癌の種類で用量の違う薬は？

抗癌剤の用量

私は抗癌剤の知識に乏しいので、処方箋に抗癌剤が新規で処方されていると、とても慎重になります。

慎重になるというのは、「余計な事を言わないように」という意味もあります。

「告知されているのかな」とか「ステージはどのくらいだろう」とか、詳しく聞きたい反面、深く介入したくない、人生相談みたいな服薬指導に陥りたくないという気持ちもあります。

そのため、初回で「何の癌なのか？」という所までも聴取できなかったということもあります。胃がんなのか大腸がんなのか。

しかし、抗癌剤によっては、がんの種類で用量の異なる薬もあるので、その場合は確実にがんの種類を聴取する必要があります。

「病名によって薬の投与量が変わりますので、差し支えなければ病名を教えていただけませんか？」といった具合に。

と言っても、「癌の種類で用量が違う薬」というのをゼローダしか知らないのですが。

ゼローダの用量

ゼローダの用法用量は複雑。

手術不能又は再発乳癌にはA法又はB法を使用し、ラパチニブトシル酸塩水和物と併用する場合にはC法を使用する。結腸・直腸癌における補助化学療法にはB法を使用し、オキサリプラチンと併用する場合にはC法を使用する。治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌には他の抗悪性腫瘍剤との併用でC法又はE法を使用する。直腸癌における補助化学療法で放射線照射と併用する場合にはD法を使用する。胃癌には白金製剤との併用でC法を使用する。

乳がんにはＡ法、Ｂ法、Ｃ法。

大腸がん（結腸がん・直腸がん）にはＢ法、Ｃ法、Ｅ法。Ｄ法は直腸がん。

胃がんはＣ法。

とりあえず、処方箋の用量であたりをつけて、患者さんに病名を確認する。

処方箋に体表面積も載っていればいいけど、載っていなければ身長・体重も確認する。

基本的にゼローダの1日用量は10錠前後になるので、初見では「これでいいのか？」と自然に思って、添付文書を確認するのが当たり前ですけどね。