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ロキソニンSクイックは速く効く?
公開. 更新. 投稿者:頭痛/片頭痛.この記事は約4分54秒で読めます.
5,645 ビュー. カテゴリ:速く効く頭痛薬
速く効く痛み止めって何で速く効くの?
2021年8月24日に「ロキソニンSクイック」というロキソニンに新しいラインナップが加わった。
イブクイック頭痛薬のように速く効くのだろう。と思いきや、ロキソニンSクイックがロキソニンSよりも速く効くというわけではないようだ。
まず、各ロキソニンシリーズの成分を見てみると、
ロキソニンS錠:ロキソプロフェンナトリウム水和物
ロキソニンSプラス:ロキソプロフェンナトリウム水和物、酸化マグネシウム
ロキソニンSクイック:ロキソプロフェンナトリウム水和物、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム
ロキソニンSプレミアム:ロキソプロフェンナトリウム水和物、アリルイソプロピルアセチル尿素、無水カフェイン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム
ロキソニンSプレミアムファイン:ロキソプロフェンナトリウム水和物、シャクヤク乾燥エキス、ヘスペリジン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム
各パッケージに記載されているうたい文句を見てみると、
ロキソニンS錠:「痛みに速く効く」
ロキソニンSプラス:「速く効く+胃にやさしい成分」
ロキソニンSクイック:「速く効く+胃を守る成分」
ロキソニンSプレミアム:「つらい痛みに速効+胃を守る成分」
ロキソニンSプレミアムファイン:「つらい生理痛に」
そもそもロキソニンS錠が「痛みに速く効く」となっていて、ロキソニンシリーズすべてに「速く効く」と記載されている。
「ロキソニンSクイック」は、服用後、錠剤内部に水が速やかに浸透する独自の製剤技術「クイックブレイク製法」を新たに採用することで、シリーズ内最短の錠剤崩壊時間を実現しました。また、元来、胃への負担が少ないプロドラッグであるロキソプロフェンナトリウム水和物の特長に加え、制酸作用と胃粘膜保護作用のあるメタケイ酸アルミン酸マグネシウムを配合することで、胃への負担をさらに軽減しています。
とにかく「速く効く」というイメージをつけたくて、商品名に「クイック」という名前を付けたいがために、速く溶けるタイプの錠剤を作った。一応違いをつけるために、胃薬を入れた。
う~ん、あざとい。
つらい頭痛には、1秒でも速く効く薬を飲みたいと思います。
パッケージによるプラセボ効果ができるのかも知れませんね。
イブクイック頭痛薬はなんで速く効くの?
イブクイック頭痛薬はクイックというだけあって、速く効くらしいです。
成分は、イブプロフェン、酸化マグネシウム、アリルイソプロピルアセチル尿素、無水カフェイン。
酸化マグネシウムが肝らしい。
イブプロフェンは、強い酸性の胃内では溶けにくい性質があり、塩基性の酸化マグネシウムを配合することにより、胃内のpHが上昇し、イブプロフェンの溶解性が高まります。
そのため、イブプロフェンの吸収性が高まるので、イブクイック頭痛薬は、頭痛に対し、より速い効き目が期待できます。
30分早く最高血中濃度に達するそうです。
それに加え、酸化マグネシウムが胃の中のpHを上げることで、イブプロフェンの胃への刺激を軽減することができ、胃にやさしい処方設計になっています。
ロキソニンは早く効く?
市販のロキソニンSのパッケージには「痛みに速く効く」と書かれている。
ボルタレンSRカプセルみたいなのを除いて、NSAIDsの効果発現時間の遅速についてあまり比較したり考えたことはありません。
ロキソニンみたいなプロドラッグだと、肝臓で代謝されて効果発揮というイメージなので遅い気もしますが。
整形外科領域の手術後・外傷後疼痛に対するロキソニン(60mg)の鎮痛効果は15分後に19.8%、30分後に53.4%、60分後に72.4%の症例に認められています。
抜歯後疼痛に対するロキソニン(120mg頓用)の鎮痛効果は15分以内に51.6%、30分以内には83.9%の症例に認められています。
だいたい30分で効くようなので、速い感じでしょうか。
でも、ボルタレンやセレコックスも30分くらいで効きます。
OTCなので、イブプロフェンやアスピリンと比べて速いのかどうかと聞かれそうですが、たぶん変わらない。
鎮痛薬の効果発現時間
医薬品名 | 一般名 | 半減期 | Tmax | 用法 |
---|---|---|---|---|
ボルタレン | ジクロフェナクナトリウム | 1.2時間 | 2.72時間 | 1日3回 |
ロキソニン | ロキソプロフェンナトリウム | 1.3時間(活性代謝物) | 0.79時間(活性代謝物) | 1日3回 |
ブルフェン | イブブロフェン | 1.8時間 | 2.1時間 | 1日3回 |
ロルカム | ロルノキシカム | 2.3時間 | 0.63時間 | 1日3回 |
ニフラン | プラノプロフェン | 5時間 | 1.9時間 | 1日3回 |
ハイペン | エトドラク | 6時間 | 1.4時間 | 1日2回 |
セレコックス | セレコキシブ | 7時間 | 2時間 | 1日2回 |
モービック | メロキシカム | 28時間 | 7時間 | 1日1回 |
ロキソニンSプラスは速く効く?
ロキソニンSのシリーズ品として、「ロキソニンSプラス」という商品がある。
何がプラスされているのだろうかと思ったら酸化マグネシウム。イブクイック頭痛薬と同様の酸化マグネシウム。
ロキソニンSプラス1錠あたり33.3mgの酸化マグネシウムが配合されている。
制酸剤としては適量。下剤にはならない。
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)による胃障害の発生機序は、大きく分けて、プロスタグランジン(PG)合成阻害作用によるものとPG合成阻害とは関係ない非特異的な胃粘膜細胞への直接刺激によるものとがありますが、酸化マグネシウムが胃酸を中和することによって胃への直接刺激は軽減されますが、ロキソニンによるプロスタグランジン合成阻害作用は服用後しばらく続くわけで、胃への負担が無くなるわけではない。
イブクイックと同じように酸化マグネシウムが配合されているので、早く効きそうなイメージですが、「ロキソニンSよりも早く効く」というデータは無いようだ。
「速く効く」とパッケージに書かれているので誤解するが、ロキソニンSのパッケージにも「速く効く」とあるので、ロキソプロフェンが速く効くというだけ。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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