものをCOPDといいます。
COPDの気流閉塞は、末梢気道病変と気腫性病変が様々な割合で複合的に作用して起こるため、その病型として気腫性病変が優位な気腫型COPD、末梢気道病変が優位な非気腫型COPDがあります。
長期にわたる有害な粉塵やガスの吸入暴露(ほとんどは喫煙暴露)によって肺に異常な炎症が惹起され、肺胞構造の破壊による気腫病変と、気管支、とくに細気管支の壁肥厚および粘液過剰産生による気道病変を併せもつ疾患で、40歳以上の喫煙歴を有する高齢者に多くみられる。
気管支拡張薬および吸入ステロイド(ICS)を含む治療においても完全には正常化しない不可逆性の気流閉塞(閉塞性換気障害)を特徴とする。
気流閉塞は年単位で徐々に進行し、労作性呼吸困難をきたし、日常生活動作が厳しく制限される。
また、病期の進行とともに低酸素血症をきたし呼吸不全に至る。
炎症は肺だけに留まらず、全身性にも影響を及ぼし、栄養障害、骨格筋の機能障害、心血管病、骨粗鬆症など多くの併存症を引き起こす。
喫煙者の約20%弱に生じ、有病率は40歳以上の日本人の8.6%、約540万人が罹患しているが、そのうち4%しか診断および治療を受けていない。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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