2024年12月18日更新.2,481記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

記事

喘息にもCOPDにも使える吸入剤

吸入剤の適応症

最近、吸入剤の種類が多くて、成分がよくわからなくなっているので、まとめる。

分類医薬品名成分デバイス適応症息止め
β2刺激薬(SABA)サルタノールサルブタモール硫酸塩インヘラー喘息、COPD少なくとも3~4秒以上
メプチンプロカテロール塩酸塩水和物エアー、キッドエアー、クリックヘラー、スイングヘラー、吸入液喘息、COPD数秒間
β2刺激薬(LABA)オンブレスインダカテロールマレイン酸塩ブリーズヘラーCOPD苦しくならない程度
オーキシスホルモテロールフマル酸塩水和物タービュヘイラーCOPD不要
セレベントサルメテロールキシナホ酸塩ロタディスク、ディスカス喘息、COPD少なくとも3~4秒以上
抗コリン薬(LAMA)シーブリグリコピロニウム臭化物ブリーズヘラーCOPD苦しくならない程度
エクリラアクリジニウム臭化物ジェヌエアCOPD3~5秒程度(苦しくならない程度)
エンクラッセウメクリジニウムエリプタCOPD少なくとも3~4秒以上
スピリーバチオトロピウム臭化物水和物レスピマット、ハンディヘラー喘息、COPD(2.5μg)苦しくならない程度の間
抗コリン薬(SAMA)アトロベントイプラトロピウム臭化物水和物エアゾールCOPD数秒間
抗コリン薬(LAMA)+β2刺激薬(LABA)アノーロウメクリジニウム/ビランテロールエリプタCOPD少なくとも3~4秒以上
ウルティブログリコピロニウム臭化物/インダカテロールマレイン酸塩ブリーズヘラーCOPD苦しくならない程度
ビベスピグリコピロニウム臭化物/ホルモテロールフマル酸塩水和物エアロスフィアCOPD3秒以上
スピオルトチオトロピウム臭化物水和物/オロダテロール塩酸塩レスピマットCOPD苦しくならない程度
ステロイドオルベスコシクレソニドインヘラー喘息5~10秒間
キュバールベクロメタゾンプロピオン酸エステルエアゾール喘息ゆっくち5つ数える間
パルミコートブデソニドタービュヘイラー、吸入液喘息不要
アズマネックスモメタゾンフランカルボン酸エステルツイストヘラー喘息軽く息を止める
フルタイドフルチカゾンプロピオン酸エステルロタディスク、ディスカス、エアゾール喘息少なくとも3~4秒以上
アニュイティフルチカゾンフランカルボン酸エステルエリプタ喘息少なくとも3~4秒以上
ステロイド+β2刺激薬(LABA)フルティフォームフルチカゾンプロピオン酸エステル/ホルモテロールフマル酸塩水和物エアゾール喘息3秒以上
レルベアビランテロールトリフェニル酢酸塩/フルチカゾンフランカルボン酸エステルエリプタ喘息少なくとも3~4秒以上
シムビコートブデソニド/ホルモテロールフマル酸塩水和物タービュヘイラー喘息、COPD不要
アドエアサルメテロールキシナホ酸塩/フルチカゾンプロピオン酸エステルディスカス、エアゾール喘息、COPD3~4秒程度
アテキュラインダカテロール酢酸塩/モメタゾンフランカルボン酸エステルブリーズヘラー喘息苦しくならない程度
ステロイド+β2刺激薬(LABA)+抗コリン薬(LAMA)テリルジーフルチカゾンフランカルボン酸エステル/ウメクリジニウム臭化物/
ビランテロールトリフェニル酢酸塩
エリプタCOPD少なくとも3~4秒以上
ビレーズトリブデソニド/グリコピロニウム臭化物/ホルモテロールフマル酸塩水和物エアロスフィアCOPD3秒以上
エナジアインダカテロール酢酸塩/グリコピロニウム臭化物/モメタゾンフランカルボン酸エステルブリーズヘラー喘息苦しくならない程度

吸入ステロイドの有効性

気管支喘息もCOPDも、どちらも炎症性であることは共通しているが、喘息の炎症は好酸球が主体であるため、吸入ステロイド薬が長期管理の中心となるのに対し、COPDの炎症はステロイドが効かない好中球が主体であるため、管理には気管支拡張薬が使われる。

LABAとLAMAの合剤

LABAとLAMAの合剤には以下の薬がある。

スピオルトレスピマット=チオトロピウム臭化物水和物(LAMA:スピリーバ)/オロダテロール塩酸塩(LABA)
ウルティブロ=グリコピロニウム臭化物(LAMA:シーブリ)/インダカテロールマレイン酸塩(LABA:オンブレス)
アノーロ=ウメクリジニウム臭化物(LAMA:エンクラッセ)/ビランテロールトリフェニル酢酸塩(LABA)

COPD治療においては、作用機序の異なる薬剤が併用されることが多く、またそのほとんどの場合で、それぞれ薬剤により吸入器が異なるため、2剤以上の吸入薬使用に、2つ以上の種類の吸入器を用いる必要があり、高齢者率の高いCOPD患者にとって負担が大きく、治療アドヒアランスの低下の原因となる。

そのため、配合剤として1回の吸入で十分な気管支拡張効果を得られ、速やかな症状改善が得られる配合剤のニーズは高い。

中等度以上では、LAMAまたはLABA吸入のレギュラーユース(定期的な使用)が推奨され、単剤で治療効果が不十分な場合またはより重症な場合は2剤以上の気管支拡張薬の併用が推奨されている。
特にLAMAとLABAの併用が推奨されており、これらの併用の有用性は臨床試験でもエビデンスが示されている。

薬剤師

勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。

先生

そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。

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職業:薬剤師
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