2024年11月20日更新.2,474記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

記事

配合剤の成分一覧

配合錠が増えているのはなぜ?

最近、「カデュエット配合錠」や「エカード配合錠」「コディオ配合錠」といった配合錠が増えてますね。
「薬を増やします」より「薬を変えます」のほうが患者さんの抵抗が少なく、コンプライアンスも良いので、このような傾向らしい。
ジェネリック対策もあるでしょう。
それとは別に、「セレスタミン配合錠」や「フスコデ配合錠」など、今まで使っていた薬にも配合という文字がつき始めました。
もともと数種類の成分が入ってい薬なので、これが正しいのですが、長年慣れ親しんできた名称が変わるのは違和感がありますね。
配合剤であることに気付かず、誤って重複または過量に投与されるおそれを防ぐために、販売名に「配合剤」である旨を明記するということです。
いくつかのルールがあるようです。

・保健衛生上の危害の発生するおそれのないものであり、かつ、医薬品としての品位を保つものであること
・原則として、配合剤にあっては、含量の単位の記載はしないこと
・同一の販売名を使用する場合には適宜接尾字等を付す

例)「○○○(販売名)」+「剤型」+「接尾字等」
ただしアルファベットは原則として2文字以上
・二つ以上の有効成分を含有する製剤で、特定の成分のみの製剤と誤解されるような販売名は不可
・錠剤であれば「配合錠」、顆粒剤であれば「配合顆粒」等とする
・アルファベット等の記号を付す場合には、その意味が誤解なく、十分理解できるようなものとする
・小児専用の場合には、小児用であることが明確となるようにする
外用剤については変わらないようですね。
テラ・コートリル配合軟膏とかアドエア配合ディスカスとかにはならない。
でも、そのうちやるかな。

配合剤のほうが安い?

最近配合剤ブームですが、薬局にとっては在庫増となるやっかいものです。

しかし、患者さんにとっては配合剤のほうが安く手に入るので、配合剤に代えたほうがいいというケースも。

ARB+利尿剤(エカード、コディオ、ミコンビ、プレミネント)だと、大して安くないというイメージでしたが、ARB+Ca拮抗剤(エックスフォージ、レザルタス)だと結構安い。

エカードHD¥154.30(ブロプレス8mg¥150.30+ヒドロクロロチアジド6.25mg¥1.40)
コディオEX¥130.60(ディオバン80mg¥125.30+ヒドロクロロチアジド6.25mg¥1.40)
ミコンビAP¥148.80(ミカルディス40mg¥142.20+ヒドロクロロチアジド12.5mg¥1.40)
プレミネント¥158.80(ニューロタン50mg¥155.60+ヒドロクロロチアジド12.5mg¥2.80)
エックスフォージ¥130.10(ディオバン80mg¥125.30+ノルバスク5mg¥64.90)
レザルタスHD¥170.10(オルメテック20mg¥142.00+カルブロック16mg¥70.60)

カデュエットは大して変わらない。

カデュエット1番¥94.10(ノルバスク2.5mg¥35.30+リピトール5mg¥67.10)

ザラカムは安い。

ザラカム¥1306.00(チモプトールXE0.5%¥806.90+キサラタン¥928.50)

