更新日:2017年1月2日.全記事数:3,118件.

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副鼻腔炎に抗生物質は効かない?


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副鼻腔炎に抗生剤は不要?

副鼻腔炎に安易に抗生物質を使うな、という話が出ている。

•子どもは、中等度~重度のABRにおいて、アモキシシリン単剤より、クラブラン酸との合剤が推奨される
(クラブラン酸により、抗生剤を分解する酵素の働きを妨げ耐性菌発生の予防となる)
•成人は、軽度~中等度のABRにおいて、アモキシシリン単剤より、クラブラン酸との合剤によるものが推奨される
•軽度~中等度のABRにおいて、βラクタム系抗生剤やフルオロキノロン系抗菌剤は推奨される
•マクロライド系抗生剤(クラリスロマイシン・アジスロマイシン)は肺炎球菌に対して耐性率が高いため推奨できない
•トリメトプリム・スルファメトキサゾール合剤は、肺炎球菌やインフルエンザ菌に対する耐性率が高いので推奨できない
•第三世代のセフェム系は肺炎球菌への耐性を考慮し、ABRの単剤療法として推奨されない
•投与期間は大人のABR(軽度)で5~7日、子どものABR(軽度)で10~14日まで
•生理食塩水などによる鼻腔内噴霧は軽度のABRで推奨される(子どもには使用感から不向き)
•ステロイド点鼻は抗生剤による治療の補助として推奨される
•局所の鬱血除去薬はリバウンドによる鬱血や炎症を誘発する可能性があるのでABRでの使用は避ける
•経口の抗ヒスタミン剤は眠気や口内乾燥などを誘発する可能性があるのでABRでの使用は避ける” ほとんどの副鼻腔炎に抗生剤は不要(米国感染症学会GL) アポネットR研究会・最近の話題

使うのであればクラバモックスが良いようです。

軽度~中等度なら、ペニシリン系セフェム系ニューキノロン系が良い。
でも、第三世代セフェムはダメ。
ST合剤もダメ。
マクロライドもダメ。
血管収縮点鼻薬もダと。
抗ヒスタミン薬もダメ。

生理食塩水とかステロイドの点鼻が良い。

慢性副鼻腔炎が悪化したときに、マクロライドをそのまま増量して処方ってのはダメなのか。
ステロイドは感染症に対してどうなのかな、と思うところもありましたが、推奨されると。

生理食塩水の点鼻はよく乳児に処方されてます。
使用感が悪いのは、他の点鼻薬でも同じな気がします。

副鼻腔炎の患者に抗生物質を投与しても、ほとんど効果がないとする研究結果が、15日の米国医師会雑誌(Journal of the American Medical Association)に発表された。論文を発表した研究者らは、抗生物質の過剰使用がもたらす危険性について警鐘を鳴らしている。

 論文を発表した米ワシントン大(Washington University)の研究チームによると、鼻腔が炎症を起こす副鼻腔炎の治療では抗生物質を処方する方法が一般的だが、効果が十分に証明されていなかった。米国では、成人に処方される抗生物質の5分の1が副鼻腔炎の患者向けで、患者の多くもこうした治療を期待するようになっているという。

 研究チームは、急性単純性副鼻腔炎の成人患者166人を対象に、一般的に使用されている抗生物質、アモキシシリンを与えるグループとプラシーボ(偽薬)を与えるグループに分け、効果を比較した。なお、患者は鼻水などの症状が7~28日間続いており、症状の重さは中度、重度、極めて重度の3タイプに分かれた。

 実験の結果、アモキシシリングループで回復が早まったり症状が軽減されたりといったことは確認できず、プラシーボグループとの間で症状に顕著な違いは見られなかった。

「これらの結果は、基本的な副鼻腔炎では抗生物質が必ずしも必要ではないことを示している。大半の患者は自力で回復する」と、研究者は述べた。

 論文は、抗生物質の使用は「症状が重度か極めて重度の患者」に限定すべきだと指摘。また、今回実験で使用したアモキシシリンなどの抗生物質を処方する代わりに、痛み、せき、うっ血などの症状の処置を行いつつ追加治療が必要かを注意深く見極めるという方法を提唱している。抗生物質、鼻炎に効果なし 米研究 国際ニュース AFPBB News

大半の患者は自力で回復する。
急性副鼻腔炎だとウイルス性なのでしょう。

症状が中度なら処方NGで重度ならOKと。
症状の中度と重度の違いがよくわからない。

日本だとマクロライド系が多いかな。

まあ、あまり意味の無い抗生剤の投与は耐性菌を増やすので止めましょう、ってことだろうけど。

慢性副鼻腔炎にはマクロライド系抗生物質が有効

細菌が主役である急性副鼻腔炎の治療は、適切な抗菌スペクトルを有する抗菌薬を十分量投与することがポイントになります。
一方、慢性副鼻腔炎には14員環の構造をもつマクロライド系抗生物質の少量長期投与(マクロライド療法)が有効であることが明らかになっています。

