ヒルドイドを傷に使っちゃダメ？

ヒルドイドはヘパリンに類似した物質？

医療用の保湿剤としてよく処方されているヒルドイドソフト軟膏。

成分はヘパリン類似物質。

その名の通り、ヘパリンに類似した物質だ。

ヒルドイドのインタビューフォームに、

ヘパリン類似物質は、ドイツのルイトポルド・ウエルク製薬会社で創製されたムコ多糖の多硫酸 化エステルで、 D-グルクロン酸と N-アセチル-D-ガラクトサミンからなる二糖を反復単位とする多糖 体を SO3-で多硫酸化したものである。その構造中に硫酸基、カルボキシル基、水酸基などの多くの親 水基を持ち、高い保湿能を有する。

とある。

ヘパリンよりも分子量を小さくして、皮膚に浸透しやすくしたという話。

ヘパリンはご存知のとおり、抗凝固薬。
ヘパリン類似物質にも同じような作用があり、血液を固まりにくくする。

血液を固まりにくくすることにより、血行促進。
なので、ヒルドイドの適応症にも「凍瘡、肥厚性瘢痕・ケロイドの治療と予防、血行障害に基づく疼痛」などがあり、しもやけ、やけど、などにも使われます。

傷あとに「アットノン」などCMされているので、傷口に使っていいんだ、と思ったり、痒くてかきむしりすぎて出血しているような患部にヒルドイドソフトを塗ったりするのはＮＧと言われる。

こんな時にアットノン｜傷あと改善薬アットノン｜小林製薬

傷が治っている途中段階ですので、ご使用頂けません。アットノンにある血行促進作用が、患部の出血が止まるのを邪魔してしまうなど、傷自体が治る事に支障をきたす可能性があります。

傷口ではなく、傷あとに使いましょう。

ヒルドイドソフトはＯＴＣで買える？

世間をにぎわせているヒルドイドソフト軟膏の美容目的使用ですが、なんらかの処方制限がされたとして、市販で買うことはできるのでしょうか？

有名なのは「アットノン」ですね。
やけどに使うイメージですが、適応症は

手指の荒れ、ひじ・ひざ・かかと・くるぶしの角化症、手足のひび・あかぎれ、乾皮症、小児の乾燥性皮ふ、しもやけ（ただれを除く）、きず・やけどのあとの皮ふのしこり・つっぱり（顔面を除く）、打身・ねんざ後のはれ・筋肉痛・関節痛

と幅広いです。
アットノンの希望小売価格は15gで1,300円。
ヘパリンの頭文字をとってＨＰクリームという名称で販売しているものが多いようですが、ノバルティスのＨＰクリームの希望小売価格は60ｇで2267円。

2017年現在、ヒルドイドソフト軟膏0.3%の薬価は23.7円/ｇなので、１５ｇだと355.5円、６０ｇだと1422円。
アットノンよりもＨＰクリームのほうが割安。

アットノンで傷あとが治る？

「アットノン」は、目立って気になる傷あと・やけどのあとを目立たなくする傷あと改善外用薬です。有効成分である「ヘパリン類似物質」には、水分保持作用、抗炎症作用、血行促進作用があります。「アットノン」は主に血行促進作用によって、皮下組織の血流の循環を良くし、皮ふの新陳代謝を促進させることにより、傷あとの奥にある皮ふ組織の再生を促し、傷あと・やけどのあとの赤みや盛り上がりを改善していきます。商品紹介｜アットノン｜小林製薬株式会社

ヘパリン類似物質。
ヒルドイドと同じ成分ですね。
保湿目的ではなく傷あと改善外用薬。

15ｇで1000円ちょっとするような代物を、保湿目的では使えないか。

とはいえ、ヒルドイドソフトも高いけどね。
保険効くから、皮膚科医はバンバン処方する。

じゃあ、ヒルドイドがやけどに効いたりするのかな。

ヒルドイドソフトの効能効果は、
「皮脂欠乏症、進行性指掌角皮症、凍瘡、肥厚性瘢痕・ケロイドの治療と予防、血行障害に基づく疼痛と炎症性疾患(注射後の硬結並びに疼痛)、血栓性静脈炎(痔核を含む)、外傷(打撲、捻挫、挫傷)後の腫脹・血腫・腱鞘炎・筋肉痛・関節炎、筋性斜頸(乳児期) 」

「肥厚性瘢痕・ケロイドの治療と予防」がありますね。

リザベンとヒルドイドソフトの処方というのがよくあります。