そんな感じ。

高血圧・脂質異常症の配合剤

薬品名分類成分用量
プレミネント(ロサルヒド)LDサイアザイド系利尿薬ヒドロクロロチアジド12.5㎎
ARBロサルタン50㎎
プレミネント(ロサルヒド)HDサイアザイド系利尿薬ヒドロクロロチアジド12.5㎎
ARBロサルタン100㎎
コディオ(バルヒディオ)MDサイアザイド系利尿薬ヒドロクロロチアジド6.25㎎
ARBバルサルタン80㎎
コディオ(バルヒディオ)EXサイアザイド系利尿薬ヒドロクロロチアジド12.5㎎
ARBバルサルタン80㎎
エカード(カデチア)LDサイアザイド系利尿薬ヒドロクロロチアジド6.25㎎
ARBカンデサルタン4㎎
エカード(カデチア)HDサイアザイド系利尿薬ヒドロクロロチアジド6.25㎎
ARBカンデサルタン8㎎
ミコンビ(テルチア)APサイアザイド系利尿薬ヒドロクロロチアジド12.5㎎
ARBテルミサルタン40㎎
ミコンビ(テルチア)BPサイアザイド系利尿薬ヒドロクロロチアジド12.5㎎
ARBテルミサルタン80㎎
イルトラLDサイアザイド系利尿薬トリクロルメチアジド1㎎
ARBイルベサルタン100㎎
イルトラHDサイアザイド系利尿薬トリクロルメチアジド1㎎
ARBイルベサルタン200㎎
エックスフォージ(アムバロ)Ca拮抗薬アムロジピン5㎎
ARBバルサルタン80㎎
アテディオCa拮抗薬シルニジピン10㎎
ARBバルサルタン80㎎
ユニシア(カムシア)LDCa拮抗薬アムロジピン2.5㎎
ARBカンデサルタン8㎎
ユニシア(カムシア)HDCa拮抗薬アムロジピン5㎎
ARBカンデサルタン8㎎
ザクラスLDCa拮抗薬アムロジピン2.5㎎
ARBアジサルタン20㎎
ザクラスHDCa拮抗薬アムロジピン5㎎
ARBアジサルタン20㎎
ミカムロ(テラムロ)APCa拮抗薬アムロジピン5㎎
ARBテルミサルタン40㎎
ミカムロ(テラムロ)BPCa拮抗薬アムロジピン5㎎
ARBテルミサルタン80㎎
レザルタス(オルアゼ)LDCa拮抗薬アゼルニジピン8㎎
ARBオルメサルタン10㎎
レザルタス(オルアゼ)HDCa拮抗薬アゼルニジピン16㎎
ARBオルメサルタン20㎎
アイミクス(イルアミクス)LDCa拮抗薬アムロジピン5㎎
ARBイルベサルタン100㎎
アイミクス(イルアミクス)HDCa拮抗薬アムロジピン10㎎
ARBイルベサルタン100㎎
ミカトリオサイアザイド系利尿薬ヒドロクロロチアジド12.5㎎
Ca拮抗薬アムロジピン5㎎
ARBテルミサルタン80㎎
カデュエット(アマルエット)1番Ca拮抗薬アムロジピン2.5㎎
スタチン系アトルバスタチン5㎎
カデュエット(アマルエット)2番Ca拮抗薬アムロジピン2.5㎎
スタチン系アトルバスタチン10㎎
カデュエット(アマルエット)3番Ca拮抗薬アムロジピン5㎎
スタチン系アトルバスタチン5㎎
カデュエット(アマルエット)4番Ca拮抗薬アムロジピン5㎎
スタチン系アトルバスタチン10㎎
アトーゼットLD小腸コレステロールトランスポーター阻害薬エゼチミブ10㎎
スタチン系アトルバスタチン10㎎
アトーゼットHD小腸コレステロールトランスポーター阻害薬エゼチミブ10㎎
スタチン系アトルバスタチン20㎎
ロスーゼットLD小腸コレステロールトランスポーター阻害薬エゼチミブ10㎎
スタチン系ロスバスタチン2.5㎎
ロスーゼットHD小腸コレステロールトランスポーター阻害薬エゼチミブ10㎎
スタチン系ロスバスタチン5㎎
リバゼブLDスタチン系2㎎
小腸コレステロールトランスポーター阻害薬エゼチミブ10㎎
リバゼブHDスタチン系4㎎
小腸コレステロールトランスポーター阻害薬エゼチミブ10㎎

