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朝の血糖値が高い原因は?
公開. 更新. 投稿者:糖尿病.この記事は約2分6秒で読めます.
2,223 ビュー. カテゴリ:早朝空腹時の血糖値が高い理由は?
寝る前の血糖値が低いのに、早朝空腹時の血糖値が高い。
患者さんがこのように言われる場合、2つの原因が考えられます。
暁現象とソモジー効果
1つは暁現象で、夜間の血糖値は正常でも、早朝にコルチゾール、成長ホルモンなどの分泌亢進で高血糖が起こるというものです。
もう1つはソモジー効果で、夜間の低血糖により、そのリバウンドとしてインスリン拮抗ホルモンが分泌され高血糖が起こります。
どちらの原因で早朝高血糖になるかは、午前3時ごろに血糖測定をして、その値が高いか低いかで判断します。
ソモジー効果の場合は夕食時または就寝前の責任インスリンの検討が必要です。
測定結果を診察時に見せるように勧めましょう。
参考書籍:調剤と情報2009.11
早朝高血糖の原因は?
インスリン治療中の糖尿病患者における早朝高血糖の原因として、①インスリンの不足、②暁現象、③ソモジー効果、が考えられる。
①は最もシンプルな原因で、就寝前のインスリンの注射量が不足していると、早朝までインスリンの作用が持続せず、高血糖を来してしまう。
②の暁現象とは、早朝に生じる高血糖状態のことを指す。
その原因はまだ完全には解明されていないが、明け方から早朝にかけて分泌が亢進するインスリン拮抗ホルモン(成長ホルモンやコルチゾールなど)の作用で血糖値が上昇しインスリン需要が増大するが、その時にインスリンの供給が不十分だと、増大する需要に対応しきれず、高血糖に至ると考えられている。
③のソモジー効果とは、就寝前のインスリンの単位数が過剰であるため低血糖を来し、この低血糖に対して反応性にインスリン拮抗ホルモンの分泌が亢進し、早朝にかけて高血糖となる現象をいう。
つまり、就寝前のインスリン過剰投与に対する反跳現象である。
就寝前のインスリンが過剰でも不足しても、早朝高血糖を来す恐れがあるというわけだ。
これら早朝高血糖の原因を判別するためには、夜間血糖の測定が重要となる。
夜間血糖は主に午後11時、午前2時、午前7時に測定するが、判別に際して特に重要なのは午前2時の血糖値である。
午前2時の血糖値が高い場合は、その時点で既にインスリンの作用が低下している、つまりインスリンの不足とみてよい。
この場合は、就寝前のインスリンの投与量を増やす。
一方、午前2時の血糖値が低い場合は、就寝前のインスリンの投与量が多過ぎて血糖が低下している、つまりソモジー効果を考え、インスリンの投与量を減らすか捕食を検討する。
これに対して午前2時の血糖値が正常であれば、早朝の高血糖は暁現象によるものである可能性が高い。
暁現象であればインスリンを増やすのではなく、血中濃度のピークがほとんどなく作用持続時間もより長い持効型インスリンに切り替えて、血糖コントロールを試みる必要がある。
参考書籍:日経DI2014.2
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