記事
低血糖時の対応は?
公開. 更新. 投稿者:糖尿病.この記事は約5分3秒で読めます.
3,278 ビュー. カテゴリ:目次
低血糖時の対応は?
血糖値が60mg/dL以下で低血糖症状があれば、低血糖への対応が必要となる。
低血糖と思われる症状が出現した場合、可能であれば血糖値を測定し、経口摂取が可能なときは、ブドウ糖を中心とした糖質を摂取する。
目安はブドウ糖で5~10g、ブドウ糖を含む飲み物であれば、150~200mL飲用する。
これらが手元にない場合は糖分を多く含むチョコレート、クッキーなどの菓子類を摂取する。
ブドウ糖などの摂取後15分を経過しても症状が持続する場合、あるいは血糖値が60mg/dL以下の場合には、同様の処置を繰り返す。
すぐに症状が改善しないからといって、多くの糖分を摂取してしまうと、高血糖となることがあるので注意が必要である。
軽症の低血糖で食事時間が近い場合は、すぐに食事を摂れば血糖値は改善される。
また、意識がなく経口摂取が不可能な場合は砂糖を口唇と歯肉の間に塗りつけるなど、応急処置を家族にも伝えておく。
医師からグルカゴンの注射が渡される場合もある。
低血糖のはひふへほ
低血糖症状のはひふへほ
は・・・腹が減る(空腹感)
ひ・・・冷や汗
ふ・・・振るえ(手指振戦)
へ・・・変な行動(異常行動)
ほ・・・ほっとくと昏睡
低血糖時の対処法
①ブドウ糖10g程度をすぐにとります。
②症状がおさまるまで安静に。
③回復したら、早めに食事をとります。
注意点
ブドウ糖を必ず持ち歩く。
車の運転に気を付ける。
糖尿病カードを身につける。
ブドウ糖が開けられない?
低血糖が起きたときのために、メーカーから無償提供されているブドウ糖を配布することがあります。
粉のタイプや錠剤のタイプがあります。
低血糖のときのブドウ糖製品の落とし穴。 – ♪ ENJOY AND HAPPY LIFE ♪ ~ 私と1型糖尿病 ~
でも、血糖が低すぎたり、勢いよく下がっているときって、手に力が入らないから
「グルコースサプライ」はとっても開けづらくて・・・
ものによっては、低血糖で手が震えてるときは開けにくい。
ペットボトルのジュースのふたなんかも開けづらいんだろうな。
結局、効果発現は遅いけど、飴みたいに包み紙に入っているのが一番摂取しやすいのかもな。
低血糖時のブドウ糖摂取量は?
インスリン製剤や経口血糖降下薬を使用している糖尿病の患者さんでは、低血糖に対して十分な注意が必要です。
低血糖の症状(空腹感、だるさ、冷や汗、動悸、手足のふるえ等)が現れた場合には、早期に対処することが大切であり、ブドウ糖の場合は5~10g、砂糖(ショ糖)の場合は10~20gを経口摂取します。
約15分後に低血糖が持続する場合には、再度同一用量を服用します。
ブドウ糖のほうが血糖値を早く上げます。
α-グルコシダーゼ阻害薬を服用している患者さんでは、必ずブドウ糖を選択します。
昏睡時にはどうする?
