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腎性貧血初の経口薬?
公開. 投稿者:血液/貧血/白血病.この記事は約3分26秒で読めます.
3,122 ビュー. カテゴリ:貧血の原因は腎臓病?
貧血といえば、鉄欠乏性貧血を思い浮かべますが、貧血の種類にもいろいろある。
たいがい血液検査をすると、MCVとかMCH、MCHCといった赤血球恒数が検査されている。
赤血球恒数の評価は、貧血があると判断された場合に行われるものです。
赤血球数・ヘモグロビン・ヘマトクリットの検査データから、赤血球の平均的な大きさ(MCV)、赤血球1個あたりの平均ヘモグロビン量(MCH)、赤血球中の平均ヘモグロビン濃度(MCHC)を算出。その数値から、どんな種類の貧血が疑われるかを判断します。
貧血というと、血液が薄くなる、というイメージです。
鉄欠乏性貧血とか、出血だとそういう感じ。
MCVが大きいのは、巨赤芽球性貧血とか、赤血球の大きさが大きくなっても貧血になる。
また、腎臓を悪くすると、赤血球が作られなくなり貧血になる。
腎臓は、酸素不足を完治を関知して赤血球造血を刺激するエリスロポエチンを産生する臓器であり、CKDに合併する貧血の多くはエリスロポエチン不足が原因である。
腎臓は様々なホルモンを分泌しています。そのひとつに赤血球をつくるはたらきを促進するエリスロポエチンというホルモンがあります。腎臓のはらたきが低下すると腎臓からのエリスロポエチンの分泌が減り、赤血球をつくる能力が低下することで貧血になります。
このようにしておこる貧血を「腎性貧血」といいます。
エリスロポエチン
なので、透析患者に鉄剤が処方されていることがある。
しかし、鉄剤の補給だけでは改善しないので、週1でエリスロポエチンの注射を行う。
クレアチニンクリアランスが40ml/分以下、あるいは血清クレアチニン1.6mg/dl以上になると貧血が出てくるといわれている。
クレアチニンクリアランス10ml/分以下が人工透析を始める一つの目安なので、エリスロポエチンの注射は透析導入以前から行われている。
慢性腎不全になると、ほぼ例外なく貧血になります。
保存期腎不全では1~4週ごとにエリスロポエチンの皮下投与が行われることが多い。
エベレンゾ錠100㎎ 1錠
1週3回(月水金) 夕食後 6日分
エベレンゾ
エベレンゾ(ロキサデュスタット)は、生体が有する低酸素環境に対する生理的反応を応用してエリスロポエチンの産生を誘導する世界初のHIF-PH阻害剤である。
エベレンゾは、低酸素誘導因子(HIF)の分解酵素である低酸素誘導因子-プロリン水酸化酵素(HIF-PH)を阻害する。これにより、HIFが活性化しエリスロポエチンの産生が亢進することで、赤血球造血が促進すると考えられる。
エベレンゾの適応症は、「透析施行中の腎性貧血」であるので、透析患者にしか投与はされない。
あらかじめ定めた2~3日に1回の間隔(例えば月・水・金、又は火・木・土等)で週3回投与する内用剤であり、透析による除去はほとんどされないと考えられるため透析時間に応じた投与のタイミングは設定されていない。
貧血
貧血は「単位容積の血液中に含まれるヘモグロビン濃度の減少」と定義されている。
具体的には、血液100mL当たりのヘモグロビン量が、成人男性では13g未満、女性では12g未満、思春期前小児および80歳以上の高齢者では11g未満の場合が、貧血に該当する。
ヘモグロビンは赤血球の細胞質に含まれ、鉄を含有するヘムとポリペプチドのグロビンが結合した蛋白質である。
つまり貧血は、赤血球が減少した状態ということもでき、その原因には赤血球の産生低下や破壊亢進、急性あるいは慢性の出血などが挙げられる。
赤血球は骨髄の造血幹細胞から赤芽球、網状赤血球を経て生成される。
この生成過程では鉄分、ビタミンB12、葉酸といった栄養素や、腎臓で産生されるエリスロポエチンという造血ホルモンが重要な役割を果たす。
しかし、ビタミンB12や葉酸が不足して未成熟な赤芽球(巨赤芽球)が増加すると「巨赤芽球性貧血」が起こり、鉄が不足してヘモグロビン合成が低下すると「鉄欠乏性貧血」が起こる。
また、頻度としてはまれであるが、免疫異常などで赤血球の破壊が亢進すると「溶血性貧血」が生じる。
腎疾患でエリスロポエチンが不足すると「腎性貧血」が起き、造血幹細胞に異常が生じると「再生不良性貧血」や「骨髄異形成症候群」を起こす。
中でも最も頻度が高いのは鉄欠乏性貧血である。
月経や妊娠、授乳で鉄分が失われやすいため女性に多く、女性の10人に1〜2人、40歳代女性に限ると26.3%が鉄欠乏性貧血だといわれる。
実際、日本赤十字社の2001年の献血者調査によると、血液の比重不足で鉄欠乏性貧血の疑いがある人の割合は、男性で1%未満であるのに対し、女性では15.3%であった。
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