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アルダクトンAがニキビに効く?
公開. 更新. 投稿者:皮膚感染症/水虫/ヘルペス.この記事は約6分25秒で読めます.
4,423 ビュー. カテゴリ:ニキビにアルダクトンA
ニキビにアルダクトンAって効果あるの?
難治性の女性のにきびに対して、降圧利尿薬のスピロノラクトン(アルダクトンA、カリウム保持性利尿薬)が適応外で使用されるケースがある。
この方法は、女性で有効性が高い。
女性では、血中テストステロン値およびアンドロゲン受容体発現数が男性の数十分の1と少ないためである。
エストロゲン作用により女性化乳房、乳房痛などが見られるため、若年男性には使用されない。
副作用として、頭痛、めまい、高カリウム血症、低血圧、月経不順などが報告されている。月経不順を来す頻度が高い。
スピロノラクトンは、アンドロゲン受容体を競合阻害することにより、男性ホルモンの働きを抑えるため、にきびを改善し、新たなにきびの出現を抑制すると考えられている。
ほとんどが皮膚科から女性患者への処方なので見抜きやすいが、まれに男性に処方されることもある。
単独処方のほか、抗菌薬の内服薬や外用薬が併用されている場合もある。
スピロノラクトンと同じ目的で、経口避妊薬が適応外処方されることもある。
ニキビに対するアルダクトンの用法用量
利尿薬のアルダクトンA(スピロノラクトン)は、エストロゲン様作用および抗アンドロゲン作用があり、尋常性ざ瘡の治療にも用いられる。ざ瘡の治療には、50~300mg/日で効果を示したとする海外の報告があるが、日本では以下のような投与方法がよく知られている。
初回投与量を200mg/日(分2、朝夕食後)とし、2週間後に不正性器出血などの副作用の有無を確認する。多くの場合、服用開始2週間後には皮脂分泌が著名に減り、4週間以降は新生ざ瘡が減少または消失する。4週間程度、新生ざ瘡が生じなければ、200→150→100→50mg/日と、1か月ごとに投与量を漸減する。投与対象となるのは主に、難治性、重症、広範囲のざ瘡を有する成人女性患者である。
スピロノラクトンの利尿効果はループ利尿薬に比較してマイルドであり、200mg/日の服用では強い利尿効果は見られないとされているが、念のため服薬指導時には注意しなければならない。
なお、スピロノラクトンはざ瘡の新生を抑制するものの、既存のざ瘡への治療効果はなく、アダパレン(ディフェリン)などにより既存のざ瘡への治療を並行して行う。
ただし、日本皮膚科学会「尋常性ざ瘡治療ガイドライイン」では、スピロノラクトンの内服は推奨されていない。
理由としては、尋常性ざ瘡の治療にスピロノラクトンを用いた139例の症例集積報告において、男性の全例が脱落し、女性でも月経異常などが多くみられ、約半数が最終的に脱落していたこと、および保険適応外使用であることなどが示されている。
また、男性の女性化乳房は特に若年者で多く、「主として女性例での投与を考慮する」と記載されている。
低用量ピルとニキビ
低用量ピルの中には、男性ホルモン様の作用が少ないものがあり、この種類のピルを使うと、男性ホルモン作用性のニキビはきれいになります。
低用量ピルでよくなるニキビの種類は、男性のヒゲが生える部分に集中しているタイプのもので、「生理の前に悪化する」のが特徴です。
女性が排卵後につくる黄体ホルモンの男性ホルモン様の作用により、皮脂の分泌が急激に増え、おこるニキビなのです。
男性が低用量ピルを飲んでニキビが出来なくなるかどうかはよくわかりません。
出来なくなるかもしれないけど、胸が大きくなるかも。
副作用の面を考えると、止めておいたほうがいいでしょう。
ホルモン剤がニキビに効く?
