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オテズラ開始時はスタートパック使わないとダメ?
公開. 更新. 投稿者:乾癬.この記事は約2分16秒で読めます.
6,037 ビュー. カテゴリ:オテズラ錠スターターパック
スターターパックといえば、ラミクタールやチャンピックスを思い出す。
ラミクタールの場合は、スタートパックを使わなくてもラミクタール錠25mgの140錠包装があるので、あえてスタートパックを用意することもない。
チャンピックスも、0.5mg錠、1mg錠の包装がそれぞれあるが、スタート時に使う0.5mgの錠数が11錠でよいので、スタート用パックは必要だった。
このたび販売される乾癬治療薬のオテズラ錠にもスターターパックがあるようだ。
オテズラ錠の開始用量は以下のようになっている。
で、オテズラ錠の包装は以下のようになっている。
・オテズラ錠スターターパック:27錠((10mg×4錠、20mg×4錠、30mg×19錠)×1パック)
・オテズラ錠30mg:56錠(14錠(PTP)×4シート)
つまり、オテズラ錠を開始する際には、必ずスターターパックを使わなければならない。
そして、スターターパックに30mg錠が19錠入っているということは、14日分ちょうどがスターターパックになっているというわけだ。
初回投与時に1週間分だけ、というチョイスはなしになる。必ず14日分。
いきなり30mgで投与するのもなし。
投与開始時に漸増投与を行わなかった場合、悪心、下痢、嘔吐等の発現率が高いことが示されているため、「用法・用量」を遵守すること。
オテズラ再開時にはスタートパックを使わなくて良い?
オテズラの用法用量は、10mgから初めて30mgまで増やすという漸増療法となっている。
副作用発現のリスクを考慮し、少ない用量からの投与となっている。
しかし、症状が安定し、オテズラ錠を休薬したあと、また再開するとなった場合、スタートパックを使わなくても良いという話を卸から聞いた。
副作用が心配な患者さんに対してはもちろんスタートパックを用いてもいいが、30mgからの投与で問題ないという話。
薬剤師的には、あの面倒な入力を避けたいところなので、30mgからの処方のほうが良いということは言うまでもない。
オテズラの特徴
アプレミラスト(オテズラ)は低分子の経口ホスホジエステラーゼ4(PDE4)阻害薬である。
乾癬患者の免疫細胞や表皮組織では、サイクリックAMP(cAMP)を不活性型のAMPに分解する酵素であるPDE4が過剰に発現している。
そのため、細胞内のcAMP濃度が低下し、腫瘍壊死因子-α(TNF-α)、インターロイキン(IL)-23、IL-17などの炎症性サイトカインの産生が亢進している。
アプレミラストがPDE4を阻害してcAMP濃度を高めることで、皮膚や関節での炎症反応を抑制すると考えられている。
アプレミラスト投与時の留意点として、悪心、下痢、嘔吐などの副作用が挙げられる。
これらの消化器症状の発現を低減させるため、添付文書に投与開始時は漸増投与を行うよう記載されている。
ただし、クレアチニンクリアランスが30mL/分未満である重度の腎機能障害患者の場合、曝露量が健康成人の約2倍と報告されており、30mgを1日1回投与すると曝露量がおおむね同程度になると推測されている。
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