2024年11月4日更新.2,470記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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食前に飲んじゃいけない糖尿病用薬

食直前服用の糖尿病薬

ベイスンやセイブルなどのαグルコシダーゼ阻害薬、シュアポストやグルファストなどの速効型インスリン分泌促進薬の用法は、「1日3回毎食直前」である。
またアルドース還元酵素阻害薬であるキネダックの用法は「1日3回毎食前」である。

糖尿病の患者さんで、これらの薬を飲んでいる患者さんでは、食直前という用法にまとめてしまったほうがコンプライアンスは良い。

一包化する際にも同じ用法のほうが都合がいい。

多くの糖尿病薬では添付文書上「食前又は食後」あるいは、「1日2回朝夕」など食後の記載のない用法のものもあるが、中には「食後」と服用時点が記載されている厄介な糖尿病薬もあります。

薬効分類医薬品名用法
DPP4阻害薬ネシーナ1日1回
グラクティブ1日1回
ジャヌビア1日1回
エクア1日2回朝、夕
トラゼンタ1日1回
チアゾリジン系薬アクトス1日1回朝食前又は朝食後
SU剤アマリール1日1~2回朝または朝夕、食前または食後
オイグルコン1回投与の場合は朝食前又は後、2回投与の場合は朝夕それぞれ食前又は後
ダオニール1回投与の場合は朝食前又は後、2回投与の場合は朝夕それぞれ食前又は後
グリミクロン1日1~2回(朝又は朝夕)食前又は食後
ビグアナイド系薬メトグルコ1日2~3回に分割して食直前又は食後
ジベトス1日2~3回食後

メタクト。
そして、グリコラン、メデットといった旧メルビンGEたち。

ジベトスの用法は、1日2~3回食後である。
ジベトスなんて処方も見たことない、レアな薬ですが。

患者希望により食直前の用法でまとめられることもあるので、添付文書上の用法と異なる場合には疑義照会が必要になるので要注意である。

メタクトは食後服用?

メタクトの用法は、

通常、成人には1日1回1錠(ピオグリタゾン/メトホルミン塩酸塩として15mg/500mg又は30mg/500mg)を朝食後に経口投与する。

朝食後、となっている。

しかし、インタビューフォームでは、

健康成人男女28 例に配合錠(ピオグリタゾン/メトホルミン塩酸塩として15mg/850mg)を非盲検クロスオーバー法で空腹時又は高脂肪食後に単回経口投与したところ、高脂肪食後投与時においてメトホルミン未変化体のCmaxが約28 %低下しましたが、メトホルミン未変化体のAUC とピオグリタゾン未変化体のAUC 及びCmaxに差はみられませんでした。

となっており、食前投与、食後投与で効果には差がないことが確認されています。

糖尿病薬では、ベイスンなどのαグルコシダーゼ阻害薬、ファスティックなどの速効型インスリン分泌促進薬があり、その用法が食直前のため、食前服用のできる糖尿病薬のほうがまとめて服用でき、コンプライアンス的にも都合がよい。

DPP-4阻害薬や、アマリール、メトグルコ、アクトスなどの用法は、食前投与もできる。
配合剤もリオベルは食前投与が可能。

その点ではメタクトの朝食後縛りは使いづらい。

メタクトは1日1回で効く?

武田から、2型糖尿病治療剤「メタクト配合錠」(一般名:ピオグリタゾン塩酸塩/メトホルミン塩酸塩)が発売されました。

アクトスとメルビンの合剤です。

アクトス15mg+メルビン500mgのLDと、アクトス30mg+メルビン500mgのHDの2種類があります。

アメリカで販売されているアクトプラスメットは、アクトス15mg+メルビン500mgとアクトス15mg+メルビン850mgの2種類があります。

日本ではアクトスの用量が違いますが、アメリカではメルビンの用量が違うのですね。

しかも、1日1~3回という用法。

日本ではメルビンの高用量が発売されたばかりなので、メルビンの投与量をそこまで増やせないという事情があります。

でも、メルビンの用法は、

通常、成人にはメトホルミン塩酸塩として1日量500mgより開始し、1日2~3回食後に分割経口投与する。維持量は効果を観察しながら決めるが、1日最高投与量は750mgとする。

となっているので、1日3回750mgで服用している人が多いかと思いますが、それを1日1回500mgに変更することに問題はないのでしょうか。

薬剤師

勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。

先生

そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。

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