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ヒルドイドソフト軟膏とデルモベート軟膏を混ぜちゃダメ?
公開. 更新. 投稿者:服薬指導/薬歴/検査.この記事は約3分34秒で読めます.
13,777 ビュー. カテゴリ:ヒルドイドソフト軟膏の混合可否
なんとか皮膚科医のジェネリック変更不可の牙城を崩そうと試みている私です。
ヒルドイドソフト軟膏は、それ単体での処方も混合での処方も多い、皮膚科処方量ナンバーワンと言っても過言ではない医薬品です。
しかし、クリームの基剤は他の外用薬との混合で乳化が壊れやすく、混合調剤には注意を要する。
油中水型は水中油型に比べ、軟膏との混合では比較的安定しているが、それでもヒルドイドソフトと配合不可となっている軟膏も多い。
「軟膏・クリーム配合変化ハンドブック」で調べると、
×デルモベート軟膏+ヒルドイドソフト軟膏
×メサデルム軟膏+ヒルドイドソフト軟膏
×メサデルムクリーム+ヒルドイドソフト軟膏
×ジフラール軟膏+ヒルドイドソフト軟膏
×トプシム軟膏+ヒルドイドソフト軟膏
×ネリゾナクリーム+ヒルドイドソフト軟膏
×フルメタ軟膏+ヒルドイドソフト軟膏
×リンデロンDP軟膏+ヒルドイドソフト軟膏
×リンデロンVG軟膏+ヒルドイドソフト軟膏
あたりが不適の組み合わせ。
しかし、ヘパリン類似物質油性クリーム0.3%「ニプロ」のインタビューフォームの配合変化を調べると、上記の組み合わせが配合可能となっている。
「軟膏・クリーム配合変化ハンドブック」の最新版を持っていないので、最新版には載っているのかな?
しかし、長所もあれば短所もあり、ヘパリン類似物質油性クリーム0.3%「ニプロ」の配合不可の組み合わせとして、
×マイザー軟膏+ヘパリン類似物質油性クリーム0.3%「ニプロ」
×マイザークリーム+ヘパリン類似物質油性クリーム0.3%「ニプロ」
×フルメタクリーム+ヘパリン類似物質油性クリーム0.3%「ニプロ」
×リンデロンDPクリーム+ヘパリン類似物質油性クリーム0.3%「ニプロ」
×リンデロンVGクリーム+ヘパリン類似物質油性クリーム0.3%「ニプロ」
×リドメックスコーワクリーム+ヘパリン類似物質油性クリーム0.3%「ニプロ」
×ロコイドクリーム+ヘパリン類似物質油性クリーム0.3%「ニプロ」
ジェネリックによって、配合の可否の組み合わせが違うようなので、どの組み合わせの混合調剤が多いのかで、採用を変えた方が良いのかもしれない。
混合不可の疑義照会
混合不可という理由で、計量混合加算が減算されるケースがある。
そのため「軟膏・クリーム配合変化ハンドブック」で×のものには何らかの対応をしなければならない。
①混合しない
例えばシロップなどで、配合変化をもたらすようなものについては薬剤師の判断で、別々に渡すこともあるだろう。
しかし、塗り薬で混合が指示されている処方に対して、混合しないという選択肢は考えられない。
②混合して計量混合加算を外す。
レセプト上は問題ないが、混合する労力が無になるし、個別指導で指摘される恐れもある。
③配合可能なジェネリックに変更する。
ヒルドイドソフト軟膏をヘパリン類似物質油性クリーム0.3%「ニプロ」に変えるといったように、ジェネリックに変更すれば計量混合加算が算定可能になるケースもある。
しかし、塗り薬のジェネリックへの変更については、患者の同意が得られにくい可能性もあるし、ジェネリック変更不可としている医師の同意も得られにくい。
④配合可能な同種同効薬に変更してもらう。
医師への疑義照会の結果としては、この結論に至る可能性が高いだろうか。しかし、皮膚科医への疑義照会の結果としては、「そのまま混ぜて」となる可能性が高い。なぜなら医師はプライドが高いから。
いずれにしても「軟膏・クリーム配合変化ハンドブック」を小脇に抱えながら疑義照会をする必要がある。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。
2 件のコメント
リンデロンVGとヒルドイドソフト軟膏はリンデロンVGのIFでは問題なさそうですが、なぜダメなのでしょう。
・症状;ガサガサに指の皮膚が荒れて、
指の付け根がぱっくり割れてしまった。
・お医者様の見解:乾燥肌による。
・お医者様から調剤薬局への指示:デルモベート軟膏0.05%(15g)+ヒルドイドソフト軟膏0.3%(15g)の混合剤
・塗り続けること1週間で割れが補修。約2種間で完治した。素晴らしい結果です。