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血圧147/94でも健康な人?
公開. 投稿者:服薬指導/薬歴/検査.この記事は約2分25秒で読めます.
1,419 ビュー. カテゴリ:個人的には、血圧がただ高いというだけで薬を飲む必要があるのだろうか?という疑問を常に持っている。
140/90というのも統計的な数値なので、どの人にも当てはまるというものではない。
健康な人とは?
血圧やコレステロールなど学会基準や施設独自の基準が混在している人間ドックの健診項目で、日本人間ドック学会と健康保険組合連合会は4日、受診者150万人を分析し、年齢差や男女差を踏まえた「健康な人」の検査値を示した。
多くの検査項目では現行の基準値の範囲内だが、収縮期血圧は上限が147となるなど数項目で基準値を上回り、基準の緩和につながる可能性がある。
日本人間ドック学会の専門委員会は、同学会認定施設で2011年に受診した約150万人から、がんや慢性の肝臓疾患、腎臓疾患などの経験がなく、高血圧や糖尿病などの治療薬を服用していないなどの条件で選んだ約34万人を抽出した。そのうち、約1万人のデータを基に、いわゆる「健康な人」の標準的な検査値の範囲を求めた。
結果的に、同学会の基準値と近い項目もあったが、収縮期血圧は129以下、拡張期は84以下とされた数値は、収縮期147以下、拡張期94以下となった。
高脂血症の指標とされる中性脂肪は、現行基準では血液100ミリリットル中30~149ミリグラムだが、男性は39~198、女性は32~134で男女差が大きかった。悪玉のLDLコレステロールの基準値は60~119の範囲だが、男性は30~80歳で72~178、女性は45~64歳で73~183、65~80歳で84~190などと、男女とも高めだった。つなごう医療 中日メディカルサイト これが「健康な人」です 人間ドック学会検査データ
高血圧の診断基準では収縮期血圧140、拡張期血圧90以上が高血圧と診断されますが、収縮期血圧147、拡張期血圧94はそれより緩い。
高LDLコレステロール血症の診断基準は140mg/dl以上ですが、178mg/dlはそれより緩い。
高トリグリセライド血症の診断基準は150mg/dl以上ですが、198mg/dlはそれより緩い。
糖尿病の診断基準だけはヘモグロビンA1c6.5%以上なので、6.03%はそれより厳しめ。
高血圧や脂質異常症であったとしても、大きな病気を持っていなければ、「健康な人」であると。
検査値はあくまで基準値と比べるもので、多少の個人差はある。
患者さんで、「私は昔から血圧が高いけど、病気になったこともないし、なんともない」というコンプライアンスの悪い人がいますが、そういう人は薬飲まなくてもいいんじゃないかとも思う。
診断基準も緩めれば、医療費抑制につながる。
血圧が高くなければ降圧剤は飲まなくてもいい?
高血圧は自覚症状がほとんどないために、高血圧治療を中断してしまう患者も少なくない。
服薬指導の際に目標血圧値のみではなく、合併症のリスクを軽減するためにも長期にわたる継続治療の重要性(脳、心、腎保護など)についても説明する必要がある。
例えば、心不全における心室リモデリング抑制や糖尿病性腎症におけるタンパク尿軽減目的に使用されるACE阻害薬やARBは、高血圧ではないからと服用を止めてしまわぬように、使用目的を十分説明する必要がある。
さらに、定期的な家庭血圧測定の実施、自己判断で内服中止や用量変更を行わないように指導する。
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