思春期好発症の尋常性ざ瘡では血清アンドロゲン値が高値であったり、アンドロゲンに対しての感受性が高まっている可能性が指摘されています。
ジオール(プレグナンジオール)は、アンドロゲン受容体の抑制を目的に投与されます。
ジオールは皮脂分泌量の抑制作用を有することが認められている黄体ホルモン代謝産物です。
ニキビと男性ホルモン
にきびができる過程には、男性ホルモンが大きく影響している。
尋常性ざ瘡の原因としては、主に男性ホルモン(テストステロン)の皮脂腺での機能亢進が考えられています。にきびは、皮脂を分泌する皮脂腺の働きが活発な場所にできます。
あごやえらの周りなど、男の人ではひげが生える場所の皮脂腺は、男性ホルモンの影響を受けやすいことがわかっています。
新生児期や思春期には男性ホルモンの分泌量が増え、皮脂腺の感受性の閾値が低下すると考えられています。
思春期などに男性ホルモン(アンドロゲン)の分泌が亢進すると、皮脂産生が高まる。
その結果、毛穴の構成器官で皮脂腺につながる毛包漏斗部でインターロイキン1αが誘導され、角化細胞の増殖・過角化がもたらされる。
それにより毛包管の壁が厚くなり、内腔が狭くなるため、皮脂が毛包内に貯留し、微小面皰を形成する。
これが大きくなると面皰となり、肉眼的に観察できるようになる。
毛包管内に皮脂が貯留した面皰は、脂質を栄養源にするアクネ菌が生息する格好の場となる。
アンドロゲンのうち、特にジヒドロテストステロン(DHT)は、ケラチノサイトはを増やし、トリグリセリドの産生を促進する。過剰なケラチノサイトは毛包が閉塞する原因となる。また、トリグリセリドはざ瘡起炎菌のアクネ菌により脂肪酸に代謝され、それらが、毛包壁を刺激して炎症性丘疹が形成される。
男性ホルモンは女性の場合、卵巣などから分泌されますが、ピルを毎日飲むことで、排卵を抑えるだけでなく、男性ホルモンの働きも抑えることができます。
アクネ菌はリパーゼを産生し、皮脂中の中性脂肪を加水分解して遊離脂肪酸を作り、これが毛包漏斗部の角化を進める。
さらに、アクネ菌が産生する好中球走化因子、好中球に由来する活性酸素、紫外線などのために炎症が起こり、紅色丘疹や膿疱となる。
炎症が増強すると硬結や嚢腫となり、治癒後には毛包周囲の線維化により瘢痕が残る。
精神的ストレスがあると、副腎から男性ホルモンが多く分泌される原因となり、にきび症状の反復、増悪といった悪循環に至ると考えられている。
思春期のみならず、25歳以上でも、にきびに悩まされている女性は多い。
ニキビの原因はダニ?
ニキビダニと呼ばれるニキビの原因と言われるダニがいます。
寄生率は100%という報告もあるので、ほとんど全ての人の皮膚に寄生しています。
ニキビの内部から多数検出されることから、原因ではないかという疑いを持たれることもありますが、健康な皮膚からも普通に検出されるので、通常は肌にトラブルを起こすことはないと考えられています。
逆にニキビダニはニキビの原因である皮脂を食べる性質があり、ニキビが出来にくい肌環境に導いているという考えもあります。
ニキビダニ
ニキビの原因としてはアクネ菌が有名ですが、ニキビダニというものもある。
にきびの内部から多数検出されることがあるが、必ずしもにきびに寄生するわけではなく、健康な皮膚から普通に検出される。著しい多数個体のニキビダニがにきびに寄生していた場合、そうした寄生密度の高さがにきびをもたらしたのか、ニキビダニ密度の上昇に先行する、にきびを引き起こす何らかの病変が寄生密度の高さをもたらしたのかを検証することは困難である。なお、生まれたばかりの新生児には寄生していないが、親が抱いたり頬ずりしたときに感染する。このとき感染に与るのは、毛穴の外に出て周囲を徘徊する行動を示す第2若虫のステージのものと考えられている。こうしてニキビダニは幼児から高齢者まで広くその寄生が見られるが、コニキビダニの場合、幼児から若者にかけての若年者ではあまり寄生が見られないという報告もある。
ニキビダニ – Wikipedia
皮膚に細菌が住んでいるというのは、まだ許せるけど、ダニが住んでいるというのはちょっと抵抗を感じる。
ダニが原因だと、抗生物質は効かないだろう。
副腎皮質ステロイド剤を顔面に外用したり免疫不全を生じる疾患に罹ると、著しいニキビダニの過剰増殖が起こり、皮疹を形成するに至ることがあると言われている。
顔にステロイドを使うのは極力避ける。
にきびの治療
治療は、非炎症性皮疹である面皰と、紅色丘疹などの炎症性皮疹とで異なる。
前者には、第1選択薬としてアダパレンが用いられる。
これより効果は弱いがイオウ・カンフルローションも使用される。
後者には、軽症ならアダパレンと外用抗菌薬を併用、中等症・重症ならアダパレンと内服抗菌薬が併用される。
外用抗菌薬の第1選択薬としては、フルオロキノロン系合成抗菌薬のナジフロキサシンのローションとクリーム、クリンダマイシンリン酸塩が推奨されている。
内服抗菌薬の第1選択薬としては、テトラサイクリン系抗菌薬のミノサイクリン塩酸塩、ドキシサイクリン塩酸塩、マクロライド系抗菌薬のロキシスロマイシンが用いられる。
これらの抗菌薬は、他の抗菌薬と比較して好中球由来活性酸素を有意に抑制する作用がある。
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