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PPIを飲むとピロリ菌陰性になる?
公開. 投稿者:消化性潰瘍/逆流性食道炎.この記事は約2分42秒で読めます.
1,771 ビュー. カテゴリ:尿素呼気試験とPPI
ピロリ菌の検査を受けるという人が、その前にPPIを飲んでいる場合、ピロリ菌がいても陰性になる場合があるという。
タケプロンの添付文書には以下のように記載されている。
ヘリコバクター・ピロリの除菌判定上の注意 : ランソプラゾール等のプロトンポンプインヒビターやアモキシシリン水和物、クラリスロマイシン等の抗生物質及びメトロニダゾールの服用中や投与終了直後では、13C-尿素呼気試験の判定結果が偽陰性になる可能性があるため、13C-尿素呼気試験による除菌判定を行う場合には、これらの薬剤の投与終了後4週以降の時点で実施することが望ましい。
尿素呼気試験(UBT)は、13Cで標識された尿素を用いてピロリ菌のウレアーゼ活性を検出する検査法であり、簡便で、感度・特異度ともに高いため、よく用いられてる。
PPI(タケプロン、パリエット、ネキシウム、オメプラール)や一部の防御因子増強薬な(アルサルミン、ガストローム)ど、ピロリ菌の静菌作用を持つ薬剤(抗生物質)を服用している患者に感染診断を行うと、偽陰性を示すことがある。
国内外の研究では、試験方法に差異はあるものの、6.3~61%と高い偽陰性化率が報告されている。
この要因として、PPI自体が弱いながら抗菌作用を持つことや、胃内pHを上昇させてピロリ菌のウレアーゼ活性を低下させることなどが考えられる。
そのため、ガイドラインでは、ピロリ菌の静菌作用を持つ薬剤を服用中の患者に感染診断を行う際は、どの検査法においても、それらの薬剤を少なくとも2週間は中止するよう推奨している。
なお、H2受容体拮抗薬にピロリ菌の抗菌作用は認められないことが報告されている。
ただし、一部の症例ではUBTで偽陰性を呈する可能性があり、その原因は胃内pHの上昇であると推察されている。
除菌の成否
ピロリ菌の感染が確認された場合には、1次除菌法として、PPI+アモキシシリン(AMPC)+クラリスロマイシン(CAM)を1週間投与する3剤併用療法が第一選択とされている。
治療終了から4週間以上間隔を空けた後、再度感染診断を行い、除菌の成否を判定する。
除菌不成功の最大の要因はCAM耐性菌であることから、2次除菌法としてはCAMをメトロニダゾール(MNZ)に変えたレジメンが推奨されている。
参考書籍:日経DI2013.6
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