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抗うつ薬の副作用比較
公開. 更新. 投稿者: 56 ビュー. カテゴリ:うつ病.この記事は約3分20秒で読めます.
目次
抗うつ薬の副作用はどう違う?

抗うつ薬を処方されるとき、多くの患者さんが不安に感じるのは
「効くかどうか」よりも「副作用が出ないか」ではないでしょうか。
・吐き気は出ますか?
・眠くなりますか?
・太りますか?
・仕事に影響はありますか?
こうした疑問はとても自然なものです。
一方で、医療者側から見ると、
・抗うつ薬に明確な「強い・弱い」はない
・違いが出るのは副作用の“質”
という事実があります。
日本で販売されている抗うつ薬を取り上げ、
・どんな副作用が出やすいのか
・どんな人に向きやすいのか
を、勉強していきます。
日本で使われている主な抗うつ薬
SSRI
・エスシタロプラム(レクサプロ)
・フルボキサミン(デプロメール/ルボックス)
・パロキセチン(パキシル)
・セルトラリン(ジェイゾロフト)
SNRI
・デュロキセチン(サインバルタ)
・ミルナシプラン(トレドミン)
・ベンラファキシン(イフェクサー)
その他
・ミルタザピン(リフレックス/レメロン)
・ボルチオキセチン(トリンテリックス)
抗うつ薬の副作用を理解する前提
まず大切な前提を整理します。
● 副作用は「起こるか・起こらないか」ではない
・出やすい傾向がある
・個人差が非常に大きい
同じ薬でも、
・まったく副作用が出ない人
・少し気になる人
・続けられないほどつらい人
がいます。
● 副作用は「最初だけ」のものが多い
抗うつ薬の副作用の多くは、
・飲み始め
・増量時
に出やすく、
1〜2週間で軽くなることが多いのが特徴です。
吐き気・胃の不快感
なぜ起こる?
セロトニンは脳だけでなく、腸にも多く存在しています。
抗うつ薬でセロトニンが増えると、腸が刺激されて吐き気が出ます。
吐き気が出やすい薬
・パロキセチン
・セルトラリン
・フルボキサミン
・ベンラファキシン
SSRI・SNRIに共通する初期副作用
吐き気が比較的少ない薬
・エスシタロプラム
・ミルタザピン
・ボルチオキセチン
胃腸症状が心配な人の選択肢になりやすい
下痢・便秘
下痢が出やすい
・セルトラリン
・フルボキサミン
・ベンラファキシン
「ジェイゾロフトでお腹がゆるくなる」という声はよく聞かれます。
便秘が出やすい
・ミルタザピン
・ミルナシプラン
もともと便秘がある人では注意。
眠気
眠気が出やすい薬
・フルボキサミン
・パロキセチン
・ミルタザピン
夜に飲むと眠りやすくなる
不眠が強い人にはメリットになることも。
眠気が少ない薬
・エスシタロプラム
・セルトラリン
・ボルチオキセチン
・デュロキセチン
日中の仕事・運転がある人向き。
不眠・ソワソワ感(落ち着かなさ)
出やすい薬
・セルトラリン
・ベンラファキシン
・デュロキセチン
飲み始めに「逆に落ち着かない」と感じることがあります。
比較的出にくい薬
・パロキセチン
・ミルタザピン
・エスシタロプラム
不安が強い人では選ばれやすい。
口渇・発汗
口が渇きやすい
・デュロキセチン
・ミルナシプラン
・ベンラファキシン
ノルアドレナリン作用が関与。
汗をかきやすい
・パロキセチン
・セルトラリン
・フルボキサミン
体重増加・食欲
体重が増えやすい
・ミルタザピン
・パロキセチン
食欲が出るのがメリットになる場合も。
体重への影響が少ない
・エスシタロプラム
・セルトラリン
・ボルチオキセチン
性機能への影響
多くの抗うつ薬で、
・性欲低下
・射精障害
・オーガズム障害
が起こることがあります。
SSRI・SNRI共通の副作用
言い出しにくいが、決して珍しくない
やめるときの注意(離脱症状)
出やすい
・パロキセチン
・ベンラファキシン
急にやめると
めまい・しびれ・不安が出やすい。
比較的穏やか
・エスシタロプラム
・セルトラリン
・ボルチオキセチン
各薬を一言で整理
・レクサプロ:全体にマイルドで使いやすい
・デプロメール/ルボックス:眠気が出やすい
・パキシル:不安に強いが副作用も出やすい
・ジェイゾロフト:活動性↑、下痢に注意
・サインバルタ:痛み+口渇
・トレドミン:口渇・便秘
・イフェクサー:幅広いが離脱注意
・リフレックス/レメロン:眠気と食欲
・トリンテリックス:副作用少なめ・新しい
まとめ:抗うつ薬選びで一番大切なこと
・抗うつ薬に「強い・弱い」はない
・副作用の出方には違いがある
・生活スタイル・困っている症状に合わせて選ぶ
・合わなければ変更できる
抗うつ薬は、
「我慢して飲み続ける薬」ではありません。
合う薬を一緒に探していく、
そのための選択肢がたくさんある――
それが今の抗うつ薬治療です。




