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薬と体液の着色
公開. 更新. 投稿者:副作用/薬害.この記事は約1分13秒で読めます.
5,520 ビュー. カテゴリ:薬による分泌物の着色
薬の副作用による、便の着色や尿の着色といった副作用は、よく注意喚起されている。
男性の場合、尿の着色については気になることもあるだろう。しかし、便の着色については、水洗トイレがほとんどの現代で、あまりまじまじと自分の便を見ることも少なくなっているので、気にする頻度も少ない。
また、介護を受けている高齢者で、自分で用を足せる高齢者であれば、介護者が便尿の色を見ることはない。
介護スタッフが一番に気づきそうなのは、痰の色かもしれない。
黒い痰
尿や便の色が黒くなる薬といえば、鉄剤(フェロミア、インクレミンなど)やレボドパ製剤(マドパー、メネシットなど)である。
鉄剤は口腔内に長くとどめておけば、黒く変色する可能性は高い。
しかし、レボドパ製剤は、アルカリ性条件下で分解し、酸化されてメラニンを生成し、黒くなる。口腔内がアルカリ性になる、例えば酸化マグネシウムといっしょに口腔内にとどまるというような条件下でなければ黒く変色はしない。
赤い痰
赤い痰が出たら、血痰と見間違う。
リファンピシンやエパルレスタット、エンタカポンなど、代謝物が赤くなる薬だと、痰の色も赤っぽくなるだろう。
青い痰
サイレースを飲んで、青い痰が出るということがある。
サイレースなどのフルニトラゼパム製剤は、悪用防止策として、青色の着色剤が添加されている。
口の中でコーティングが溶けると、口の中や痰が青色に着色する。
いずれにしても、薬が原因の痰の着色であれば、気にする必要はないと伝える。
しかし、本当に血痰の可能性があったり、病気による可能性があれば医療機関への受診を勧める。
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