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死後もペースメーカーは動き続ける?
公開. 更新. 投稿者:不整脈.この記事は約2分28秒で読めます.
19,296 ビュー. カテゴリ:死後のペースメーカー
ペースメーカーを付けている患者さんから、
「死んだ後も心臓は動き続けるのか?」
という質問を受けた。
ペースメーカーを付けている人は脳死状態の最期を送るのか、という疑問
正直わかりませんでした。
そもそもペースメーカーの働きについて詳しく知らないので調べる。
ペースメーカーの仕組み
ペースメーカーは、本体とリード(導線)の組み合わせで成り立っています。
リードは心房か、心室のいずれか、またはその両方に挿入され、心臓から出たシグナル(信号)をペースメーカー本体に、本体からの電気刺激を心臓へと伝えます。
本体は心臓の状態に応じてどのような治療をすべきかを判断し、必要ならば電気パルスを心臓へ送り、心臓を刺激します。
本体には心臓の興奮を感知する機能とペーシング(歩調をとる)する機能が備わっています。
ペースメーカは徐脈性不整脈における調律の異常を補整します。
徐脈に対する最も有効で確実な方法は、ペースメーカーを取り付ける、ペースメーカー植え込み術です。
脈が病的に遅くなる「徐脈」の主な原因は、興奮信号を発する機能が悪くなる場合(洞不全症候群)と、電気の通り(伝導)が悪くなる場合(伝導障害)に分けられます。伝導障害は多くの場合、心房と心室の連結部(房室結節)で生じ、それは房室ブロックと呼ばれています。
つまり、ペースメーカーを付ければ、洞不全症候群や房室ブロックで亡くなることは無いのかも知れませんが、その他の原因で心臓が動かなくなることもあります。
ペースメーカーは電気刺激を出し続けても、心臓が止まっていれば、動きません。
質問をした患者さんの想像では、死んだ後も心臓がドクンドクンと動いているイメージでしたが、そういうことはあり得ません。
安心して最期をお迎えください。
遺体のペースメーカーは除去する?
不整脈の治療に使われるペースメーカーや植え込み型除細動器は、急激に加熱されると破裂する危険性があり、火葬場によっては、植え込まれた遺体の火葬を拒否しているという。
医師側でも、遺体からペースメーカーを取り出すかどうかは意見が分かれている。
不整脈などの疾患でペースメーカーを埋め込んでいた患者が亡くなった後に、4割を超える医師がペースメーカーを除去しているとのこと。
ペースメーカーは何年で交換が必要?
ペースメーカーの多くは5年から10年で電池がなくなってしまいます。
その都度ペースメーカーの電池交換が必要となります。
体内に植え込んだペースメーカーを取り替えるのには手術が必要なので、何日間か入院します。
最近では日帰りで交換するところもあるようです。
現在使われているペースメーカーの寿命は最低6年はあります。このため電池交換は特に異常がない限り、手術後6年目以降におこなわれます。多くのペースメーカーでは患者さんご自身の脈拍がある一定以下の脈拍になると作動をし、逆にセットされた脈拍を上回る時は休むようになっています。このため、自分の心臓が、セットされた脈拍以上に多く動いている時間が長い方はその間ペースメーカーは休んでおりますので、電池の消耗が少なくなり、場合によっては8~10年ももつことは可能です。
自分の心臓も動いていれば、その分電池の寿命が長くなると。
できれば手術は避けたいわけで。
あんまり若いうちにペースメーカー植え込むと、電池切れが心配になりますね。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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