記事
薬の受け渡しロッカー?
公開. 更新. 投稿者:薬局業務/薬事関連法規.この記事は約3分22秒で読めます.
3,787 ビュー. カテゴリ:薬の受け渡しロッカー
このコロナ禍で、パーテーションの設置はもちろん、自動アルコール消毒噴霧器、空気清浄機etc、薬局内の様子も様変わりしているのではないでしょうか?
コロナ対策の支援金・助成金を使えるだけ使ってしまおうという企業の姿勢は、経済を回すために必要なのかなと思う一方で、あざといというかあさましいというか、将来的に我々の税金に跳ね返ってくるのだろうという不安もありますが。
そんな中、薬の受け渡しロッカーなるものを設置し始めている薬局も多いようで。日調やクオールなど。
日本調剤 薬局内の宅配ロッカー活用で実証スタート 薬剤師からの処方薬受け渡しが非接触に | ニュース | ミクスOnline (mixonline.jp)
この記事だと、薬局内のロッカーに薬を入れておく、という形なので、営業時間外に受け取ることはできない。
薬局の外にロッカーを置けば、24時間受け取りが可能だ。
昔はこのような形での薬の受け渡しについて「やっていいの?」という感覚だったが、0410対応で、薬局へ来局せずに薬を受け取ることが可能になっている現在、いろんなパターンでできそうな気がする。
薬局内ではなく、薬局外に医薬品を置いておいたとしても、郵送で宅配ボックスに置いておくのと同じようなことである。
「麻薬」や「覚醒剤原料」を郵送してはいけない、という法的な縛りはなさそうだが、万が一紛失したときの責任問題とか面倒なので、受け渡しロッカーは使わないほうがいいだろう。今のところ。
監視カメラとかつければいけるかな。
注射剤など温度管理に厳しい薬もロッカーは使いづらいが、「冷蔵ロッカー」なるものもあるようなので、ロッカーの性能次第では可能だろう。
冷蔵ロッカーで処方薬24時間受け渡し可能に (logi-today.com)
「スマホで受け付け、駅で受け取り」をコンセプトとした「おくすりカウンター」という薬局が以前ありましたが、時代を先取りしすぎたのかもしれない。
おくすりカウンター
薬局に在庫がない薬が処方されて、患者の自宅にまだ薬が残っているという場合、入荷後郵送で送るということがあります。
また、一包化などで時間がかかるため、患者の了承を得て、後日郵送で送るというケースもあります。
いずれにせよイレギュラーな形で、患者宅に薬を郵送で送るという形はあります。
しかしそれを業として行う薬局はありませんでした。
上記の形だと、会計を済ませてから、薬を取りそろえる調剤という形になるので、法的に問題が生じます。
いわゆるグレーゾーン。
グレーゾーン解消制度というのがあるらしい。
初めて知りました。
この形だと、①処方箋提出②服薬指導のあと患者は帰宅して、③薬剤の調整と④監査を終了し、⑤のWEB決済となる。
スマホの普及、決済手段の多様化などによって、新しい形が様々生まれます。
これを業として行っているサービスが以下の「おくすりカウンター」。
おくすりカウンター(保険調剤薬局)|スマホで受付、駅で受け取り。
↑2018年9月経営破綻
待ち時間短縮という点からみると、患者にとってはありがたいサービス。薬剤師の説明なんてちゃちゃっと済ませてもらって、薬の準備に時間がかかるなら後で受け取りたい、という自分勝手な患者はこれでよいと思うのだろう。
しかし、薬剤師側からすると、薬の実物を見せずに服薬指導をするというのは、事後のクレームにつながる恐れがあるので慎重に行いたいというのが本音。
投薬時に、「この薬はいらなかった」「この処方日数では次回受診日まで足りない」「湿布は先発品がよかった」などなど、想定の範囲外のことが起こることもしばしばあります。
そういったことも含めて、処方箋受付時の服薬指導で確認するという形は、正直不安もありますが、逆に聞きそびれがあってはならないという慎重さが生まれるので逆によいのではないかとも思います。「薬を渡す」という段階で色々聞かれるよりも、処方箋を受け付けた時点で色々聞かれた方が患者サイドも間違った薬を用意されたくないという思いは強いでしょう。
送料の負担なども問題としてありますが、これが一般の薬局でも通常サービスとして行われるようになると薬局業務の大変革になり得る。
受取場所、ドラッグストアだと調剤薬局の閉店後に店舗受け取ることもできる、コンビニと提携して受取場所を指定したり、様々な可能性は感じます。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。