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ソルビトールとラクツロースの違いは?
公開. 更新. 投稿者:便秘/痔.この記事は約2分26秒で読めます.
6,741 ビュー. カテゴリ:糖類下剤
ソルビトールやラクツロース(モニラック)は浸透圧性下剤として、便秘に使われる。
透析患者には使える下剤の選択肢が少なく、これらがよく使われる。
なぜ透析患者さんの便秘にD-ソルビトールが処方されるの? 日経DI掲載クイズ QUIZ 薬剤師さんなら簡単? ちょいむず?
透析患者さまは、腎機能が正常な方に比べ便秘になりやすいことが知られていますが、
酸化マグネシウムを投与すると血清マグネシウム濃度が上昇するおそれがあります。長期間にわたり、より安全に使える下剤としては糖類下剤のラクツロース、ソルビトールが最適と考えられます。
これらの下剤は酸化マグネシウムと同じ浸透圧下剤であるため腸管内に水分を保持することによって便を軟らかくする効果があります。透析患者の便秘は不溶性の薬剤(リン吸着薬、カリウム吸着薬)により硬結便を示すことが多いことから、便秘になりやすい薬剤の服用者ではもっとも理にかなった下剤であると思われます。
モニラックシロップが1mLあたり6円ちょっとで、ソルビトールが1mLあたり1円ちょっと。
院内では少しでも安くと、ソルビトールを使っていることがある。
ソルビトールは単糖類で、ラクツロースは二糖類。
マルチトールは、まず小腸で1部が加水分解され、グルコースとソルビトールになります。グルコースはすぐに吸収されるが、ソルビトールは吸収は穏やかで、吸収後は肝臓でフラクトースに代謝され、血糖値に直接的な影響を与えません。小腸から吸収される割合は20%程度で、小腸で消化されなかったマルチトールや、吸収されなかったソルビトールは、大腸に達し、腸内に生息する腸内細菌によって利用され、そして炭酸ガス・水素ガスや、酢酸、プロぴオン酸、酪酸などの短鎖脂肪酸を生成します。これは腸内のpHを酸性にし、腸内環境を良好に保つだけでなく、大腸粘膜から吸収されてエネルギー源となる。
ラクツロースの話:六号通り診療所所長のブログ:So-netブログ
ラクツロースを飲むと、それは分解されることなく、そのまま大腸に届きます。
これは、人間は自前でラクツロースを分解する、酵素を持っていないからです。
大腸には腸内細菌が生息していて、その細菌はラクツロースを分解する能力を持っています。
腸内細菌により分解されると、ラクツロースは乳酸や酢酸を生成します。
このため大腸は酸性に傾くのですが、これはビフィズス菌のような乳酸菌にとっては、非常に適合した環境になるので、
ビフィズス菌はラクツロースの投与により、増加するのです。
どっちも腸内pHを酸性に傾け、腸内環境を良好に保つ。
大差ないと考えてよいのかな。
甘いものを食べ過ぎると下痢をする?
下痢をしたとき、甘いものは控えるようにと言われます。
その理由は浸透圧です。
甘いものは浸透圧が高く、水分を吸収します。
腸の細胞から水分を吸収して、便がますます水っぽくなります。
甘いものに限らず、味の濃いものは浸透圧が高いので注意しましょう。
逆にこの糖分を下剤として、便秘に使う場合もあります。
小児の下剤として使われるマルツエキスは麦芽糖です。
さつまいもでんぷんが原料らしいです。
乳糖も便秘に良いと言われます。
こちらは浸透圧というよりも、腸内細菌(乳酸菌)の栄養になるから、という理由で便秘解消に使われているようです。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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