2024年11月20日更新.2,474記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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緊コAと緊コBの違い

在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料1と2の違い

今まで在宅がらみの点数を算定したことはありませんでしたが、新型コロナ陽性患者の自宅に配達するということで、算定することになった点数「在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料」について勉強したいと思う。

まず、以下の通知を確認すると、

新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて(その 63)

問 16 自宅・宿泊療養を行っている者に対して発行された処方箋を受け付けた保険薬局の薬剤師が、保険医の求めにより、緊急に薬剤を配送し、当該患者に対して必要な薬学的管理指導を実施した場合、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料の算定について、どのように考えればよいか。

(答)保険薬局において、自宅・宿泊療養を行っている者に対して発行された処方箋(備考欄に「CoV 自宅」又は「CoV 宿泊」と記載されているものに限る。)に基づき、調剤を実施する場合において、処方箋を発行した医師の指示により、当該保険薬局の薬剤師が当該患者に緊急に薬剤を配送した上で、当該患者の療養している場所において、当該患者に対して対面による服薬指導その他の必要な薬学的管理指導を実施した場合には、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料1(500 点)を算定できる。
また、上記の患者に緊急に薬剤を配送した場合であって、対面による服薬指導を実施する代わりに、当該患者に対して、緊急に電話や情報通信機器(以下「電話等」という。)を用いた服薬指導を実施した場合又は当該患者の家族等に対して、緊急に対面若しくは電話等による服薬指導を実施した場合には、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料2(200 点)を算定できる。
なお、この場合、薬剤服用歴管理指導料及びかかりつけ薬剤師指導料等は併算定できない。

処方箋の備考欄に、「CoV 自宅」又は「CoV 宿泊」と記載されているものを受け取った場合、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料が算定可能となる。

新型コロナの陽性患者について、電話診療を行った医療機関が処方箋を発行し、薬局にFAX処方箋を送る。
それに基づき、薬局は患者宅に配送するという流れ。

しかし、正直このQ&Aだけを見ても、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料1で算定してもいいのか?2で算定すればいいのかがわからなかった。

「対面による服薬指導」というものと、「電話等による服薬指導」というものの違いが明確にわからなかったから。
おそらくコロナ陽性者の自宅に薬を届けたとしても、直接対面で薬を渡すということは避けるようにするだろう。そのため、ちょっと離れた場所から電話で服薬指導を行うはずだ。
じゃあ、そのような服薬指導と、直接の声が届く場所での服薬指導の違いってなんだ?2000円と5000円の違いだぞ?というわけで、そもそもの「在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料」がどういうものなのか調べる。

以前のQ&Aでは、以下のようなものもあった。

問 19 当該患者に在宅患者訪問薬剤管理指導料、居宅療養管理指導費又は介護予防居宅療養管理指導費を算定していない保険薬局は、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料2を算定できるか。

(答)算定できない。なお、在宅基幹薬局に代わって在宅協力薬局が実施した場合には、在宅基幹薬が在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料2を算定できる。

普段在宅の点数を算定していない患者に対しては、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料2は算定できなかった。

在宅患者というと、高齢の介護が必要な患者を想定していたが、昨今のコロナ禍においては、コロナ療養中の患者もそこに含めることとなってきたわけだ。

次回の調剤報酬改訂で詳しい説明が付け加えられる可能性がある。

在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料1在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料2
500点200点
計画的な訪問薬剤管理指導の対象疾患の急変等に関して、保険医の求めにより、緊急に患家を訪問して必要な薬学的管理指導を行い、訪問結果について当該保険医に必要な情報提供を文書で行った場合に算定する。当該患者に係る計画的な訪問薬剤管理指導の対象となっていない疾患の急変等に関して、保険医の求めにより、緊急に患家を訪問して必要な薬学的管理指導を行い、訪問結果について当該保険医に必要な情報提供を文書で行った場合に算定する。

今までの在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料1は、在宅患者訪問薬剤管理指導を行っている患者で、薬学的管理指導計画書に記載されている対象疾患に対する指導を緊急的に行った場合に算定可能なわけだ。在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料2は計画に無い疾患、風邪などで緊急訪問した際に算定可能となる。

コロナ陽性者への自宅配送は、どちらかというと在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料2のニュアンスに近い気がする。
問16では、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料1でも算定できそうな文章だったが、500点と200点の違いは大きい。
玄関先に薬を置いてきてOKな患者と、家の中に入って説明せざるを得ないような患者ではリスクが異なる。500点取ったなら取ったなりの理由の記載は必要になるだろう。
そうなると、200点で算定しておいたほうが無難という考えに至る。

ちなみに、医師に対する実施報告書などが必要なのか?と考えたが、

問 19 自宅・宿泊療養を行っている者について、保険医療機関から情報提供の求めがあった場合において、当該患者の同意を得た上で、薬剤の使用が適切に行われるよう、当該患者の服薬状況等について確認し、当該保険医療機関に必要な情報を文書により提供等した場合に、服薬情報等提供料1(30 点)を算定できるか。

(答)算定可。なお、この場合、月1回の限度を超えて算定できる。

情報提供した場合には、別に服薬情報等提供料1を算定できるようなので、算定しなければ、特に報告書を送る必要はないんじゃないかと思う。

臨時的な取り扱いなので、よくわかりませんが、間違っていたら教えてください。

薬剤師

勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。

先生

そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。

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