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100日分以上処方しちゃダメ?
公開. 更新. 投稿者:調剤報酬/レセプト.この記事は約2分23秒で読めます.
15,731 ビュー. カテゴリ:処方日数の上限って決められてるの?
処方日数の上限
2022年度の調剤報酬改定で、リフィル処方箋の発行が可能となる。
今までの分割調剤がそれほど普及しなかったのと、金銭的なメリットが無いので、リフィル処方箋の普及に懐疑的でしたが、考えが変わりました。
薬局側としては正直「めんどくせ」と思っていますが、医師側・患者側の「めんどくせ」がそれを上回っていそうなので、普及するだろうとみています。
100日分以上の処方をしたがっている医師、100日分以上処方しても問題のない患者は多いだろうと感じています。
100日分以上処方できない、とはどこにも明示されていません。
しかし、100日分処方するとレセプト上査定されるという都道府県の話も聞く。パソコン上「100日分以上入力できない」という言い訳も絡めながら、100日分以上処方しないほうが無難、という医療機関側の状況があると思われる。
療養担当規則20条「投薬量は、予見することができる必要期間に従ったものでなければならない」という記載が根拠となっているのでしょう。
「100日後の患者の状態、予測できるんですか?」ということ。そりゃ「できるわけねーだろ。状態変わったら受診しろよ。自己責任だろ」と言っても、「予見して下さい」と突っぱねられます。
では、薬局側はどうでしょう?
処方箋上「100日分」と来たら疑義照会しますか?「180日分」ならどうですか?「360日分」ならさすがに?
自局にある医薬品の期限はどうですか?散剤が処方されたらどうですか?一包化なら?
何日分なら安定性が保たれるでしょうか?
90日分の一包化でも心配になることはありませんか?処方日数について医師の責任と放置していませんか?
自戒です。
というわけで、90日分処方で3回リフィル可能な処方箋が病院門前の処方で見かけるようになるでしょう。
開業医は基本的に経営的なことを考えるとメリットが少ないと感じるでしょうけど、病院の勤務医は「知ったことか。忙しいんだ」というわけで積極的に処方してくるでしょう。
「薬だけ診察なし」という無診察処方も、禁止されてはいますが、行われています。
かくいう私も、降圧剤を飲んでいますが、たまに「薬だけもらえますか?」と医師に共犯を持ちかけてしまうことがあります。
「薬だけもらえればいい」と思っている患者も多いのだ。そういう患者にとっては「薬局>病院」なわけだから、薬剤師の存在価値を高めるきっかけにもなろうと思われる。
保険薬局の保険薬剤師は、リフィル処方箋により調剤するに当たって、患者の服薬状況等の確認を行い、リフィル処方箋により調剤することが不適切と判断した場合には、調剤を行わず、受診勧奨を行うとともに、処方医に速やかに情報提供を行うこと。また、リフィル処方箋により調剤した場合は、調剤した内容、患者の服薬状況等について必要に応じ処方医へ情報提供を行うこと。
情報提供は必須だと思います。服薬情報等提供料2を算定できます。
医師が一番知りたい情報は「ちゃんと薬局で薬もらってんのか?」ということなので、ある程度聞き取りした内容書いて送ればそれでいいと思います。
しかし、病院に行かずに270日程度、漫然と薬の服用続ける患者が増えると考えると、残薬調整、電話確認・フォローアップも含めて、業務の幅が広がりそうな気はしますねえ。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。