記事
ペンタサ1日4000mgは8週間まで?
公開. 更新. 投稿者:下痢/潰瘍性大腸炎.この記事は約2分56秒で読めます.
8,168 ビュー. カテゴリ:ペンタサの投与制限
ペンタサの添付文書には、
「1日4,000mgを、8週間を超えて投与した際の有効性及び安全性は確立していないため、患者の病態を十分観察し、漫然と1日4,000mgの投与を継続しないこと。」
との記載がある。
1日4000㎎の処方は8週間まで。それを超えたら疑義照会となる。
アサコールの添付文書には、
「1日3,600mgを,8週間を超えて投与した際の有効性及び安全性は確立していない。」
という記載がある。
ちょっとニュアンスが違うが、ペンタサ同様、最大量での処方期間は8週間までとなる。
ペンタサ500mg8錠やアサコール400mg9錠を60日分、90日分という投与日数で処方すると、レセプトで切られる可能性がある。疑義照会をしていないと個別指導で指摘されるかも知れない。
「有効性及び安全性は確立していない」という記載をどうとらえればよいのか。
用法用量の本文に書かれていないので、PPIの8週間処方制限と比べれば緩いのかも知れない。
ペンタサの用法用量をみると、
潰瘍性大腸炎:通常、成人にはメサラジンとして1日1,500mgを3回に分けて食後経口投与するが、寛解期には、必要に応じて1日1回の投与とすることができる。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日2,250mgを上限とする。
ただし、活動期には、必要に応じて1日4,000mgを2回に分けて投与することができる。クローン病 :通常、成人にはメサラジンとして1日1,500mg~3,000mgを3回に分けて食後経口投与する。なお、年齢、症状により適宜減量する。
となっており、ペンタサ1日4000mgの場合は、1日2回、という用法になる。
1日3回では保険が通らないという話もあります。
潰瘍性大腸炎にペンタサ1日3000mg分3という患者さんもいますが、厳密にはこれは添付文書上の用法用量から外れるわけで、「これはクローン病かも知れないなあ」と言い逃れしてみる。
ペンタサ錠とペンタサ坐剤の併用
ペンタサ錠とペンタサ坐剤、あるいは注腸の併用というのはたまに見かける。
ペンタサ錠1日4000㎎に併せて、ペンタサ坐剤1個1000㎎を併用することもある。
良いのか?
ペンタサ錠の添付文書には、
「本剤をメサラジン注腸剤と併用する場合には、メサラジンとしての総投与量が増加することを考慮し、特に肝又は腎機能の低下している患者並びに高齢者等への投与に際しては適宜減量するなど、十分に注意すること。併用時に異常が認められた場合には、減量又は中止する等の適切な処置を行うこと。」
と書かれている。
総投与量が増えるので、注意するようには書かれているが、併用は可能なようだ。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。
1 件のコメント
いつも勉強させていただいております。
メサラジンの内服と注腸・坐剤の併用については、潰瘍性大腸炎関連のいくつかのガイドラインに有効性が記載されていますね。メサラジンの用量は多い方が効くと言われていますし、リアルダですと4800mgまでなので、ペンタサ内服と注腸・坐剤で5000mgとなっても何ら問題はなさそうですね。