エカードとミコンビ、イルトラはARBの用量違いだが、コディオだけ利尿薬の量が違うことに注意。

LD、HD、MD、EX、AP、BPとバラバラ。統一してほしい。

ちなみに
ニューロタン100mgまで増量可
ブロプレス12mgまで増量可
ディオバン160mgまで増量可
ミカルディス80mgまで増量可
なので、
プレミネント+ニューロタン50mg
エカードHD+ブロプレス4mg
コディオEX+ディオバン80mg
みたいな処方も無くはない、か。

ユニシア、アイミクス、ザクラスはCa拮抗薬の量違い。
ミカムロはARBの量違い。
レザルタスはARBとCa拮抗薬、両方とも量が違うことに注意。

ちなみに
アムロジン10mgまで増量可
アバプロ200mgまで増量可
オルメテック40mgまで増量可
なので、
ユニシアHD+アムロジン5mg
アイミクスHD+アバプロ100mg
レザルタスHD+オルメテック20mg
みたいな処方も無くはない、か。

リピトールは20mgまで増量可だから、
カデュエット4番+リピトール10mg+アムロジン5mgみたいな処方もあるのかな。

アムロジンからレザルタスへの変更はダメ?

配合剤全ての添付文書に書かれていますが、

例えばレザルタス

原則として、オルメサルタン メドキソミル及びアゼルニジピンを併用している場合、あるいはいずれか一方を使用し血圧コントロールが不十分な場合に、本剤への切り替えを検討すること。

その配合剤が含む成分からの切り替えでなければ、原則としてNGということらしい。

その理由としては、降圧剤の種類の変更と、他剤の追加が同時に行われることになるので、安全性の面から適切ではない、という点など。

例えば、ミカルディス使ってる患者にARB+Ca拮抗剤の配合剤を使いたいな、と思ったら、

ミカルディス→ディオバンに変更してから→エックスフォージ
ミカルディス→ブロプレスに変更してから→ユニシア

とか、面倒な1ステップをはさまなきゃいけないことになる。

まあ、原則として。。。ですから

医師の裁量で。

糖尿病の配合剤

薬品名分類成分用量
メタクトLDビグアナイド系メトホルミン500㎎
チアゾリジン系ピオグリタゾン15㎎
メタクトHDビグアナイド系メトホルミン500㎎
チアゾリジン系ピオグリタゾン30㎎
ソニアスLDSU系グリメピリド1㎎
チアゾリジン系ピオグリタゾン15㎎
ソニアスHDSU系グリメピリド3㎎
チアゾリジン系ピオグリタゾン30㎎
グルベスグリニド系ミチグリニド10㎎
αーGIボグリボース0.2㎎
メトアナLDDPP4阻害薬アナグリプチン100㎎
ビグアナイド系メトホルミン250㎎
メトアナHDDPP4阻害薬アナグリプチン100㎎
ビグアナイド系メトホルミン500㎎
エクメットLDDPP4阻害薬ビルダグリプチン50㎎
ビグアナイド系メトホルミン250㎎
エクメットHDDPP4阻害薬ビルダグリプチン50㎎
ビグアナイド系メトホルミン500㎎
イニシンクDPP4阻害薬アログリプチン25㎎
ビグアナイド系メトホルミン500㎎
リオベルLDDPP4阻害薬アログリプチン25㎎
チアゾリジン系ピオグリタゾン15㎎
リオベルHDDPP4阻害薬アログリプチン25㎎
チアゾリジン系ピオグリタゾン30㎎
スージャヌDPP4阻害薬シタグリプチン50㎎
SGLT2阻害薬イプラグリフロジン50㎎
カナリアDPP4阻害薬テネグリプチン20㎎
SGLT2阻害薬カナグリフロジン100㎎
トラディアンスAPDPP4阻害薬リナグリプチン5㎎
SGLT2阻害薬エンパグリフロジン10㎎
トラディアンスBPDPP4阻害薬リナグリプチン5㎎
SGLT2阻害薬エンパグリフロジン25㎎
ライゾデク持効型溶解インスリンインスリン デグルデク
超速効型インスリンインスリン アスパルト
ゾルトファイ持効型溶解インスリンインスリン デグルデク
GLP-1アナログリラグルチド

