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プラビックスとPPIの併用はダメ?
公開. 更新. 投稿者:相互作用/薬物動態.この記事は約4分1秒で読めます.
9,069 ビュー. カテゴリ:プラビックスとネキシウム
CYP2C19で代謝を受けるPPIとの併用による、クロピドグレルの効果減弱の可能性が報告されている。
これはPPIがCYP2C19で代謝され、活性代謝物になるプロドラッグであることが関係しており、両薬剤のCYP2C19の競合阻害が生じることで、クロピドグレルの活性代謝物の生成が低下し、血小板凝集抑制効果に影響を与える懸念がある。
しかし、ネキシウムとクロピドグレル併用に関して現在のところ添付文書上の記載はない。
COGENT試験(わが国で実施された無作為化二重盲検試験)においても、PPIとクロピドグレルの併用は、臨床的には心血管イベントのリスクに影響を与えるほどではないとする報告もある。
さらに、ネキシウムはCYP2C19の寄与率が低く、クロピドグレルに与える影響は、他のPPIよりも低く可能性が示唆されるが、今後さらなるエビデンスの収集が待たれる。
参考書籍:調剤と情報2012.2
プラビックスとPPI
クロピドグレルと低用量アスピリンの併用による消化管出血リスクを抑えるために、PPIやH2ブロッカーが潰瘍予防のために併用されます。
クロピドグレルはCYP2C19で活性体になるプロドラッグであることから、CYP2C19に影響を与えるPPIとの相互作用が問題になります。
オメプラゾールとランソプラゾールに関しては、
その主たる代謝酵素はCYP2C19であるため、クロピドグレルと併用した場合、CYP2C19を競合的に取り合うことになります。
そうなればオメプラゾールやランソプラゾールは分解が遅くなるため、効果が増強されることが予想されます。
一方、クロピドグレルの効果は減弱する可能性があり、実際に海外では、オメプラゾールおよびランソプラゾールの併用によりクロピドグレルの抗血小板効果が減弱するという報告があります。
それを受けて米国食品医薬品局(FDA)や欧州医薬品庁(EMA)は併用を避けるように勧告し、日本でも厚生労働省が、クロピドグレルの「併用注意」欄にオメプラゾールを追記するように指示しました。
なお、CYP2C19を介した代謝を受けないとされているラベプラゾールナトリウムは理論的にはクロピドグレルの効果に影響を及ぼさない可能性が高いと考えられます。
しかし最近になって、クロピドグレルとPPIの併用は問題ないとする報告が出てきています。
2010年11月、クロピドグレルとオメプラゾールの併用は上部消化管出血を抑え、心血管系イベントに影響しないとする前向きランダム化比較試験の結果が報告され、併用はむしろ積極的に行われるべきとの意見もあります。
このようなデータを参考にするときに気をつけたいのは、CYP2C19には遺伝子多型が存在するため、その代謝速度には個人差があることです。
日本人では、代謝の速いEM(extensive metabolizar)が約40%、中間のIM(intermediate metabolizar)が約40%、代謝の遅いPM(poor metabolizar)が約20%となっており、欧米人ではEMが約70%であるのに比べると、遺伝的なCYP2C19活性低下症例の頻度が多いことも考慮する必要があると考えます。
欧米ではクロピドグレルとPPIの併用が心血管リスクを高めるとして問題になっていますが、一方、前述のとおりクロピドグレルとPPIの併用は問題ないとする報告も出されており、現時点では、クロピドグレルとPPIの併用の是非については、まだ一定の見解がありません。
「非」と考える場合は、クロピドグレルの添付文書でオメプラゾールは併用注意と記載されているため、疑義照会で、ラベプラゾールナトリウムへの変更を提案することが勧められます。
胃腸障害が起きた場合は、消化管出血リスクを抑え、心血管イベントを予防することが最も大切です。
日本人でのエビデンスが出るまでは、心血管系イベントのリスクを考慮し、高齢者などの症例によってはH2RAの使用も含めて検討する必要があると考えます。
参考書籍:調剤と情報2011.7
プラビックスで後天性血友病?
血友病といえば薬害エイズを思い浮かべますが。
ちょっと前にプラビックスの添付文書改訂がありまして、後天性血友病というものが載っていました。
後天性血友病(活性化部分トロンボプラスチン時間(aPTT)の延長、第VIII因子活性低下等)があらわれることがある。aPTTの延長等が認められた場合には、出血の有無にかかわらず、後天性血友病の可能性を考慮し、専門医と連携するなど適切な処置を行うこと。
血友病ってのは先天性疾患ではなかったのかな。
先天性血友病は血液凝固第VIII因子(血友病A)または第IX因子(血友病B)欠乏症のことで1万人に1人の男子に発症する遺伝疾患で、生まれた時からこれらの凝固因子活性が低下しています。
一方、後天性血友病は、主に血液凝固第VIII因子に対する自己抗体(インヒビター)により、後天的に凝固因子活性が低下する疾患です。
後天性血友病は、「後天性インヒビター」とも呼ばれ、今まで全く出血症状を呈したことがない人に突然発症する重篤な出血性疾患です。
「後天性血友病」というワードで副作用検索しても、プラビックスとコンプラビンしか出てこなかった。
薬剤性の後天性血友病では、プラビックスしかまだ無いのかなあ。
ほかの抗血栓薬でも起こりそうな気はしますが。
とにかく、プラビックスで軽いアザなどはよくありそうですが、ひどいものについては後天性血友病の可能性も考えた方がいいのかな。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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