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RSウイルスの検査はしない?
公開. 投稿者:風邪/インフルエンザ.この記事は約2分20秒で読めます.
1,641 ビュー. カテゴリ:RSウイルスの迅速診断キットは使えない?
コロナ禍でインフルエンザウイルスは流行しなくなりましたが、RSウイルスは最近流行っているらしい。
RSウイルス感染症は冬に流行する感染症で、主に乳幼児に感染し、肺炎・気管支炎・細気管支炎などの症状を呈します。
RSウイルスは、インフルエンザと同じように迅速診断できる検査キットがあるので、これを使えば簡単に検査できます。
しかし、現場ではあまり使わないことが多いようです。
以前、RSウイルス抗原検査は入院患者のみに限定されていましたが、2011年10月17日の厚生労働省保健局医療課長通知(保医発1017第1号)により、保険適用の対象患者として、入院患者以外に、乳児およびパリビズマブ製剤の適用患者が追加されました。
RSウイルス抗原は、下記のいずれかに該当する患者について、当該ウイルス感染症が疑われる場合に適用する。
ア 入院中の患者
イ 乳児(1歳未満)
ウ パリビズマブ製剤の適用となる患者
ほとんどの患者さんで使えませんね。
全額自己負担だと、1回の検査で数千円かかってしまいます。
通常、乳幼児の医療費は無料なので、負担金を求められると躊躇するお母さんも多いでしょう。
たとえ検査でRSウイルスが原因とわかっても、インフルエンザのように特効薬があるわけでもないので、治療方針は変わりません。結局、対症療法しかないのです。
RSウイルスの予防接種
アメリカの統計によれば、冬季のRSウイルス感染の死亡者数は、インフルエンザの4分の1とされています。
ただ、1歳までの乳児では、その比率は逆転し、RSウイルスによる死亡の方が多いとのこと。
その多くは肺炎による呼吸不全です。怖いですね、RSウイルス。
早産の赤ちゃんや肺疾患、心臓疾患の子供はRSウイルス感染のリスクが高いので、予防接種が行われることがあります。
この予防接種は「ワクチン」ではなく、「抗体」です。
ワクチンは毒性を弱めた病原体で、抗体はその病原体をやっつける物質です。
ワクチンを打てば免疫ができますが、抗体を打っても免疫はできないため、何回も打たなければなりません。
インフルエンザも流行する寒い冬に毎月予防接種するために病院に行くのは風邪をもらうリスクもあるし、面倒です。
しかも筋肉注射なので痛い。
普通の健康な乳幼児には必要ないでしょう。
RSウイルス感染症
最近RSウイルスという名前をよく耳にします。
小児の風邪の原因ウイルスですが、乳幼児だと細気管支炎などで重篤な症状になることもあります。
最近よく耳にしますが、最近増えてきたということではありません。
昔からありました。
2005年に迅速診断キットが発売されたため、診断が容易になったことも原因のひとつでしょう。
細気管支炎の原因
細気管支炎の50%以上はRSウイルスにより起こります。
水分補給
脱水気味になると、喀痰(かくたん)が粘って吐き出すのが困難になるので、水分の補給に努めます。
2歳までに感染
毎年、冬季に流行し、乳児の半数以上が1歳までに、ほぼ100%が2歳までに感染し、その後も一生、再感染を繰り返します。
大人が感染しても鼻風邪程度なので、危険性は少ない。
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