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緑内障患者は風邪薬を飲めない?
公開. 更新. 投稿者:緑内障/白内障.この記事は約2分40秒で読めます.
5,262 ビュー. カテゴリ:緑内障患者に使える風邪薬
緑内障患者にPL顆粒って禁忌だよね?
緑内障にPL顆粒は禁忌と教わってきました。
PL配合顆粒の禁忌には、「閉塞隅角緑内障の患者[本剤中のプロメタジンメチレンジサリチル酸塩が有する抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。]」という記載があります。
プロメタジンメチレンジサリチル酸塩は単体でもピレチアという商品名の医薬品としてある抗ヒスタミン薬です。
かぜ薬に含まれる成分のなかでも抗ヒスタミン薬には注意が必要です。抗ヒスタミン薬は抗コリン作用も併せ持つ薬が多いです。
抗ヒスタミン薬は主として鼻水、鼻づまりに有効でほとんどのかぜ薬に含まれています。
特に第一世代抗ヒスタミン薬は、抗コリン作用により隅角を閉塞します。
抗ヒスタミン薬、抗コリン薬を含む薬はかぜ薬に限らず眼房水の排出をさらに悪くさせるので注意が必要です。
緑内障は眼圧が高まって視神経が障害され、視力の低下や視野の狭窄の症状に始まり、適切な治療を行わないと失明することもあります。
抗ヒスタミン薬は緑内障症状を悪化させますが、実際に注意が必要なのは閉塞隅角緑内障の患者(全緑内障の約1割)で、レーザー虹彩切開術を受けている場合を除きます。
開放隅角緑内障で眼圧がコントロールされていれば問題ないとされています。
緑内障には症状が急に悪くなる「閉塞隅角緑内障」と、徐々に悪くなる「開放隅角緑内障」があります。
閉塞隅角緑内障は毛様体で作られた房水が隅角の閉塞によりうまく排出されず、急激に眼圧が上昇するものです。
「閉塞隅角緑内障」に禁忌の薬が処方された場合、患者は「閉塞」か「開放」かなんてわからないので、眼科医に問い合わせて問題ないか確認する必要がある。
しかし、PL顆粒の場合は、処方医に緑内障であることを伝えPL顆粒の処方の代替薬を提案あるいは、処方削除としてもらうのがよい。なぜなら、PL顆粒は必要不可欠な薬ではないからだ。
また、PL顆粒の添付文書の「特定の背景を有する患者に関する注意」に、「開放隅角緑内障の患者」とあり、「本剤中のプロメタジンメチレンジサリチル酸塩が有する抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。」という記載もあるので、開放隅角であろうと悪化させるリスクはあるからだ。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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