2019年11月20日更新.3,359記事.6,226,545文字.

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重症筋無力症患者が増えている?

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重症筋無力症の患者数

重症筋無力症の患者がこの10年で2倍に増えているという。

2006年の全国疫学調査で患者数は15,100人、人口10万人あたりの有病率は11.8人となりましたが、2018年の全国疫学調査では患者数は29,210人、人口10万人あたりの有病率は23.1人という結果が出ました。
ここ10年で、患者数は約2倍に増えていることになります。

原因はわかりませんが、禁忌の項目に重症筋無力症と記載されている薬は多い。が、「重症筋無力症?稀な疾患でしょ?」と普段はあまり来局されることを想定していない。

重症筋無力症は神経筋接合部の興奮伝達障害が主病変であるため、神経筋接合部の興奮伝達を阻害する薬剤を重症筋無力症の患者に投与すると、呼吸麻痺などの筋麻痺が起こり得ることが考えられる。

神経筋接合部に作用する薬剤は数多くあり、重症筋無力症患者に注意すべき薬剤が多い。

薬効分類医薬品名禁忌理由
パーキンソン病治療薬アーテン、アキネトン抗コリン作用により症状が悪化する恐れがある
パーキンソン病治療薬トリモール、パーキン、ペントナ、コリンホール抗コリン作用による筋緊張の低下のため症状が悪化する恐れがある
排尿障害治療薬ポラキス/ネオキシ、バップフォー、デトルシトール、ウリトス/ステーブラ抗コリン作用により症状が悪化する恐れがある
排尿障害治療薬ベシケア、トビエース抗コリン作用による筋緊張の低下のため症状が悪化する恐れがある
不整脈治療薬アミサリン筋力低下が亢進する恐れがある
筋弛緩薬マスキュラックス、エスラックス重症筋無力症、筋無力症候群患者では非脱分極弛緩剤に対する感受性が極めて高い
筋弛緩薬ボトックス、ナーブロック筋弛緩作用を有するため、病態を悪化させる可能性がある
鎮痙薬マグネゾール/マグセントアセチルコリン放出抑制による骨格筋弛緩を起こす恐れがある

重症筋無力症患者に禁忌である薬剤のうち、抗コリン作用によるものが見受けられる。実際の症例は報告されていないものの、抗コリン薬はアセチルコリンが受容体に作用するのを妨げ、重症筋無力症の症状を悪化させる恐れがあると考えられている。
ただし、添付文書上、尿失禁、頻尿治療に使用する副交感神経遮断薬やパーキンソン病治療薬の副交感神経遮断薬は禁忌となっているが、ほかの副交感神経遮断薬、3級アミン合成抗コリン薬、4級アンモニウム塩合成抗コリン薬は禁忌に含まれていない。しかし、これらの薬剤においても、抗コリン作用により重症筋無力症の症状を悪化する恐れがあることに留意する必要があるだろう。

今後、患者数が増えれば接する機会も多くなる。重症筋無力症に禁忌の薬を見逃さないよう注意したい。

薬剤師向けクイズ

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薬剤師

下記の心不全治療薬の中で添付文書上、気管支喘息の患者に対して禁忌の薬剤はどれか。
A. フロセミド
B. スピロノラクトン
C. エナラプリル
D. カルベジロール
E. ビソプロロール

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