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逆流性食道炎から食道癌になる?
公開. 更新. 投稿者:消化性潰瘍/逆流性食道炎.この記事は約2分52秒で読めます.
2,284 ビュー. カテゴリ:食道の上皮組織
たかが胸やけ、たかが逆流性食道炎と思われがちですが、食道炎から食道癌になる可能性がある。
胃酸により細胞の形が変わることがある。
まず、粘膜にある上皮細胞の形には、「扁平上皮細胞」「円柱上皮細胞」「立方上皮細胞」がある。
扁平細胞は、魚の鱗のような形の細胞。
円柱細胞は、丸い筒状の細胞。
立方細胞は、サイコロのような立方体の細胞です。
血管の「内皮」や体腔の「中皮」にある上皮細胞は薄っぺらい単層の「扁平上皮細胞」です。
血管の内皮細胞は血流がスムーズに進むため、また血清成分などを細胞や細胞間の隙間を通じて裏側に供給するため、単層の扁平上皮細胞であることが都合がよい。
それに対し、物理的な刺激を受ける皮膚、口腔、食道などの上皮細胞は、重層の「扁平上皮細胞」です。
皮膚の組織が細胞一層だけで構成されていたら、少しの刺激で細胞が壊れ出血してしまいます。細胞がいくつも重なり合い、頑丈にできている必要があります。
その他代表的な上皮細胞はほとんどが立体的な立方上皮細胞か円柱上皮細胞である。
細胞自体が「吸収や分泌」などの重要な役割・機能をもつ細胞である。
胃や小腸など消化管の粘膜は、単層の円柱上皮細胞です。
バレット食道
主に逆流性食道炎が原因で、胃酸が食道に逆流すると食道粘膜(扁平上皮細胞)が胃粘膜に近い粘膜(円柱上皮細胞)に置換され、この粘膜をバレット粘膜といいます。
バレット粘膜が存在する食道をバレット食道とよびます。
バレット食道は食道腺癌(バレット腺癌)の前癌状態と考えられています。
そのため、胃酸分泌の抑制が、バレット食道や食道腺癌のリスクを低下させることが示唆されている。
バレット食道は、胃酸が食道に逆流することにより発生します。そのため、プロトンポンプ阻害剤の投与により、胃酸の分泌を抑え胃の を正常に保つと、バレット腺癌への進展が抑制できると考えられています。
また、他の薬剤としては、非ステロイド性抗炎症薬やCOX2阻害剤が検討されています。COX2はバレット食道及びバレット腺癌に多く存在し、 COX2阻害剤を投与した結果、バレット食道の細胞分裂が減少したとの報告があります。動物実験において形成されたバレット上皮やバレット腺癌にNSAIDs やCOX2阻害剤を投与した結果、バレット腺癌の発生を抑制したとの報告もあります。
PPIの長期服用が胃癌リスクを増加させるという話もあるので、やみくもにPPIを長期服用すればよいということではありませんが、セレコックスとタケプロンの併用も消化管に悪いことばかりではないようだ。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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