2024年12月2日更新.2,476記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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カプセルを飲む放射線治療?

バセドウ病のアイソトープ治療とは?

放射線治療と聞くと、でっかい装置の中に入って患部に放射線を当てて、軽くやけどしたりして。。。みたいに思い浮かべますが。

バセドウ病の患者さんで放射線治療をしている、という人の話を聞いたので調べてみた。

 放射性ヨード(アイソトープ)のカプセルを内服します。内服した薬は胃腸で吸収されて甲状腺に集まってきます。そこで甲状腺の中から放射線を出して甲状腺の細胞を潰してくれます。カプセル内服の前後合わせて約2週間は食事の中にヨードを含むものが入らないようにヨード制限をしておく必要がありますが、実際の放射線治療はカプセルの薬を飲むだけです。放射線治療の良い点は全身麻酔や手術のような負担がないことです。必要であれば繰り返して行うことも可能です。入院しなくても外来でできる場合もあります。
 逆に放射線治療の欠点は効果が出るまでに数ヶ月かかることと、治療後に甲状腺機能低下症に移行する人が年毎に増えてくることです。治療後1年目では53%の人が甲状腺機能亢進、9%の人が機能低下、残りの38%の人で甲状腺機能が正常でした。しかし、治療から3年たつと機能亢進は19%、機能低下は33%、機能正常が48%でした。治療後10年経過すると約半数の人が甲状腺機能低下症になるとの報告もあります。低下症になれば甲状腺ホルモン剤を終生続けることになります。

バセドウ病の治療法について

機械で放射線を当てるのかと思っていましたが、カプセルを飲むだけらしい。
しかも、何回も通院する必要はなく、1回でよいとのこと。

簡単ですね。
時間もかからない。

ヨウ素は体内に15~20mg存在し、そのうち70~80%は甲状腺に含まれます。
摂取したヨウ素のほとんどは甲状腺に集まるので、内服カプセルのような投与法ができるわけだ。

他の疾患でも内服による放射線治療とかできればいいけど、ヨウ素の特性なので難しいわけだ。
甲状腺機能低下症にならないといいな。

治療法長所短所
薬物療法薬を飲むだけでよい。甲状腺機能低下症になっても戻る。副作用があり得る。治療が長期にわたる。再発が多い。
アイソトープ治療カプセルを1回飲むだけでよい。 薬物療法に比べ短期間の治療ですむ。副作用、合併症がほとんどない。甲状腺の腫れが小さくなる。再発が少ない。治療を受けられる施設が限られている。甲状腺機能低下症になりやすい。
手術確実に治療効果が得られる。 甲状腺の腫れが小さくなる。 再発が少ない。手術の跡が残る。専門の施設が限られている。甲状腺機能 低下症になりやすい。
薬剤師

勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。

先生

そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。

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