ウイルス性結膜炎に抗菌点眼薬？

結膜炎と抗菌点眼薬

はやり目やらプール熱やらのウイルス性結膜炎に抗菌点眼薬が処方されます。
ウイルスに抗菌剤は効かない、というのは耳にタコですが、処方されます。

免疫力の低下から、細菌による混合感染をおこす場合があるので、細菌性結膜炎と同様、抗生物質や抗菌剤の点眼液が用いられる。ｂｙウィキペディア

エビデンスはあるのかと聞かれると、どうだか。

しかし、そもそも結膜炎の原因が、確実にウイルス性だと言い切れるのかどうか。

詳細に調べればわかるのかも知れませんが、結膜炎があれば細菌性だろうがウイルス性だろうが、とりあえず抗菌点眼薬を処方してみたほうが、検査代なども含めて考えると医療経済的にもよろしい判断なのでしょう。

目の感染症の原因菌は？

外眼部感染症の中では結膜炎が64.5％と約3分の2を占めており、最も多く見られます。

次いで麦粒腫、涙嚢炎、瞼板腺炎、眼瞼炎、角膜潰瘍、角膜炎と続きます。

ブドウ球菌属は目のあらゆる組織の感染症の起炎菌となるのに対し、緑膿菌や肺炎球菌、インフルエンザ菌、ウイルス、真菌などは発症部位に特徴が見られます。

細菌培養を行っても起炎菌が検出されるまで数日かかるので、経験的に原因菌を想定して抗菌薬を投与することがあります。

はやり目の検査は無意味？

眼科診療で広く使われているアデノウイルス抗原検出キットの使用は有効ですが、感度は８０％前後と十分ではなく、１０人中２人は陰性結果を示してしまいます。

つまり、検査により陽性の場合はＥＫＣと確定診断ができても、陰性の場合は乾癬行って下さい否定はできません。

この場合、対応が不適正になると感染防止対策が遅れ被害が拡大してしまうことになるので注意が必要です。

アレルギー性結膜炎に抗菌点眼薬？

アレルギー性結膜炎は、春や季節の変わり目に多く、原因は花粉、ダニ、カビ（真菌）、動物の毛などさまざまです。

症状は充血とかゆみだけですが、かゆいので手でこすると細菌感染を起こし悪化するので、目やにが出た場合にはアレルギー用と抗生物質の目薬を点眼します。

目ヤニは細菌性結膜炎のサイン？

目やにが出る、というだけで細菌性のものと判断して抗菌剤の点眼薬を使う人がいます。
しかし、アレルギーの症状として目やにが出ることもあります。

花粉が飛ぶシーズンは一応アレルギーの薬を出して様子を見たほうがいいでしょう。

プールから帰ってきて目やにが出始めたのであれば、細菌性を疑ったほうがいいです。

赤ちゃんの結膜炎に母乳を点眼？

赤ちゃんが結膜炎などで目やにが多いとき、母乳をスポイトで取って点眼するといい、ということが言われています。
母乳には免疫を高める物質が多く含まれているので効果はありそうです。が、効果を証明したという論文などはありません。
ひどいときは抗菌剤を点眼しましょう。