2024年11月22日更新.2,474記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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バセドウ病患者は昆布食べちゃダメ?

甲状腺とヨード

薬剤師

甲状腺の病気の人は昆布食べちゃいけないんでしょ?

ヨードは甲状腺ホルモンの材料であり、人間の体に必要なものです。

甲状腺ホルモンは新陳代謝を促したり、子供では成長ホルモンとともに成長を促進する働きをする体になくてはならないホルモンです。

1日に必要とされるヨードの量は、無機ヨードにして200~300μg(マイクログラム=ミリグラムの1000分の1です)と言われています。

これだけのヨードはとる必要があると考えられます。

問題はもっとたくさんヨードを食べた場合どうなるかということですが、バセドウ病の患者さんではヨードをたくさんとると(一日2mg以上)甲状腺ホルモンが作られにくくなります。

このヨードの作用を利用してバセドウ病の治療にもヨードは使われます。

ヨードを制限しないとバセドウ病の薬が効きにくかったり、バセドウ病が再発しやすくなったりするとの意見がありますが、これが事実かどうか、また一体どれぐらい制限したらよいのかなどは分かっていません。
実際に効果のあるほど制限するのは日本に住んでいる限り不可能なので、気にせずに普通にとっていてかまいません。

ただアイソトープ検査やアイソトープ治療をする場合には、ヨードで影響を受けますので、1週間ほどヨードをたくさん含む食品を制限する必要があります。

分類食品ヨウ素(μg/100g)
植物性食品昆布13万1000
植物性食品わかめ7790
あまのり6100
大豆(国産)79
あずき54
米、精白米39
動物性食品いわし268
さば248
かつお198
バター62
鶏肉49.9
鶏卵、卵黄48

昆布が圧倒的にヨウ素含有量が高く、他はそれほどでもない。
チラーヂンSを併用しているような患者ではヨウ素制限は必要ない。
また、イソジンのうがい薬を風邪予防のために連用しているような人がいれば、止めさせる。

昆布の食べ過ぎはダメ

昆布、特に根昆布はヨードを多く含む食品である。

根昆布には降圧作用があり、高血圧症の治療のために根昆布の汁を毎日飲用することにより、ヨードの過剰摂取となり、甲状腺機能低下症に陥る場合がある。

甲状腺機能異常症の場合は食事性のヨード摂取制限を勧める必要はないが、根昆布などを通常の食事以上に摂取していないか確認する。

海藻類がヨウ素を多く含み、甲状腺機能亢進症(バセドウ病)などの甲状腺疾患患者が食すことに注意を要すると思っている患者も多い。

ヨウ素欠乏地域ではヨウ素過剰摂取によりヨウ素誘発性機能亢進症を発症することが報告され、バセドウ病の方はヨウ素過剰摂取を避ける必要があります。しかし、日本はヨウ素充足地域であり、通常量なら摂取してもよい。

昆布や昆布だしはヨードを多く含むので気を付けたほうが良い。ところてんや寒天は、海藻というイメージは無いが、原料はテングサという海藻です。

甲状腺検査数値が乱れたときに、たまたま摂取していると「これが原因」と思いがちですが、過剰に摂取していなければ気にしなくてもよい。

甲状腺機能低下症では海草をたくさん食べたほうがいい?

橋本病などの甲状腺機能低下症では、ヨードが不足しているんだからたくさん昆布を食べたほうがいい、と思ってしまいます。

橋本病の患者の中には、昆布類などのようなヨードを大量に含んだものをとり続けると、まれですが甲状腺のはれが大きくなったり、正常な甲状腺機能が低下したりする人がいます。

しかしこうした人も、これをやめると元に戻ります。

極端にヨードを摂取する習慣はやめた方がいいでしょう。

薬剤師

勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。

先生

そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。

1 件のコメント

  • あずにゃん のコメント
         

    バセドゥ病で15年程前にアイソトープ治療をしました。
    低下症になってからは薬で補充していたのですが、最近又亢進状態です。同じチラージンの量を減らして服用していますが、亢進気味なら昆布は摂取しても大丈夫なのでしょうか?
    又サプリメントで摂取しない方が良い物はありますか?

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