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アリセプトで周辺症状悪化?
公開. 更新. 投稿者:認知症.この記事は約3分43秒で読めます.
4,196 ビュー. カテゴリ:アリセプトで興奮?
アリセプト(ドネペジル)で中核症状が改善しても、周辺症状が悪化することがあるという。
アリセプトの直接の作用によって起こる興奮だけでなく、意欲低下やうつ状態、アパシー(無気力・無関心)などの症状が治療によって改善した結果、周囲の反発を誘発し、それに対する反応としての興奮があり得る。
しかし、薬剤の直接作用による興奮と周囲に対する反応としての興奮とを区別することは、家族や介護者の言動から多少の推測はできても、実際のところ難しい。
ただ、ドネペジルはアルツハイマー型認知症治療薬の中でも、抑うつや感情鈍磨、無関心といったいわゆる陰性症状に対する効果が他剤よりも期待できる薬剤である。
興奮や攻撃性を抑える方向に作用しやすい薬剤よりも、結果的に興奮に至る頻度は高いかもしれない。
現在用いられている4つのアルツハイマー型認知症治療薬のいずれでも興奮が起こり得る。
中核症状治療薬であるアリセプト、レミニール、イクセロンパッチ、リバスタッチパッチは、興奮系の薬剤です。
周辺症状で陽性症状が出ている患者には、中核症状の進行を遅らせることばかり考えてはいけません。
中核症状を治せば周辺症状は消えるだろうと考えがちですが、そんな簡単なものではないのです。
陽性症状が出ている患者の家族や介護者は、興奮系の中核症状治療薬を処方されるとよけい介護が困難になります。
しかし、病気の進行を止めることが真の医療だと思っている医師は、中核症状が改善されないと医学の敗北だと考え、さじを投げてしまいかねない。
認知症の治療では、中核症状治療薬を高用量で処方して、知能検査の数値を上げることだけを目的にしてはいけない。
周辺症状を抑えて患者が穏やかになり、介護者が楽になることも治療の大切な目的です。
認知症の治療目的を考えた場合、家族や介護者の負担を軽くするということも大切な視点である。
アリセプトとメマリーの使い分け
コリン作用を増強させるコリンエステラーゼ阻害薬は、「患者を活発化させる薬」だ。
一方、NMDA受容体の過活動を抑えるメマンチンは「感情を安定化させる薬」に分類される。
おとなしいタイプの認知症にはコリンエステラーゼ阻害薬、易怒性など活発な症状を示す認知症にはメマンチンといった使い分けが行われる。
アリセプトとよだれ
アリセプトでよだれが出るの話。
アリセプトの副作用に「流涎」というのがある。
抗コリン薬の副作用として有名な口渇。
アリセプトはコリンエステラーゼ阻害薬なので、その逆。唾が出る。唾液過剰。
高齢者では基本的に唾液分泌量が減っているから、あまりそういう副作用は出ないのかなあ、って思ってましたが。
よだれダラーっと流してたら、介護的にも大変だし、聞いてみる必要ありそう。
抗がん剤のエンドキサンでも唾液がよく出るらしい。
シクロホスファミドにはコリンエステラーゼ阻害作用があり、副交感神経を刺激するため、とのこと。
アリセプトで尿漏れ?
アリセプトの副作用に「尿失禁、頻尿」がある。
0.1%未満だから少ないような気もするけど。
アリセプトの作用機序はコリンエスエラーゼ阻害作用。
頻尿に使われる薬の抗コリン薬とは逆の作用。
ということで、頻尿を誘発することは想像に難くない。
蓄尿障害を起こす薬
アルツハイマー型認知症治療薬(アリセプト):アセチルコリンエステラーゼ阻害作用
前立腺肥大症治療薬(ハルナール、フリバス、ユリーフ、エブランチル、バソメット、ミニプレス):α1受容体遮断作用
降圧薬(カルデナリン、ミニプレス):α1受容体遮断作用
狭心症治療薬(亜硝酸アミル):NOの基質
抗悪性腫瘍薬(アドリアシン、テラルビシン、マイトマイシン):化学的膀胱炎誘発作用
抗アレルギー薬(ザジテン、リザベン):炎症誘発作用
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