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抗ヘルペスウイルス薬の一覧
公開. 更新. 投稿者:皮膚感染症/水虫/ヘルペス. タグ:薬の一覧. この記事は約3分45秒で読めます.
175 ビュー. カテゴリ:抗ヘルペスウイルス薬の一覧
分類 | 分類 | 医薬品名 | 一般名 | 規格剤形 |
---|---|---|---|---|
抗ヘルペスウイルス薬 | ヘリカーゼ・プライマーゼ阻害薬 | アメナリーフ | アメナメビル | 錠(200㎎) |
DNAポリメラーゼ阻害薬 | バルトレックス | バラシクロビル塩酸塩 | 顆粒(50%)、錠(500㎎) | |
ファムビル | ファムシクロビル | 錠(250㎎) | ||
ゾビラックス | アシクロビル | 顆粒(40%)、錠(200㎎、400㎎)、軟膏(5%)、クリーム(5%) | ||
アラセナA | ビダラビン | 軟膏(3%)、クリーム(3%) | ||
抗サイトメガロウイルス薬 | DNAポリメラーゼ阻害薬 | バリキサ | バルガンシクロビル塩酸塩 | 錠(450㎎)、ドライシロップ(5000㎎) |
DNAターミナーゼ阻害薬 | プレバイミス | レテルモビル | 錠(240㎎) | |
UL97プロテインキナーゼ阻害薬 | リブテンシティ | マリバビル | 錠(200㎎) |
抗ヘルペスウイルス薬の分類
人に感染するヘルペスウイルスはヒトヘルペスウイルス(HHV)とよばれ、9種類ある。
学名 | ウイルスの種類 | 主な病気 |
---|---|---|
HHV-1 | 単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1) | 口唇ヘルペス、ヘルペス性歯肉口内炎、カポジ水痘様発疹症、角膜ヘルペス、ベル麻痺など |
HHV-2 | 単純ヘルペスウイルス2型(HSV-2) | 性器ヘルペスなど |
HHV-3 | 水痘・帯状疱疹ウイルス | 水疱瘡、帯状疱疹、ラムゼイハント症候群など |
HHV-4 | EBウイルス(EBV) | 伝染性単核球症など |
HHV-5 | サイトメガロウイルス(CMV) | 巨細胞封入体症、CMV単核症など |
HHV-6A | ー | ー |
HHV-6B | ー | 突発性発疹など |
HHV-7 | ー | |
HHV-8 | カポジ肉腫関連ヘルペスウイルス(KSHV) | カポジ肉腫 |
抗ヘルペスウイルス薬はウイルスDNAの複製を阻止して、ヘルペスウイルスの分裂や増殖を抑制します。
アシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビルはDNAポリメラーゼ阻害薬で、アメナメビルは作用機序が異なり、ヘリカーゼ・プライマーゼ阻害薬になります。
DNAポリメラーゼ阻害薬
アシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビルは核酸類似体と呼ばれる物質で、DNA複製に必要なDNAポリメラーゼの基質のひとつであるデオキシグアノシン三リン酸(dGTP)に競合的に拮抗することでDNAポリメラーゼ阻害作用をあらわす。
また、ウイルスDNAポリメラーゼの基質としてウイルスDNA末端に取り込まれることで、ウイルスDNA鎖の伸長を阻害する作用をあらわす。
バラシクロビルはアシクロビルのプロドラッグで、吸収効率が改善され、アシクロビルの3~5倍の血中濃度が得られます。
Rp)バルトレックス錠500㎎ 2錠
1日2回朝夕食後 5日分
Rp)ファムビル錠250㎎ 3錠
1日3回毎食後 5日分
Rp)ゾビラックス錠200㎎ 5錠
1日5回朝食後、昼食後、午後4時、夕食後、就寝前 5日分
Rp)バルトレックス錠500㎎ 6錠
1日3回毎食後 7日分
Rp)ファムビル錠250㎎ 6錠
1日3回毎食後 7日分
Rp)ゾビラックス錠400㎎ 10錠
1日5回朝食後、昼食後、午後4時、夕食後、就寝前 7日分
ヘリカーゼ・プライマーゼ阻害薬
アメナメビルはウイルスDNAの複製に必要な酵素複合体(ヘリカーゼ・プライマーゼ複合体)の活性を阻害し、二本鎖DNAの開裂及びRNAプライマーの合成を抑えることで抗ウイルス作用をあらわす。
Rp)アメナリーフ錠200㎎ 2錠
1日1回朝食後 7日分
Rp)アメナリーフ錠200㎎ 6錠
1日1回朝食後 1日分
抗サイトメガロウイルス薬
サイトメガロウイルスが細胞に吸着・侵入すると、ウイルスDNAが核内に注入され、潜伏化します。その後、ウイルスDNAの複製が開始され(再活性化)、複製されたDNAがCMVに特異的なDNAターミナーゼによって一単位長のゲノムサイズに切断され、カプシドにパッケージングされます。さらに細胞質においてテグメントやエンベロープを獲得し、完全なCMVとなり細胞外へ放出されます。
抗サイトメガロウイルス薬には、バルガンシクロビル、レテルモビル、マリバビルがある。
バルガンシクロビルはDNAポリメラーゼ阻害薬で、静脈内投与を必要とするガンシクロビルをL-バリンでエステル化したプロドラッグであり、経口投与ができる。
ガンシクロビルは、アシクロビルの誘導体で、サイトメガロウイルス(CMV)が有するUL97プロテインキナーゼによりリン酸化され活性体となる。このため、アシクロビルが無効であったCMVに対しても効果を示すようになっている。活性化機序(リン酸化する酵素)が異なるが、最終的な標的分子がウイルスDNAポリメラーゼである点は同様である。
レテルモビルは、ヘルペスウイルス増殖の最終段階に必要な酵素であるDNAターミナーゼ複合体を阻害することで、ウイルスの粒子の形成を抑制する。
マリバビルは、CMVの増殖に必須のウイルス由来UL97プロテインキナーゼを阻害することでCMVの増殖を抑制する。
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