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PPIで骨折しやすくなる?
公開. 更新. 投稿者:消化性潰瘍/逆流性食道炎.この記事は約1分19秒で読めます.
4,987 ビュー. カテゴリ:PPIの骨折リスク
PPIで骨折しやすくなるの?
プロトンポンプ阻害剤(PPI)を1年以上服用すると、大腿骨頸部骨折の危険が22%も増加することが、英国の50歳以上を対象にした調査で分かりました。
服薬期間が長いほど、1日平均投与量が多いほど、骨折リスクはより増加しました。
タケプロンの添付文書の使用上の注意には以下のように記載されている。
海外における複数の観察研究で、プロトンポンプインヒビターによる治療において骨粗鬆症に伴う股関節骨折、手関節骨折、脊椎骨折のリスク増加が報告されている。特に、高用量及び長期間(1年以上)の治療を受けた患者で、骨折のリスクが増加した。
カルシウムは胃酸でイオン化されて、吸収されやすい形になるために胃酸分泌を抑制するとカルシウム不足から骨粗鬆症になりやすいという可能性が考えられています。
PPIが胃酸の分泌を抑えることにより、カルシウムの吸収を阻害する懸念があること、プロトンポンプである液胞型ATPaseの阻害により骨吸収の抑制をもたらす可能性があることなどがそのメカニズムとして挙げられている。
しかし、もともと骨粗鬆症だった人は背中が丸くなりやすく、胃液が食道に逆流しやすい(逆流性食道炎)ので、PPIを服用することもあります。
骨折してNSAIDsとPPIを飲んで、また骨折しやすくなって・・・と整形外科を受診し続けるわけです。
PPI服用時にはカルシウム剤も併用したほうが良いかな。
プロトンポンプ
プロトンポンプは、胃壁細胞意外にも腎臓、破骨細胞などに存在しており、破骨細胞にある液胞型(V型)のプロトンポンプは、骨吸収に関与しているため、PPIによるプロトンポンプの阻害は、むしろ骨吸収の抑制につながる可能性もあるとの指摘もあります。
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2 件のコメント
はじめまして。最近のコロナ騒動のおかげで製薬会社の闇がわかったのですが、私40歳〜44歳位まで4年半PPIを服用していました。それからよく食中毒にかかるようになり鉄欠乏性貧血になったのをきっかけに調べたらこの薬が原因の様な気がしてやめました。このPPIはガンや認知症になる確率が高いのでしょうか?かなり長期服用してしまったので不安です。教えていただけるとありがたいです。
コメントありがとうございます。
PPIの長期服用による癌や認知症の確率上昇といった話は私の知る限りではありません。不勉強かも知れません。
「癌や認知症の原因となり得るか」という話については、なかなか難しい話で、例えば、40歳で飲み始めた患者さんが75歳くらいで癌や認知症になったからと言って、因果関係があるかどうか統計をとるとしたら、発売してから40~50年くらいの年月が必要になると思われます。PPIの発売からまだ二十数年くらいなので、現段階で長期服用の影響については「わかりません」としか言えないのが正直なところだと思います。
ただ、PPIを10~20年と長期服用している患者さんはかなりの数いると思いますが、現段階ではっきりした癌や認知症の確率上昇という話を聞いたことがないので、個人的には4、5年程度なら問題ないと思います。
胃酸が出過ぎることで悩まされる人もいますので、一概に悪い薬とは言えません。ただ安易に処方されている傾向のある薬ですので、まゆみんさんのように「自分に必要かどうか」賢く判断のできる患者さんが増えると良いと思っています。