低血糖を起こして、意識があるときには、本人がブドウ糖5~10gを服用します。
意識がないときには、砂糖を口唇と歯肉の間に塗りつけます。
医療機関に運ばれたらブドウ糖を静脈注射します。
グルカゴンの筋注も。
高血糖でも昏睡状態になりますが、そのときはインスリンを静脈注射します。
血糖コントロールが不安定な患者さんだと、意識障害が低血糖によるものなのか高血糖によるものなのかわかりにくいこともある。
高血糖のときにブドウ糖摂取しても逆効果なわけで、血糖値を測って確認する必要がある。
補食
低血糖を起こした時、あるいは低血糖予防対策として必要なエネルギーを1日の指示エネルギー量に追加して血糖変動の是正を図ることを「補食」という。
また、補食はその食べ物を指し、「補うべき食事」である。
補食はグライセミックインデックス(GI値)によって分類することができる。
GI値とは血糖上昇指数ともいい、同じ量の糖質を含む食品を摂取しても血糖値に及ぼす影響が異なることをカナダのジェンキンス博士らが数量化したものである。
GI値の高い方が血糖値の上昇が速く、ブドウ糖はGI値100で最も血糖の上昇の速い食品である。
A群:血糖値を速く上昇させるもの(GI値90~100)
ブドウ糖(錠剤、ゼリー)、砂糖、ジュース(糖分の入ったもの)、あめ、キャンデーなど
B群:血糖上昇はA群より遅く、上がった血糖値を維持するもの。主に炭水化物(GI値70~90)
ごはん、パン、ビスケット、クラッカーなど
C群:血糖上昇効果は低いが血糖値を維持するもの(GI値20~40)
牛乳、チーズ、ヨーグルトなど
交感神経症状が出現した場合
血糖事故測定による確認より、低血糖状態を是正することが最優先である。
そのため、直ちにA群を1単位程度、ブドウ糖または砂糖10~20g、またはそれに相当する糖質を含むもの(例えば、ジュース200~350mL)を摂取することが勧められる。
αグルコシダーゼ阻害薬を服用中の患者は必ずブドウ糖を用いる。
決して我慢したり、次の食事まで待つことがあってはならない。
15分以内に症状の回復がなければ同じ対応を繰り返す。
症状が治まったならば、次の食事までの時間が短い場合はすぐに食事を摂取し、次の食事まで1時間以上ある場合はB群を1~2単位摂取する(1単位=80kcal)
最も良いのは携帯できるゼリー状のブドウ糖
血糖降下薬メーカー配布の粉末ブドウ糖は1袋10g入りである。
市販のブドウ糖製品(グルコースサプライオーツカ、トラウンベンツッカーなど)は1粒3~5gが多い。
なお1gのブドウ糖で血糖は約5mg/dL上昇するといわれている。
ペットシュガーは1本3、6g入りが、角砂糖は1個約2,3gが多い。
ブドウ糖や砂糖は、水やお湯などの液体に溶かして飲用すると効果が速い。
これら粉末や固形の糖類は携帯に便利ではあるが、外出先では液体に溶かして飲用することが困難で、緊張時には不便と思われる。
なおA群には、あめ(氷砂糖も含む)やキャンデーなども該当するが、これらは溶けるまでに時間を要し、早急に血糖値を上昇させなければいけない状況に対するものとしては不向きである。
A群で最も扱いやすいのはゲル状のブドウ糖(グルコースレスキュー)ではないかと考える。
携帯性を高めるためコンパクトなアルミ包装になっており、水分なしで飲用が可能である。
ゲル状のため誤嚥の危険性も少ないことが特徴である。
また、菓子に見えないようなパッケージデザインになっており、その点では1型糖尿病の子どもが学校で摂取することにも配慮がされている。
ジュース類ではブドウ糖の含有量の多い商品が望ましい。
逆に、人口甘味料を使用した「ダイエット系」やスポーツドリンクは不適である。
ジュース類は飲みやすく、液状のため吸収が速いという長所があるが、携帯するには不便であり、缶の場合は緊急時にプルトップが開けられない可能性もある。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。
4 件のコメント
ブドウ糖 粉末はどうやって飲むのですか?
コメントありがとうございます。
そのまま。。。じゃダメでしょうか。
飲みにくい?ということでしょうか。
ブドウ糖の粉末は水で飲めばいいのですか?
いえ、水は不要です。
錠剤タイプも噛んで飲めます。
水が必要だと急を要する場合、面倒ですし。水も持ち歩かないといけなくなるので。
そしたら、ジュース持ち歩いたほうがいいので。