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ウテメリンとダクチルの違いは?
公開. 更新. 投稿者:妊娠/授乳.この記事は約2分15秒で読めます.
6,591 ビュー. カテゴリ:切迫早産に使われる薬
妊娠中のお腹の張り、切迫早産予防のためにウテメリンが使われる。
通常、ウテメリンが使われますが、ウテメリンが禁忌の患者がいる。
「妊娠16週未満の妊婦」
妊娠初期には使えない。
そんなときに使われるのが、ダクチル。
ダクチルよりもウテメリンのほうが強いようなので、16週未満はダクチル、16週以降はウテメリン。
ダクチルは抗コリン薬と、ウテメリンはβ受容体刺激薬。
ウテメリンを妊娠16週未満に投与しちゃダメ?
ウテメリンの添付文書では、妊娠16週未満の妊婦への投与は禁忌とされています。
ウテメリンの使用により新生児の先天性奇形は報告されていませんが、妊娠20週未満の使用例については症例が限られており、妊娠初期(3ヶ月まで)においては症例報告がほとんどありません。
そのため、β受容体刺激薬のズファジランや、抗コリン薬のダクチルなどが用いられます。
しかし、ズファジランも安全性が確立されていないという理由から、妊娠12週未満においては投与しないこととなっています。
ただし、臨床の現場では、ウテメリンを含めたこれらの薬は、医師が服用の有用性が危険性を上回ると認めたときには、その時期にこだわらずに処方されるケースがみられます。
ズファジランやダクチルは切迫流・早産に適応がありますが、適応外としてブリカニール(テルブタリン)が使われることもあります。
ウテメリンはβ2刺激薬?
リトドリン塩酸塩は、子宮平滑筋に多く存在するβ2受容体への選択性が高く、子宮運動を抑制し流・早産を予防する。
ただし、服用後の動悸や頻脈などの副作用が問題になることがある。
同薬は弱いながらもβ刺激作用があり、心β1受容体を直接刺激して心機能亢進を起こす。
また血管平滑筋のβ2受容体が刺激されることで血管が拡張して血圧が低下し、この血圧低下に対する反射性頻拍が起こっている可能性もある。
流産とは?
妊娠22週未満で妊娠が終了(中絶)することをいう。
流産が生ずる時期により、妊娠12週未満を早期流産、妊娠12週以降を後期流産と称する。
流産が自然に生ずる場合を自然流産といい、人口的に流産に至らしめる人口流産とは分けて考える。
また、妊娠反応は陽性を示すが、子宮内に胎嚢が確認されずに出血して終了してしまう場合を化学流産として、通常流産の分類には含めない。
自然流産の頻度は10〜15%であり、母体の年齢とともに上昇する。
また自然流産の80%以上は早期流産である。
早産(切迫早産)とは?
妊娠22週から36週までに妊娠が終結する状態であり、胎児の生存死亡を問わない。
新生児に生存徴候がみられたら蘇生を行う。
切迫早産は、早産が逼迫した状態であり、子宮収縮および子宮頸管の熟化を主体としている。
早産の原因は多岐にわたり同定できないことも多い。
早産の多くに絨毛膜羊膜炎を合併しており、そのほとんどが細菌性膣症からの上行性感染である。
わが国での早産率は全出生数の約6〜7%とされているが、近年増加傾向にある。
切迫早産は診断基準が明確でないため、その発生頻度は不明である。
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