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授乳中に風邪薬を飲んじゃダメ?
公開. 更新. 投稿者:妊娠/授乳.この記事は約3分59秒で読めます.
2,722 ビュー. カテゴリ:授乳中に風邪薬飲んでも良い?
比較的安全なかぜ薬として、解熱鎮痛成分では、アセトアミノフェン、抗アレルギー成分ではクロルフェニラミンマレイン酸塩、鎮咳成分ではデキストロメトルファン臭化水素酸塩などがあります。
母乳は乳児にとって大切な栄養源であり、免疫成分なども含んでいるので極力授乳を続けることが重要です。
しかし、多くの薬が授乳中に移行するので、服用するときは授乳を一時中止し、粉ミルクに代えるなどしたほうがより安心です。
かぜ薬に含まれる成分で、注意したい成分としては、抗ヒスタミン薬のジフェンヒドラミンや一部の解熱鎮痛成分があります。
ジフェンヒドラミンは、抗ヒスタミン薬のなかでも特に中枢抑制作用が強いため、服用後乳汁中に移行し、乳児が母乳を飲んだときに、昏睡などを起こすことが報告されています。
また、かぜ薬に含まれるアスピリンは、ライ症候群という急性脳症との関連が指摘されており、ほかに血小板機能を抑制し、出血傾向になる可能性もあり避けるべきです。
授乳中に痛み止めを飲んじゃダメ?
授乳婦が安心して服用できる鎮痛薬として、アセトアミノフェンやイブプロフェンなどは比較的安全とされています。
多くの薬が母乳中に移行しますが、その量は服用量の1%程度と大変少ない量です。
さらに乳児がその母乳を飲んでも、体内で代謝されると薬の影響はさらに低くなります。
しかし、乳児によっては代謝・排泄能力が未熟なこともあるので、どのような作用が出るかわかりません。
そのため、授乳婦が薬を飲むことはできるだけ避けたほうが無難です。
どうしても薬を飲まなければならない病状の場合は、飲んだ薬の血中濃度が最高になる時間帯の授乳を避けたり、授乳直後や乳児が長い眠りに入るときに服用すると、比較的影響が少なくなります。
薬剤の作用時間が長く、その間に何回も授乳しなければいけない場合は、ミルクに切り替えざるをえないこともあります。
授乳中に咳止めを飲んじゃダメ?
厚労省は、コデイン系成分を含む製品(OTC薬も含む)について、これらの製品を服用中は授乳を避けるなどの注意喚起を記した添付文書の変更を指示しました。
フスコデの添付文書見たら追記されてました。
授乳中の婦人には,本剤投与中は授乳を避けさせること.〔ジヒドロコデインリン酸塩の類似化合物(コデイン)で,母乳への移行により,乳児でモルヒネ中毒が生じたとの報告がある.〕
これは、海外などの研究で授乳婦がコデインを服用した場合、ごく稀ではあるが、コデイン服用後代謝の過程(迅速代謝)でできたモルヒネが乳汁に移行し、これを飲んだ乳幼児が呼吸抑制などの有害事象を起こす可能性があるという報告があるためです。
迅速代謝を起こす遺伝子の型を持つ人は人種により差はあるものの、日本人でも1%程度いるとのことです。
どの程度注意すればいいのやら。
OTCで授乳婦にコデイン含有鎮咳薬を販売するのは止めた方が良さそうですが、産婦人科から処方されている場合にはあまり不安にさせることは言いたくないですね。
母乳を与えている量などにもよるでしょうし。
母親がリンコデ飲んで赤ちゃんがモルヒネ中毒?
コデインリン酸塩水和物(コデインリン酸塩)とジヒドロコデインリン酸塩(コデイン類似化合物)の授乳婦への投与は禁忌である。
これは、海外において、コデイン製剤を服用した女性が乳児に授乳したところ、乳児がモルヒネ中毒により死亡したとの報告がなされたためである。
コデインはCYP2D6で代謝され活性の強いモルヒネに変換されるが、CYP2D6の遺伝子多型には、ultra-rapid metabolizer(UM)と呼ばれる非常に強い代謝活性を持つタイプが存在する。
迅速代謝型の患者がコデイン製剤を服用すると、代謝産物であるモルヒネの血中濃度が高まり、過剰なモルヒネが母乳を介して乳児へ移行すると考えられている。
日本人においては、この遺伝子型を持つのは1%程度と考えられているが、その判別は容易でないことから、全ての授乳婦への投与が禁忌とされている。
参考書籍:薬の相互作用としくみ、調剤と情報2012.8
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