マクロライド系抗生物質は、炎症性サイトカインの産生抑制や好中球の遊走抑制などの抗炎症作用によって副鼻腔自然孔の閉鎖を改善するといわれています。
さらに粘液の過剰生産の抑制作用や粘液線毛機能低下の改善作用などによって慢性副鼻腔炎における悪循環を断つ効果も有していると考えられています。

一方、鼻茸を有する患者さんや中等度・高度病変を有する患者さん、さらに薬物療法が有効でない軽症病変の患者さんには、内視鏡下鼻内副鼻腔手術(ESS)が適応となります。
ESSの目的は、鼻腔内自然孔の狭窄や閉鎖を改善し、副鼻腔の換気と催炎物質を含んだ貯留液を排池することです。

参考書籍:クレデンシャル2013.8

蓄膿はそのうち治る?

10歳以下の子どもの慢性副鼻腔炎の場合、育ち盛りのため、副鼻腔が成長したり、抵抗力がついてきて、自然治癒することがあり、重症でも手術療法はあまり行われず、マクロライド系抗菌薬少量長期投与療法が行われています。
マクロライド系抗菌薬は比較的副作用が少なく、服用量を常用量の半分に減量し、長期に服用しても小児に対して問題はありません。

好酸球性副鼻腔炎にマクロライドは効かない?

近年、マクロライド療法やESSの導入によって慢性副鼻腔炎の治療成績は向上しました。
しかし一方で、これらの治療法を用いても改善しない難治性慢性副鼻腔炎の存在が注目されるようになってきました。
こうした難治性の慢性副鼻腔炎では、鼻茸の中に著明な好酸球の浸潤がみられるため、本邦では2001年に好酸球性副鼻腔炎という名称が提案されました。

好酸球性副鼻腔炎は、従来の慢性副鼻腔炎とは異なる臨床的特徴を有し、治療方法も従来型と異なっています。
多くの好酸球性副鼻腔炎では両側性に鼻茸がみられ早期から嗅覚障害がみられます。
また、鼻茸が大きくなると鼻閉が主訴となります。

鼻汁は好酸球に富み、非常に粘稠で、時に膠状(好酸球性ムチン)を呈します。
成人発症であることも大きな特徴で、マクロライド療法では効果がみられず、ステロイド薬、特に経口ステロイド薬が有効です。

また、末梢血好酸球の増加が認められ、この末梢血好酸球の増多は鼻茸中の浸潤好酸球数と相関することが知られています。
一方、血清総IgE値や特異的IgEの上昇は必ずしもみられないため、鼻茸や末梢血の好酸球増多に対するIgE依存性のI型アレルギーの関与は否定的です。
さらに、好酸球性副鼻腔炎は成人型の気管支瑞息や好酸球性中耳炎との合併が多いことから、下気道(気管支)と上気道(鼻、副鼻腔、中耳)に慢性的な好酸球性炎症が生じる”one airway,one disease”の病態があると考えることもできるのです。

好酸球性副鼻腔炎の症状コントロール

好酸球性副鼻腔炎は従来型の慢性副鼻腔炎に比べると難治ですが、ESSと適切な術後治療によって症状を良好にコントロールすることが可能です。
すなわち、ESSで鼻茸を除去し、さらに各副鼻腔を大きく開放して術後管理が容易になる鼻・副鼻腔形態にします。
好酸球性副鼻腔炎はESS後においても再発しやすいのですが、再発率が高いからといってESSの重要性が減じるわけではありません。

好酸球性副鼻腔炎における症状コントロールで最も重要なのは、術後の治療です。
まず、その病態を考慮すると大きく開放した副鼻腔全体にいきとどくような鼻腔洗浄とステロイド点鼻薬が基本的な維持療法となります。

好酸球性副鼻腔炎では、上気道炎罹患後に鼻・副鼻腔粘膜の浮腫や鼻茸の再発を招くことが多くあります。
粘膜浮腫や小さな鼻茸が認められた際には、少量の経口ステロイド薬を、症状や鼻所見に応じて数日~1週間程度投与します。
好酸球性炎症を抑制するという意味では、ロイコトリエン受容体桔抗薬やトシル酸スプラストも有効です。

こうした維持療法にもかかわらず鼻茸が再発した場合は、経口ステロイド薬の約1~2週間投与(プレドニゾロン
換算で30mgから漸減)で大きく改善することもあります。

好酸球性慢性副鼻腔炎は、従来の慢性副鼻腔炎と異なり、好酸球性炎症を起こしやすい体質的な全身疾患という考え方が可能で、現在の治療では完治が期待し難いので、治療を継続して症状をコントロールすることが重要なのです。

参考書籍:クレデンシャル2013.8

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