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フィアスプとノボラピッドの違いは?ルムジェブとヒューマログの違いは?
公開. 更新. 投稿者:糖尿病.この記事は約3分33秒で読めます.
11,303 ビュー. カテゴリ:インスリンアスパルト
2020年6月現在、超速効型インスリン製剤として、ノボラピッド(インスリンアスパルト)、ヒューマログ(インスリンリスプロ)、ルムジェブ(インスリンリスプロ)、アピドラ(インスリングルリジン)と、フィアスプ(インスリンアスパルト)がある。
フィアスプはノボラピッドと同じインスリンアスパルトである。
フィアスプの添付文書に以下のように記載されている。
本剤は、ノボラピッド注より作用発現が速いため、食事開始時(食事開始前の2分以内)に投与すること。また、食事開始後の投与の場合は、食事開始から20分以内に投与すること。
ノボラピッドより早く効く。
フィアスプは添加剤にニコチン酸アミドを配合することで、血糖降下作用がより速く発現するように設計されている。
ニコチン酸アミドはインスリンアスパルトのモノマーへの解離を促し、また投与部位において局所的かつ一過性に血液灌流量を増加させる。これにより、インスリンアスパルトが血中に速やかに吸収されるようになる。
フィアスプの用法は、
通常、成人では、初期は1回2~20単位を毎食事開始時に皮下投与するが、必要な場合は食事開始後の投与とすることもできる。
ノボラピッドの用法は、「毎食直前」なので、ノボラピッドよりも食事に近い用法になっている。食事と同時に打つようなイメージ。外食するときには使いづらいかもしれない。
従来の超速効型インスリン製剤(ノボラピッド、ヒューマログ、アピドラ)では吸収速度が追いつかず、食後血糖をしっかり抑えるためには食事の10~15分前に注射することが必要な場面も見られたため、より速効性の高いフィアスプが期待されるという。
しかし速効性、急激に血糖値を下げるということは、低血糖のリスクも高まるので注意したい。
食事開始時
ノボラピッドの用法が「食直前」なのに対し、フィアスプは「食事開始時」というさらに食事に近接した時間帯の使用指示である。
食直前でもフィアスプの場合、低血糖を起こしてしまうかも知れない。
具体的には「食事開始前の2分以内」とのこと。
打ち忘れたときは他の食前使用の糖尿病用薬と同様、食後でもいいので使用するが、実際にはタイミングが遅いと食後血糖の急激な上昇を十分に抑制できない。
しかし、食事開始から20分以内であれば食後血糖値をある程度下げる効果は期待できるとされている。
食直前にインスリンを打ち忘れるような患者の場合、ノボラピッドよりも効果の早いフィアスプのほうが、血糖をすぐに下げられる可能性が高いので、まだマシということにはなる。
ルムジェブとヒューマログの違いは?
フィアスプとノボラピッドと同じような関係の薬に、ルムジェブとヒューマログがある。
フィアスプがニコチン酸アミドを配合することで、血糖降下作用がより速く発現するように設計されているが、ルムジェブは添加剤として配合されているトレプロスチニルとクエン酸がその役割を担う。
トレプロスチニルにより注射部位の局所血管が拡張し、クエン酸により血管透過性が亢進することで、皮下投与後初期のインスリン リスプロの血中への吸収が速くなり、ヒューマログよりも速く血糖降下作用を発現する。
早く効果発現するため、用法はフィアスプと同じ「食事開始時」である。
また、ルムジェブには、ヒューマログ注ミリオペンHDのように0.5単位刻みで投与単位を調節のできる、ルムジェブ注ミリオペンHDという製品もあり、患者に応じた調節ができる点では使い勝手が良い。
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