喘息・COPDの配合剤

薬品名分類成分用量
アドエア50エアゾールステロイドフルチカゾンプロピオン酸エステル50μg/1噴霧
LABAサルメテロール25μg/1噴霧
アドエア125エアゾールステロイドフルチカゾンプロピオン酸エステル125μg/1噴霧
LABAサルメテロール25μg/1噴霧
アドエア250エアゾールステロイドフルチカゾンプロピオン酸エステル250μg/1噴霧
LABAサルメテロール25μg/1噴霧
アドエア100ディスカスステロイドフルチカゾンプロピオン酸エステル100μg/1BL
LABAサルメテロール50μg/1BL
アドエア250ディスカスステロイドフルチカゾンプロピオン酸エステル250μg/1BL
LABAサルメテロール50μg/1BL
アドエア500ディスカスステロイドフルチカゾンプロピオン酸エステル500μg/1BL
LABAサルメテロール50μg/1BL
レルベア100エリプタステロイドフルチカゾンフランカルボン酸エステル100μg/1BL
LABAビランテロール25μg/1BL
レルベア200エリプタステロイドフルチカゾンフランカルボン酸エステル200μg/1BL
LABAビランテロール25μg/1BL
シムビコート(ブデホル)タービュヘイラーステロイドブテソニド160μg/1吸入
LABAホルモテロール4.5μg/1吸入
フルティフォーム50エアゾールステロイドフルチカゾンプロピオン酸エステル50μg/1吸入
LABAホルモテロール5μg/1吸入
フルティフォーム125エアゾールステロイドフルチカゾンプロピオン酸エステル125μg/1吸入
LABAホルモテロール5μg/1吸入
ウルティブロ吸入用カプセルLABAインダカテロール110μg/1カプセル
LAMAグリコピロニウム50μg/1カプセル
アノーロエリプタLABAビランテロール25μg/1吸入
LAMAウメクリジニウム62.5μg/1吸入
スピオルトレスピマットLABAオロダテロール5μg/1噴霧
LAMAチオトロピウム5μg/1噴霧
ビベスピエアロスフィアLABAホルモテロール4.8μg/1吸入
LAMAグリコピロニウム7.2μg/1吸入
テリルジーエリプタステロイドフルチカゾンフランカルボン酸エステル100μg/1吸入
LABAビランテロール25μg/1吸入
LAMAウメクリジニウム62.5μg/1吸入
ビレーズトリエアロスフィアステロイドブデソニド160μg/1吸入
LABAホルモテロール4.8μg/1吸入
LAMAグリコピロニウム7.2μg/1吸入

緑内障の配合剤

薬品名分類成分用量
ミケルナβ遮断薬カルテオロール
プロスタグランジン系ラタノプロスト
ザラカム(ラタチモ)β遮断薬チモロール
プロスタグランジン系ラタノプロスト
デュオトラバ(トラチモ)β遮断薬チモロール
プロスタグランジン系トラボプロスト
タプコムβ遮断薬チモロール
プロスタグランジン系タフルプロスト
コソプト(ドルモロール)β遮断薬チモロール
プロスタグランジン系ドルゾラミド
アゾルガβ遮断薬チモロール
プロスタグランジン系ブリンゾラミド

血液凝固阻止剤の配合剤

薬品名分類成分用量
コンプラビン(ロレアス)アスピリンアスピリン100㎎
チエノピリジン系クロピドグレル75㎎
タケルダアスピリンアスピリン100㎎
PPIランソプラゾール15㎎
キャブピリンアスピリンアスピリン100㎎
PCABボノプラザン10㎎

抗アレルギー薬の配合剤

薬品名分類成分用量
ディレグラ抗アレルギー薬フェキソフェナジン30㎎
交感神経刺激薬塩酸プソイドエフェドリン60㎎
薬剤師

勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。

先生

そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。

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職業:薬剤師
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