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バファリンを飲み続けるとアルツハイマーになる?
公開. 更新. 投稿者:脳梗塞/血栓.この記事は約4分37秒で読めます.
3,818 ビュー. カテゴリ:バファリンとアルミニウム
バファリンはダイアルミネートというアルミニウム成分を含有しています。
そして昔、アルミニウムがアルツハイマーの原因と疑われていたことがありました。
そのため、バファリンを飲み続けるとアルツハイマーになる、と思われている患者さんもいます。
アルミニウムとアルツハイマーの関係は完全に否定されたわけではありませんが、アルミニウムがアルツハイマー病を起こすという説は、世界的に支持されていません。
アルミニウムがアルツハイマーの原因と言われた理由に、アルミニウム脳症があります。
1972年、透析治療中の患者が、腎臓障害のため透析液中のアルミニウムを尿として排出できず、脳に残り認知症が現れたことが報告されました。
アルミニウムを一定量以上取り込むと、腎臓機能障害のある人は神経毒性症状を起こす場合があることがわかっています。
透析患者ではバファリンの連用に注意する必要はあるのかも知れませんが、腎機能に問題の無い人がアルミニウムの心配をする必要はありません。
透析患者はバファリン飲んじゃダメ?
バファリン配合錠A330の禁忌には、「重篤な腎障害のある患者[血中濃度が上昇し,重篤な副作用が発現するおそれがある.]」と腎機能障害患者に対する注意書きがあるが、バファリン配合錠A81の禁忌には特に記載はない。
各アルミニウム含有製剤に含まれるアルミニウム含有量は、
乾燥水酸化アルミニウムゲル1g→264mgのAl
アルサルミン1g→153~189mgのAl
コランチル1g→105.6mg
バファリン81 1錠→1.74~2.2mg(水分の量によって異なる)
アルミ鍋でも4~6mg/日のAlが摂取される。
連用が予想されるバファリン81中のアルミニウム含有量は少量で無視できる程度と思われる。
アルミニウムとアルツハイマー
昔、アルミニウムがアルツハイマーの原因と疑われていたことがありました。
今でも、完全に否定されているわけではありませんが、日本アルミニウム協会、アメリカ食品医薬品局などは、アルミニウムとアルツハイマーの関係を否定しています。
一時期、日本のマスコミが、飲料水の中にアルミニウムを多く含む地域でアルツハイマー病の人が多いといった報告を大きく取り上げ、アルミニウムやアルマイトの鍋を使わないほうがいいという記事が紹介されていました。
アルミニウムイオンは毒性が非常に強く、細胞内に取り込まれると細胞は死滅します。
しかし、生物はアルミニウムを細胞内に取り込まないようにする仕組みを持っているため、溶け出た微量のアルミニウムを食べ物と一緒に摂取しても、腸管で吸収されずにほとんど体外に排出されます。
現在ではアミロイド仮説が有力であり、米国食品医薬局(FDA)もアルミニウムとアルツハイマー病の関係を否定しています。
ホットケーキでアルミニウム過剰症
ホットケーキやパウンドケーキを週に1個食べるだけで、幼児ではアルミニウムの取りすぎになってしまう場合があることが東京都健康安全研究センターの調べでわかった。アルミを含む膨らし粉(ベーキングパウダー)が原因らしい。神経系などに影響を与える可能性があり、摂取量を減らす対策が必要としている。
同センターの植松洋子食品添加物研究科長らは、市販されているホットケーキミックス粉6種、クッキー、ドーナツなどの焼き菓子57種など107の製品を検査。ミックス粉3種、焼き菓子27種からアルミを検出した。これらの製品は、膨張剤やベーキングパウダー使用と表示があった。
ミックス粉では1グラムあたり最大0.53ミリグラム、焼き菓子ではパウンドケーキやスコーンで最大0.37ミリグラムだった。この場合、ホットケーキ1枚(粉で約50グラム)にアルミ約27ミリグラム、パウンドケーキ一切れ(約50グラム)で同約19ミリグラム含まれる計算になる。
世界保健機関(WHO)などが定める1週間の暫定耐容摂取量(PTWI)は、体重1キロ当たり1ミリグラム。体重16キロの幼児では16ミリグラムになり、ホットケーキ1枚で1.7倍になる。
ただし似たような製品でも含有量に大きな差があり、検出されないものもあった。使っている膨張剤の成分の違いによるらしい。
アルミの人間への影響はまだわかっていない。動物実験では生殖器や発達中の神経に変化が現れるなどの影響が出ている。
WHOなどは2006年に、これまでの想定より少ない量で影響が生じるかもしれないという調査結果に基づき、PTWIを7ミリグラムから現行の1ミリグラムに引き下げている。
アルミは食品衛生法で食品添加物として認められている。国内では、水道水で1リットル中0.2ミリグラム以下とする基準があるが、食品にはない。食品安全委員会が今年3月から、審議するためのデータ集めをしている。
膨張剤の成分や、アルミ含有量の表示は義務づけられていない。しかし最近は「アルミフリー(不使用)」と明記した膨張剤やミックス粉も販売されており、通販や自然食品を扱う店などで買える。
健康安全研究センターは「表示の見直しが、摂取量を減らすには有効」としている。
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