2020年2月28日更新.3,279記事.6,298,424文字.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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パイロンPL顆粒を前立腺肥大症患者に売ってもいいか?

パイロンPL顆粒

医療用の風邪薬、総合感冒薬でメジャーなPL配合顆粒がありますが、同じ成分の市販薬でパイロンPL顆粒という商品があります。

PL配合顆粒の成分は、1g中

サリチルアミド 270mg
アセトアミノフェン 150mg
無水カフェイン 60mg
プロメタジンメチレンジサリチル酸塩 13.5mg

パイロンPL顆粒の成分は、2.4g中

サリチルアミド 648mg
アセトアミノフェン 360mg
無水カフェイン 144mg
プロメタジンメチレンジサリチル酸塩 32.4mg

と記載されているが、全く同じ成分量である。

PL配合顆粒が1日4回の用法なのに対し、パイロンPL顆粒は1日3回であるので、市販薬のほうが服用量は少ないといえるかも知れない。しかし、PL配合顆粒も処方上は1日3回であることが多い。

このようにパイロンPL顆粒は、医療用と全く同じ成分であるので、PL配合顆粒と同様の注意が必要であると思われるのだが、禁忌項目は異なる。

PL配合顆粒の禁忌は、

1. 本剤の成分,サリチル酸製剤(アスピリン等),フェノチアジン系化合物又はその類似化合物に対し過敏症の既往歴のある患者

2. 消化性潰瘍のある患者[本剤中のサリチルアミドは消化性潰瘍を悪化させるおそれがある。]

3. アスピリン喘息又はその既往歴のある患者[本剤中のサリチルアミドはアスピリン喘息を誘発するおそれがある。]

4. 昏睡状態の患者又はバルビツール酸誘導体・麻酔剤等の中枢神経抑制剤の強い影響下にある患者[本剤中のプロメタジンメチレンジサリチル酸塩は,昏睡状態の増強・持続,中枢神経抑制作用の増強や麻酔剤の作用時間の延長を来すおそれがある。]

5. 緑内障の患者[本剤中のプロメタジンメチレンジサリチル酸塩は抗コリン作用を有し,緑内障を悪化させるおそれがある。]

6. 前立腺肥大等下部尿路に閉塞性疾患のある患者[本剤中のプロメタジンメチレンジサリチル酸塩は抗コリン作用を有し,排尿困難を悪化させるおそれがある。]

7. 2歳未満の乳幼児[「小児等への投与」の項参照]

8. 重篤な肝障害のある患者[本剤中のアセトアミノフェンにより肝障害が悪化するおそれがある。]

たくさんありますね。

しかし、市販薬の禁忌に相当するパイロンPL顆粒の「してはいけないこと」には、

1.次の人は服用しないでください
 (1)本剤または本剤の成分によりアレルギー症状をおこしたことがある人
 (2)本剤または他のかぜ薬、解熱鎮痛薬を服用してぜんそくをおこしたことがある人
 (3)15才未満の小児
2.本剤を服用している間は、次のいずれの医薬品も使用しないでください
 他のかぜ薬、解熱鎮痛薬、鎮静薬、抗ヒスタミン剤を含有する内服薬など(鼻炎用内服薬、乗物酔い薬、アレルギー用薬、鎮咳去痰薬など)
3.服用後、乗物または機械類の運転操作をしないでください(眠気などがあらわれることがあります)
4.服用前後は飲酒しないでください
5.長期連用しないでください

と、PL配合顆粒の禁忌に比べると少ない。消化性潰瘍でも緑内障でも前立腺肥大症でも一応飲めるのである。

市販薬なので、長期服用に対しては「5~6回服用しても症状がよくならない場合は服用を中止し、この文書を持って医師、薬剤師または登録販売者にご相談ください」という注意書きもあり、その点ではリスクは少ないと言えるのかも知れませんが。

個人的には、医療用のPL配合顆粒の添付文書の記載をパイロンPL顆粒寄りにしてもらいたいところですが、「風邪ごときに医療用医薬品を使うな」という傾向であろうと思うので、むしろ薬価削除しちゃったほうが良いんじゃねーかとも思う。

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薬剤師

勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。

先生

そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。

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職業:薬剤師(管理薬剤師)
出身大学:ケツメイシと同じ
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