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H2ブロッカーとカマを併用しちゃダメ?
公開. 更新. 投稿者:消化性潰瘍/逆流性食道炎.この記事は約3分20秒で読めます.
7,715 ビュー. カテゴリ:酸化マグネシウムの作用機序は?
酸化マグネシウムには制酸作用や緩下作用などがある。
【制酸作用】
アルカリ性である酸化マグネシウム(MgO)は、胃酸(HCl)を中和することにより制酸作用を示します。MgO+2HCl→MgCl2+H2O【緩下作用】
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酸化マグネシウムは胃酸と反応して塩化マグネシウム(MgCl2)となった後、腸内において難吸収性の重炭酸塩(Mg(HCO3)2)又は炭酸塩(MgCO3)となり、浸透圧維持のため腸管から水分を奪い、腸管内容物を軟化させることにより緩下作用を示します。
上記のように、酸化マグネシウムが制酸作用や緩下作用を示すためには、HCl(胃酸)が必要となる。
胃酸が少なければ制酸作用は必要ありませんが。
H2ブロッカーとカマの併用はダメ?
酸化マグネシウム(MgO)は胃酸(HCl)によって塩化マグネシウム(MgCl2)と水(H2O)に、塩化マグネシウムは膵液(NaHCO3)によって、重炭酸マグネシウム〔Mg(HCO3)2〕と塩化ナトリウム(NaCl)に変化する。
つまり消化管内に十分な塩酸がなければ、第一段階の化学反応が成立せず、胃酸分泌を抑制するファモチジンなどのヒスタミン(H2)受容体拮抗薬併用時には酸化マグネシウムの緩下作用は減弱すると考えられる。
酸化マグネシウムを便秘の予防薬として選択する際には、H2受容体拮抗薬の効果発現・持続時間から胃酸分泌抑制効果が低い時間帯(胃内pHが最も低くなる食直前など)を割り出し、その時間帯に服用するよう、服薬指導を行う必要がある。
とのことですが、大体食後か寝る前だろうなあ。
1日2gでは効かない、という人が多いのは、こういう理由もあるのかな。ちょっと頭の隅に入れておこう。
酸化マグネシウムとガスターの相互作用
酸化マグネシウムは内服すると消化管内で2段階の化学反応を経て塩類下剤として作用する。
第1段階では胃酸中の塩酸2分子と化学反応を起こし、塩化マグネシウムと水になる。
第2段階では塩化マグネシウムが膵液中の重炭酸ナトリウム2分子と化学反応を起こし、炭酸水素マグネシウムと2分子のNaClになる。
すなわち、酸化マグネシムが腸管内で塩類下剤として作用するためには、塩酸および重炭酸ナトリウムとの化学反応が必要になる。
胃酸分泌を抑制するファモチジンが処方されていると、理論的には酸化マグネシウムの化学反応が十分に進まず、瀉下作用は低下するものと考えられる。
しかし、酸化マグネシウムの添付文書にはH2ブロッカーやPPIとの併用注意に関する記載は無く、一方のファモチジンの添付文書にも酸化マグネシウムとの併用に関する記載はない。
カマの食前服用?
ファモチジンは添付文書に記載された薬物動態から、服用後約2~3時間で最高血中濃度に達する。
また、胃内pHと食事の関係に注目すると、食事は胃内に入った食物の影響により一過性に胃内pHが中性付近まで上昇した後、徐々に胃酸分泌が活発になってpHが低くなっていく。
すなわち、胃酸分泌が最も盛んで、胃内pHが低くなるタイミングは食直前ということになる。
酸化マグネシウムと制酸剤
酸化マグネシウム(MgO)は胃酸(HCl)と反応して、胃内で塩化マグネシウム(MgCl2)となった後、膵液に含まれる炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)と反応し、腸内において難吸収性の重炭酸塩(Mg(HCO3)2)又は炭酸塩(MgCO3)となり、浸透圧維持のため腸管から水分を奪い、腸管内容物を軟化させることにより緩下作用を示します。
このように、酸化マグネシウム(MaO)の緩下作用の発現には胃酸と膵液が必要です。
つまり、酸化マグネシウムと胃酸分泌抑制作用を持つような制酸剤、H2受容体拮抗薬やPPI(プロトンポンプインヒビター)との併用は、緩下作用の減弱につながるということ。
酸化マグネシウム自身も制酸剤になるが、制酸作用を発動したあとに緩下作用を発動することになる。
ちなみに添付文書上は、カマとH2ブロッカーやPPIとの相互作用の記載は何も書かれていない。
胃切除した患者に酸化マグネシウムを投与するのも無意味ということになる。
ガスターと酸化マグネシウムとセンノシドの併用例なんてザラにあります。
胃の症状がさほどでもなければガスター中止すればセンノシドを使わずに酸化マグネシウムだけで排便コントロールできるかも知れない。
又は、ガスターが中止できなければ酸化マグネシウムの増量でセンノシドを使わずに済むかも知れない。
以上、ポリファーマシー対策にご一考ください。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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