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無汗症に抗ヒスタミン薬が効く?
公開. 投稿者:皮膚外用薬/皮膚病.この記事は約1分15秒で読めます.
1,428 ビュー. カテゴリ:無汗症 と抗ヒスタミン薬
特発性後天性全身性無汗症という難病がある。
汗ダラダラの私からすれば、無汗症ってうらやましいんですが、汗をかかないと何が問題なのか?
無汗のため、皮膚は乾燥し、時にはコリン性蕁麻疹を合併することもある。また、高温の環境下において体温調節ができず熱中症を容易に発症し発熱、脱力感、疲労感、めまい、動悸さらには意識障害など重篤な症状が出現することもある。このため、夏には外出できなくなるなどの生活の制限がありQOLが著しく損なわれる疾患である。
特発性後天性全身性無汗症(指定難病163)
汗をかかないのも色々と問題があるのですね。
抗コリン薬が多汗症に効果があるというのは聞いたことがある。プロ・バンサイン錠には「多汗症」の適応がある。抗コリン薬の副作用として「口渇」があるので、分泌物の抑制という意味で汗の分泌も抑えるのはわかる。
しかし無汗症に適応を持つ薬は無い。
ただ、抗ヒスタミン薬が「無汗症」に効くという話がある。
抗ヒスタミン薬の中には、抗コリン作用を持つものも多いので、多汗症のほうにも効きそうだが、逆である。
ヒスタミンは、H1受容体を介して、汗腺細胞からの汗の分泌を阻害しており、抗ヒスタミン薬によって、汗の分泌が促されるのだという。
特発性後天性全身性無汗症という難病でなくても、発汗量が低下している病気がある。
アトピー性皮膚炎である。
汗の分泌量が低下しているために、皮膚が乾燥しているのである。
発汗すべき時に、汗が出ないので、皮膚に熱がこもり、乾燥し、病原体への抵抗性が下がります。
つまりアトピー性皮膚炎に抗ヒスタミン薬が効くのは、汗の分泌を促しているから、ともいえる。
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