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狭心症と心筋梗塞の違いは?
公開. 更新. 投稿者:狭心症/心筋梗塞.この記事は約3分21秒で読めます.
6,015 ビュー. カテゴリ:狭心症と心筋梗塞はどう違う?
狭心症 | 心筋梗塞 | |
---|---|---|
心筋の状態 | 虚血になっても壊死はない | 一部の心筋が壊死 |
冠動脈の状態 | 狭窄のため血液が流れにくくなった状態 | 血栓で冠動脈がつまった状態 |
症状 | 締めつけられるような痛み、重苦しさ、圧迫感 | 激しい痛み、吐き気、冷や汗 |
症状の持続時間 | 1~5分程度の短い発作 長くて15分程度 | 30分~数時間 |
発症のきっかけ | 労作時、興奮時、食後など 早朝から午前中の動き始めに多い(労作性狭心症) 睡眠中や安静時も(安静時狭心症) 心臓の仕事量(需要)と冠血流量(供給)のバランスがくずれて起こる | 労作とは無関係に起こることが多い。心臓の需要とは関係なく突然発症することがある |
治療(硝酸薬の効果) | 多くの場合、硝酸薬が著効 | 硝酸薬の効果はない |
虚血性心疾患と狭心症・心筋梗塞
虚血性心疾患の概念がよくわかっていないので勉強する。
虚血性心疾患は、冠動脈に狭窄や閉塞が起こり、心臓に血液が十分供給されない状態を指す。
心筋虚血により心筋が障害されると、心機能が低下し生命に関わる恐れがあるほか、心不全や不整脈などの合併症を引き起こすこともある。加齢、脂質異常症、高血圧、糖尿病や喫煙などによる動脈硬化症が原因であることが多い。
虚血性心疾患の代表格として狭心症と心筋梗塞が知られています。
狭心症は心臓の筋肉が可逆的に一過性の酸素不足になった状態です。
心筋梗塞は虚血によって心臓の筋肉が非可逆的な変化を起こした状態です。
急性冠症候群と冠攣縮
狭心症や心筋梗塞は冠動脈の粥腫による硬化(粥状硬化)が基盤となって発生する疾患です。
従来、プラーク(粥腫)の増大に伴って冠動脈内腔が徐々に挟まり、内腔が75%以上狭窄すると労作性の狭心症が起こるといわれてきました。そして、冠動脈内腔がほぼ閉塞すると不安定狭心症や急性心筋梗塞が発症すると考えられてきました。しかし近年、動脈硬化の進行に伴って冠動脈内腔が徐々に狭窄して起こるのではないことが判明しました。実際、冠動脈の狭窄度が75%未満の病変や、冠動脈造影で軽度狭窄しかないと判定された部位でも、プラークが崩壊し、その部位で血栓が形成されて閉塞が起こり、不安定狭心症や急性心筋梗塞が発症したという症例が相次いで報告されました。この病態を急性冠症候群と呼称しています。
その原因として冠動脈壁の平滑筋収縮(冠攣縮)が関与している可能性が示唆されています。冠動脈攣縮はプラーク崩壊のトリガーの1つと考えられる。
プラークの破綻
血管の内膜の裏側に変質したコレステロールの結晶やそれを取り込んだ細胞などが蓄積します(プラーク)。プラークの無い冠動脈壁としっかりプラークの蓄積した冠動脈壁とでは、冠動脈の弾力性が異なり、両者の境目の場所(ショルダー)にひずみが入り、内皮細胞の壁が壊れるという現象が発生します。
これが薄い内膜の壁で覆われた「プラークの破綻」です。
内皮細胞の層は血液の固まりやすさを抑制し、血液の流れをスムーズにするという役割を果たしていますが、内皮細胞の壁が破れることによって、血液はプラークに直接接触し、血液が固まる現象(凝固)が一気に進行します。プラークの破綻した部位で血栓形成が発生し、冠動脈を急速に狭窄(不安定狭心症)し、ないしは閉塞(急性心筋梗塞)します。不安定狭心症、急性心筋梗塞、およびそれに伴う心臓突然死は同一の機序で発生する疾患と考えて、これらの虚血性心疾患はまとまった疾患概念として「急性冠症候群」と呼ばれるようになりました。
安定虚血性心疾患
症状が安定していて急性心筋梗塞に移行する心配が少なく慢性的な経過をたどることが多い安定狭心症(労作性狭心症・安静時狭心症)・陳旧性心筋梗塞は安定虚血性心疾患と呼ばれます。
労作性狭心症
動脈硬化が進み、血管内の粥状硬化病変(プラーク)により冠動脈が狭くなると、心筋が虚血状態になり、運動などで身体を動かしたときに胸が痛くなる。
これを「労作性狭心症」と呼ぶ。
前胸部の圧迫感・絞扼感や、左肩から左上肢、首から顎などにかけて放散痛を生じるが、安静にすると3~5分程度で治まる場合が多い。
冠攣縮性狭心症(安静時狭心症)
一方、動脈硬化により冠動脈の内皮機能が障害されると、冠動脈が攣縮(一過性に異常収縮)して心筋虚血を起こすことがある。
これを「冠攣縮性狭心症」と呼ぶ。
労作とは関係なく症状が出現することが特徴で、症状は数分~10分程度で消失する。
陳旧性心筋梗塞
発症から1か月以上経過した心筋梗塞を陳旧性心筋梗塞といいます。
陳旧性心筋梗塞では、壊死した心筋は線維化し、むしろ症状は安定しますが、残存する心筋に大きな負荷がかかる可能性があります。そのため、心肥大や慢性心不全を引き起こすことも考えられます。
急性冠症候群の治療
急性冠症候群(acute coronary syndrome:ACS) に対する急性期の治療では、冠動脈の狭窄・閉塞部位を拡張しステントを挿入する経皮的冠動脈インターベーション(percutaneous coronary intervention:PCI)や狭窄部を迂回する新しい血液のルートを作る冠動脈バイパス術を行う。
慢性期の治療目的は、冠動脈疾患の再発予防と合併症の治療である。
抗血小板薬で再狭窄を予防し、冠動脈疾患の危険因子をコントロールするとともに、不整脈や心不全を治療する。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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